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【ATELIER MUJI・『渡し舟ーからむしの営み』展】

銀座ショールームから近いATELIER MUJIで現在開催されている『渡し舟ーからむしの営み』展に行ってきました。

「からむし」とは、苧麻(ちょま)とも呼ばれるイラクサ科の多年生植物です。麻は、茎や葉脈からとれる植物繊維の総称で、苧麻(ラミー)、亜麻(リネン)、大麻(ヘンプ)、黄麻(ジュート)などがあります。日本ではからむしと大麻が古くから使われてきました。

福島県昭和村では、少なくとも江戸時代よりからむしの栽培が行われていたそうで、この村で作られるからむしの質は特に高く、「越後上布」「小千谷縮」などの最高級織物の原料として重宝されてきました。しかし、ライフスタイルの変化や過疎化により、代々受け継がれてきた技術を継承する人も少なくなっていきました。今回の展示では昔ながらの方法で、栽培から収穫、織りまで、季節の巡りに応じて作られる様子やこれからのからむしを探る展示を見ることができます。

そして、展示されているからむしのタペストリーの型染めは藍師・染師BUAISOUさん、図案は染色家の柚木沙弥郎さんによるものです。とても美しく、柚木沙弥郎さん好きの方にとっても必見です。

伝統工芸の多くは生活様式の変化、作り手の高齢化、後継者不足など、時代の移り変わりとともにさまざまな課題に直面しています。伝統工芸を、ものづくりの背景や作られた製品を見て手にして感じること、そして使用することで、日本の文化や日本人の心について改めて知れば、現代における価値がまた生まれてくるように感じます。おすすめの展示です。

素材の源流を辿る 『渡し舟ーからむしの営み』展
https://atelier.muji.com/jp/
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/137657