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【春を告げるそら豆】

春から初夏にかけて旬を迎える食べ物の一つに、そら豆があります。春になると、新玉ねぎ、新じゃが、アスパラガスや山菜などとともに、野菜売り場に色鮮やかでふっくらツヤのある豆類を見かけることが多くなります。スナップえんどう、グリーンピース、そら豆など、この季節の豆は青々としていて、見ているだけで元気が出てきます。

豆は世界最古の農作物といわれていますが、えんどう豆は、原産地がエチオピア、中央アジアなどとされ、古代エジプトや古代ギリシアでの記録があります。原産地域であるウズベキスタンのフェルガナ地方から漢に伝来した際に、漢人がフェルガナを「大宛」と呼び、その地の豆であることから、「宛の豆=えんどう」と名付けられたことが名前の由来とされています。

そら豆は、イスラエルの新石器時代の遺跡から出土していて、エジプトやトロイ遺跡からも化石が見つかっています。豆を包んでいる大きくてしっかりとしたさやが空の方を向いて伸びるので、「そら豆(空豆)」と呼ばれているそうです。そら豆の中でも、3cm以上の大粒のものを「一寸豆」や「おたふく豆」と呼びますが、空に向かって伸びる様子を成長に重ね合わせて、健やかな成長を祈る縁起物とされています。

当店の吉向窯のそら豆の箸置きを測ってみると、約3.6cmありました。青々としていて美しく、これがもし本物だったら、ふっくらホクホクしてきっとおいしいに違いありません。石炭層を含む独自配合の土で成型し、1000度で素焼きしたあと、刷毛で釉薬と色土を手塗りしています。一点一点風合いが異なり、実に味わい深い箸置きです。

一年を通して人気の商品ですが、週末の若松ショールームでは、たくさんのお客様がそら豆に春を感じているようでした。

吉向窯 そら豆の箸置き
https://www.shokunin.com/jp/kikkou/soramame.html
ヨシタ手工業デザイン室 てがかり
https://www.shokunin.com/jp/yoshita/tegakari.html
若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html