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【春の皿には苦味を盛れ】

春の味覚を楽しめる季節です。「春の皿には苦味を盛れ」ということわざがあります。明治時代の医師で薬剤師でもある、石塚左玄の著書『食物養生法』には、「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と合点して食え。」(春は苦み、夏は酸味、秋は辛味、冬は脂肪と季節ごとにできるものを食べよ)と記されています。

石塚左玄は日本で初めて「食育」を提唱した人で、6つの訓えがあります。その6つとは、
①家庭での食育が大切 
②私たちの体は食べたものでできている 
③人間は穀物を主として食べる穀物動物 
④食べ物は丸ごと食べる(身土不二)
⑤地産地消で地域の新鮮で旬のものを食べる 
⑥何でもバランスよく食べる

左玄は明治時代の文明開化で、食や食文化までもが洋風化される中、日本古来の食生活が乱れて今後病気が増加すると注意を呼びかけ、食生活は日々の健康を左右するので日本人には日本人に合った食生活が大事であると言いました。左玄の弟子の桜沢如一は、左玄の食養法をベースに「マクロビオティック」として発展させ、日本の伝統食を基本とした食事を摂ることで、人間と自然の調和を取り、健康な暮らしを実現する考え方の長寿法を説きました。

春の苦味といえば、ふきのとう、たらの芽、うどなどの山菜や菜の花などがありますね。春は気温が高くなるにつれて、虫や菌たちの動きも活発になり、山菜や野菜はその虫や菌たちから身を守るために「苦み」や「アク」を出します。その苦味は、「植物性アルカロイド」や「ポリフェノール」という成分が元になっています。抗酸化作用、肝臓のろ過の機能を向上させ、老廃物を体外に排出する解毒作用や新陳代謝を促進する働きがあります。冬眠する動物は、寒くなる冬までに栄養を溜め込んで冬眠に備えます。人間も同じように冬の寒さから身を守るために、脂肪を溜め込むようになります。冬眠から目覚めた熊が一番初めに口にするのは「ふきのとう」といわれています。熊は本能的にふきのとうの苦みを体内に取り入れることで、眠っていた体を目覚めさせているようです。

春は、気温の寒暖差と気圧の変動で自律神経のバランスを崩しやすく体調不良が起きやすい時季です。ぜひ春野菜で身体をデトックスし、調子を整え食で健康を作っていきましょう。

銀座のショールームから徒歩7分くらいの場所に、立ち食いそば「よもだそば」があります。自家製麺と無化学調味料で、青森からの山菜・山野草メニューがあり、現在はふきのとう天そばが出ています。銀座ショールームにお立ち寄りの際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

よもだそば
http://www.yomoda-soba.com/menu/sanyasou.html
中村銅器製作所 天ぷら鍋
https://www.shokunin.com/jp/nakamuradouki/tempura.html
conte こします
https://www.shokunin.com/jp/conte/oilpot.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/石塚左玄
https://ja.wikipedia.org/wiki/マクロビオティック
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/021033/fukudokuhon/home_d/fil/292.pdf