





【マヨネーズとケチャップ】
料理を彩る調味料。今回はその中でもマヨネーズとケチャップの歴史についてご紹介します。
マヨネーズは、現在スペイン領であるメノルカ島のマオン(Mahón)で食べられていた、玉子・油・レモン果汁を使ったソースが起源と考えられています。18世紀半ばフランス人がパリに持ち帰り、マオンのソース(salsa de mahonesa)が、フランス語でマオンネーズ(mahonnaise)、英語でマヨネーズ(mayonnaise)となり普及していきました。
日本では、1925年にキユーピーマヨネーズが発売されたのが最初で、当時の日本人の栄養不足や、洋風化する生活様式などを背景に、創業者である中島董一郎がアメリカ留学中に出会ったマヨネーズを製品化しました。ブランド名には当時人気だったアメリカのキャラクター・キユーピーを採用し、誰からも愛されるようにと名付けられました。世界的には全卵が使用されたものが主流ですが、キユーピーマヨネーズは卵黄を使用して栄養価を高め、日本人好みの風味も工夫し、食卓へと広がっていきました。
一方ケチャップの起源は、数百年前から中国南部で用いられてきた「ケ・ツィアプ」と呼ばれる調味料だと考えられています。ナンプラーや魚醤のような魚介類に塩を加えて醗酵させたソースで、17世紀ごろ、東西貿易が盛んになる中でアジアからヨーロッパへと伝わりました。ヨーロッパに伝わったケチャップは大きく姿を変えて広まり、魚介類だけでなく、牡蠣やロブスターのほか、きのこやフルーツなどさまざまな材料のケチャップが作られました。
その後アメリカに伝わり、ここで初めてトマトケチャップが登場します。当時普及し始めた食用トマトは酸味が強く、売れ行きも悪かったため、アメリカに渡ったヨーロッパ人たちによってケチャップにすることが考案され、砂糖や塩、酢、スパイスなどを加えたトマトケチャップは多くの家庭で手作りされました。やがて工場で大量生産されるようになり、アメリカはトマトケチャップの消費量が世界一となっています。
日本では明治時代、そんなアメリカからケチャップが伝わったため、日本では当初からケチャップといえばトマトケチャップでした。国内でも製造されるようになり、洋食の普及とともにその需要も増え、チキンライスやナポリタンなどケチャップを使った日本の洋食文化が生まれました。
このように、マヨネーズもケチャップもそれぞれの地域で食べられていたものが偶然か必然か世界へと広がり、その先で変化や発展を遂げることで、今日ではなくてはならないさまざまな食文化が育まれていったのです。
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参考資料
https://www.mayonnaise.org/origin.html
https://www.kewpie.co.jp/mayonnaise/history/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/マヨネーズ
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ケチャップ