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【何に乗って行こうか】

普段札幌市内に暮らしている私は、ショールームがある小樽市までどうやって行こうかと思いを巡らせるのが小さな楽しみです。そうはいっても、車を持たない私に与えられた選択肢は、電車かバスかという二つに一つしかありません。しかしこれは決して簡単な二択ではないのです。というのは少々大袈裟過ぎますが、時間やお金といった現実的な問題であるのはもちろんのこと、選ぶ手段によって得られる体験も変わってくると思うのです。ということで今回は、私が感じるそれぞれの魅力をご紹介できたらと思います。小樽運河などを観光で訪れる場合には、札幌市内に宿泊しているという方も多いかと思いますので、もしかすると交通手段選びの一助となるかもしれません。

ではまず、電車という選択肢を選んだとしましょう。ひとまず札幌駅(市民たちはよく「サツエキ」と呼びます)へ行きJRの改札を通ります。札幌小樽間の料金は750円、所要時間は特急列車「快速エアポート」を使えばおよそ30分ほど、普通列車ならば1時間弱といったところです。快速エアポートはとても便利ですがそこそこ混み合うため、時間に余裕があるときには普通列車にのんびりと揺られていくのもおすすめです。列車には座席がロングシートのものもあれば、転換クロスシートのものもあります。どうやら両者は人によって好き嫌いが分かれ、巷では鉄道シート論争なるものが繰り広げられていたりするようですが、私はクロスシートに腰掛けると、幼いころ車内にお菓子を持ち込んで少し遠くまで出かけた時のような気持ちが蘇り、澄ました顔をしながら密かにわくわくしています。札幌小樽間の函館本線は、銭函駅の辺りから小樽築港駅の手前くらいまでの間、海岸線のすぐ横を走っており、目の前に日本海が迫りくる車窓は大変迫力があります。列車の心地よい揺れを感じながら、季節や天気によって異なる表情を見せる海原を眺めていると、なんだか頭が空っぽになる気がします。無事小樽駅に到着すると、国の登録有形文化財にもなっている趣深い駅舎が出迎えてくれます。小樽駅は今年の6月28日で開業120周年を迎えたということで、現在使われている駅舎は昭和9年に建てられた3代目の駅舎なのだそうです。

では、対してバスを選択したならばどうでしょう。まずは札幌駅構内の隅にあるバスターミナルへと向かい、1番のりばの「高速おたる号」へと乗り込みます。高速おたる号の札幌小樽間の料金は680円、所要時間はおよそ1時間ほどになります。快速エアポートに比べると少々時間はかかりますが、ゆったりと座って、そして少しだけお得に行くことができます。また特に冬は雪の影響で鉄道が運休することもしばしばあり、その点はバスのほうが比較的強い印象があります。バスターミナル以外にも駅周辺に何カ所か停留所があるので、小樽からの帰りに、お買い物を楽しみすぎて荷物がいっぱい!というときなどには、ホテル近くで乗り降りできて便利かもしれませんね。バスに乗るならば、小樽へ向かうときには右側、札幌へ向かうときは左側の座席に座ると、より景色を堪能することができるのでおすすめです。バスは途中、札樽道(札幌の「札」と小樽の「樽」で「さっそん」と読みます。私はしばらくの間「さつたる」だと思っていました)と呼ばれる高速道路を走行しますが、山のほうの少し高いところを走るため札幌や小樽の街を上から見下ろす形になります。私は札幌に帰るときにバスを利用することが多いのですが、海から山へと続く斜面に負けじと家々が建ち並ぶ小樽の港町らしい景色から、山間から見える石狩湾、そしてしだいに海岸線が遠ざかり、建物で埋め尽くされた広く平らな札幌の街並みへと、ゆったりと移り変わっていく車窓を眺めているのがとても好きです。

さて、皆さまは何に乗って小樽へいらっしゃいますか?私自身、時間に追われて快速エアポート一択!という日や、いつの間にか眠ってしまって気が付けば景色も見ることなく目的地に着いていたなどということも多々ありますが、そんなことも含めて今後もこの二者択一を楽しんでいこうと思います。皆さまの小樽までの旅が素敵な時間でありますように。そして小樽を訪れた際には、ぜひ当店ショールームにもお立ち寄りくださいませ。

小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html

参考資料
https://otaru.gr.jp/tourist/otaruekikaigyou120eventnyujyoukenhanbai
https://otaru.gr.jp/project/otarujishin-202203-otaruekicloseup