1

2

3

4

5

6

7

8

9

【長野県のおやき】

信州・長野県の郷土料理である「おやき」。小麦粉や蕎麦粉などの粉を水やお湯で溶いて練り、薄く伸ばした生地に調理した野菜やあんこを包んで焼いたもので、地域によっては「やきもち」とも呼ばれているそうです。おやきの具材は、茄子やカボチャ、切り干し大根などのほかに、長野県の名産品・野沢菜を使ったものを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

おやきはもともと長野県北部に伝わる郷土食ですが、高速道路のサービスエリアや土産物店、地元のコンビニエンスストアでも広く販売され、今日では長野県全体の郷土料理として親しまれています。実はその歴史は驚くほど古く、雑穀の粉を練って焼いたと思われる跡が縄文遺跡から発見されています。寒冷地で米の栽培に適さない地域では、米の代わりに小麦や蕎麦が栽培され、それらの粉を使った食事が先人たちの食生活を支えていました。

昔はどの家庭にも囲炉裏があったため、地域によっては「ほうろく」という鉄製の鍋でおやきの表面を焼き、囲炉裏の灰の中で蒸し焼きにしてから周りについた灰を落として食べていたそうです。この「灰焼きおやき」が広がり、「蒸す」「焼く」「焼いて蒸す」「蒸して焼く」など、各地でさまざまな調理法が誕生しました。その中でも焼いて蒸すおやきは、もっちりとした食感が特徴と聞き、早速小笠原陸兆のおにぎり焼き器と山一の中華せいろを使い、おやきに初挑戦してみました。

皮となる生地をこね、2種類の具材を準備。丸い形に包んだおやきを弱火でじっくり、こんがり焼いたら、蒸気が上がったせいろに入れて10分蒸して出来上がりです。具材を調理したり皮を作ったりと手間も多いですが、手作りのおいしさと喜びを味わえること間違いなしです。お好みの具材を包んで、ぜひご自宅でいろいろなおやきを楽しんでみてください。

[材料(8個分)]
中力粉または薄力粉 200g

(A)
熱湯 132ml
サラダ油 小さじ2/3
塩 少々

(具①茄子の味噌炒め)
茄子 中サイズ2個
大葉 2~3枚
サラダ油 適量 
味噌 適量
砂糖 少々
白ごま 少々

※5mm幅に切った茄子をサラダ油で炒め、しんなりしたら調味料を加えて大葉を和える。

(具②野沢菜炒め)
野沢菜 200g
ごま油 大さじ1
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
醤油 小さじ1~2
赤唐辛子 お好みで

※野沢菜は塩抜きしてから細かく刻み、ごま油で炒める。酒・みりん・醤油を加え、水気がなくなるまで炒める。

[作り方]
1. (A)をあらかじめ混ぜておく。ボウルに中力粉を入れ、菜箸で混ぜながら(A)を入れる。
2. 粉にお湯がなじんだら手で混ぜてひとまとめにし、全体がなめらかになるまで2~3分こねる。
3. ボウルに蓋をし、15~20分間常温で寝かせる。その後、生地を8等分にして打ち粉(分量外)をつけ、直径約10cmに伸ばす。
4. 具材を生地の中央に置き、周りの生地を寄せてひだを作りながら包み口を閉じる。形は丸く整える。
5. 油ならししたおにぎり焼き器で、弱火で両面が色づくまで焼く。
6. 蒸気の上がった中華せいろに入れ(おやきが重なってもよい)、中火で10分間蒸す。

山一 中華せいろ
https://www.shokunin.com/jp/yamaichi/seiro.html
中村銅器製作所 段付き鍋
https://www.shokunin.com/jp/nakamuradouki/seiro.html
小笠原陸兆 おにぎり焼き器
https://www.shokunin.com/jp/rikucho/onigiri.html
大久保ハウス木工舎 パン皿
https://www.shokunin.com/jp/okubo/pan.html

参考資料
https://www.go-nagano.net/theme/id=17924
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/oyaki_nagano.html
https://www.kyounoryouri.jp/recipe/13883 (参考レシピ)
https://www.kurashiru.com/recipe_cards/f6979f7c-7345-4001-9e8a-f9c977d3e628 (参考レシピ)