

【照り焼きとテリヤキ】
「照り焼き」とは、醤油、酒、みりんなどを合わせたタレを食材に塗りながら焼いたり、食材に絡めるようにして調理することで、タレの糖分により食材の表面が「照り」を帯びる調理法をいいます。日本では主に魚や肉の調理に用いられ、身が引き締まりつつも脂のあるブリやとりの照り焼きが人気です。甘辛くとろみのあるタレは、白ご飯との相性も抜群で、ついつい箸が進んでしまうという方も多いのではないでしょうか?
一方、アメリカにおいては、「スシ」や「テンプラ」と並び、「テリヤキ」という日本語が辞書にも掲載されるほど定着しています。中華料理店や、アジア料理を提供するファストフード店のメニューにはかなりの確率で「テリヤキ」があるそうですが、その調理法は日本の「照り焼き」とは異なり、あらかじめテリヤキソースに漬け込んだ食材を調理したり、焼いた肉にテリヤキソースをかけて食べるのが一般的。現代アメリカのテリヤキソースは、必ずしも日本と同じというわけではなく、胡麻やにんにくなどの材料が入ったり、みりんではなく代用品が使用されていたり、スパイシーな場合もありますが、一般的には甘めの味わいだそうです。瓶詰めのテリヤキソースは、スーパーなどでも販売されています。
アメリカでテリヤキソースが生まれた背景には、醤油メーカーのキッコーマンの米国進出がありました。1957年に、アメリカ国内では初となる醤油の販売を始めた際、日本料理があまり一般的でなかったために、醤油の使用方法を当時のアメリカ人に理解してもらえず、販売が伸び悩んでいました。そこで、キッコーマンに勤務していた日系二世のセールスマンであるタム吉永氏が、母親が調理していた魚の照り焼きをヒントに、肉料理でも楽しめる醤油ベースのテリヤキソースを発案。その調理法は、同社が主催する料理教室や小冊子の頒布によって広まっていきます。また、ハワイでも日系人が何世代にもわたり、生姜、黒砂糖、パイナップルジュース、ねぎなどを元の味に加え改良を重ねたことで、現在好まれているテリヤキソースとしてゆっくりとアメリカに普及していきました。
日本風の照り焼きのタレを作る調味料の基本の比率は、醤油:みりん:酒:砂糖が2:2:2:1。とり肉に片栗粉をまぶし、皮目を下にしてから焼き始め、両面に焼色が付いたころにタレを加えて煮絡めていきます。食べやすい大きさに切り、曲げわっぱのお弁当箱にご飯をたっぷりと入れ、レタスをしき、その上にとり肉の照り焼きを並べれば、とろりとした琥珀色のタレがつやつやと照り輝く、とりの照り焼き弁当の出来上がり。たとえ照り焼きのタレが無塗装のお弁当箱にくっついても、それは料理をおいしく楽しんだ証だと思えば、すぐに気にならなくなるでしょう。「照り焼き」が「テリヤキ」になったように、海外に伝わり、その後独自に発展した料理や調理法は、世界中で見受けられます。そんな料理に出会ったら、その味と共に現地の文化や料理の歴史を味わってみるのも、一つの楽しみになるのではないでしょうか?
栗久 曲げわっぱのお弁当箱(無塗装) 小判型スリム
https://www.shokunin.com/jp/kurikyu/mutosou.html
HASAMI ブロックボウルミニ
https://www.shokunin.com/jp/hasami/blockbowl.html
参考資料
https://mi-journey.jp/foodie/45578/ (レシピ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%85%A7%E3%82%8A%E7%84%BC%E3%81%8D
https://en.wikipedia.org/wiki/teriyaki
https://kikkomanusa.com/homecooks/category-family/teriyaki-sauces/