




【漆で直す】
漆は、1万年以上前から日本で使われていた天然の塗料です。乾いて漆器となった漆は、強いアルカリや酸にも負けない強さと、抗菌・防腐作用があります。
漆器は、そんな最強の鎧をまとっているので、中の木地は丈夫で元気。たとえ漆が剥がれても、塗り直して使い続けることができます。100年前の漆器でも甦らせることができ、100%天然のものなので紫外線で分解されて自然に還り、使い続けることで余計な木を伐採する必要がない、大変サステナブルなものなのです。
ところで漆で直すというと、どうしても陶磁器の修復の「金継ぎ」を想像する方も多いかもしれませんが、もちろん漆器自体の修復も可能で、漆はその抗菌・防腐効果の高さから、漆器以外にも鉄瓶の錆止めとしても使われています。
お手入れも、柔らかいスポンジに食器用洗剤を付けて普段どおりに洗うだけ。洗ったあとは柔らかい布で水滴を拭き取ります。この毎日のひと手間が積み重なって、艶のある器に育っていきます。使い続けることで変化する様子を楽しめるよう、下塗りから上塗りまで何層にも漆を塗り重ねて作られています。
毎日使って毎日洗う。それだけで、湿度があるところで固まる性質を持つ漆器が喜び、艶が増して美しくなり、末長くお使いいただけます。修理をしてくれる職人ばかりなので、もし壊れても捨てずにまずは問い合わせをしてみてください。
安比塗漆器工房
https://www.shokunin.com/jp/appi/wan.html
輪島キリモト
https://www.shokunin.com/jp/kirimoto/coffee.html
白木屋漆器店
https://www.shokunin.com/jp/shirokiya/teshio.html
参考資料
http://www.chuokai-fukushima.or.jp/aizushikkikumiai/urushinochikara/jpn_aizushikkikumiai/index.html
https://www.appiurushistudio.com/use/
http://kirimoto.net/care_jpn.html
https://www.shirokiyashikkiten.com/shop-info/catalogue/catalogue.html