S__71295037

S__71295038

【柚木沙弥郎と仲間たち】

「今の人々の生活を健全で快適なものにしたい」という思いにあふれた柚木氏と、同時代を共に切磋琢磨して歩んだ仲間たちの展覧会が日本橋高島屋で開催されています。100歳を迎えて今なお現役の染色家として作品を生み出している柚木沙弥郎氏。「自分は幸運にも長く生きただけで、ほかにも一緒にやってきた評価されるべき仲間がいるのです」と語っています。展覧会のタイトルにもご自分の名前が冠に付くのも遠慮していたそうです。なかでも作品と共に数多く紹介されていた、陶芸家の武内晴二郎や船木研兒とは民藝を熱く語り合い、家族ぐるみの付き合いだったそうです。また、柚木氏の師である染色家、芹沢銈介を中心に結成された団体「萌木会」に集まった仲間たちも紹介されています。

今回の展示には、日常の暮らしの中でどのように柚木氏の染色布や民芸品が使われてきたかという紹介もありました。浴衣地や手拭いなど裏表なく量産化を可能にする注染という伝統的な技法を取り入れた注染布。着物や帯地だけでなく、服地やカーテン、タペストリーなど「使いたいと思われる布」「使うことを第一の目的に」「生活に必要なもの」ということを基本に作り出されました。会場には注染布で家庭の主婦が仕立てた洋服も展示されています。実際に柚木氏のご親戚が仕立てた注染布の洋服が、久しぶりにダンボールから出されて飾られています。どのスタイルも、今見てもワクワクするような色と柄で、パワーがもらえる洋服たちです。そして柚木家の食卓コーナーでは、柚木氏が普段から使っている器や湯のみ、土鍋なども並び、いろいろ想像しながら楽しめ、つい見入ってしまう微笑ましい展示になっています。自分にとって想いのある物、ストーリーのある物を実際に使って丁寧に生活することの贅沢さを感じました。

会場以外にも高島屋正面ショーウインドウには、100歳の柚木氏の素敵な写真と心にしみるメッセージも飾られています。にぎやかな日本橋の喧騒の中、思わず立ちすくみ眺めてしまいます。職人.comでも生活の中で大切に使いたい物、たくさんの心のこもった手仕事、道具たちをご紹介しております。銀座ショールームと併せてお出かけしてみてください。

銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html
SIWA・紙和 シルクスクリーン
https://www.shokunin.com/jp/siwa/yunoki.html

参考資料
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/yunokisamiro/
https://artexhibition.jp/topics/news/20230709-AEJ1439416/