otaru1

otaru2

otaru3

otaru4

otaru5

【小樽ショールームあれやこれや】

今回は、私が勤務する中で見つけた小樽ショールームに関する小さな発見をご紹介させてください。

それでは早速、建物に入るところから始めましょう。運河沿いの道を行き、淡いブルーの外壁が映える協和浜ビルに辿り着いたら、中華料理店「好」さんの入口右横にある「OFFICE」と書かれた扉を開けて進みます。階段を4階まで上がりますが、これがなかなか良い運動です。石の質感や手すりのデザインなどを楽しみながら、ゆっくりのんびり上ってみてください。いよいよショールームに到着です。

部屋のドアに付いたドアノブ。シックなダークブラウンの扉に映える金色ですが、使い込まれてメッキが剥がれたり色褪せたりしているのが、また味わい深いです。鍵穴をよく見てみると、外側と内側とでは使用度合いの差が歴然としていて面白いです。

部屋に足を踏み入れると広がる板張りの床。歩くと時折鳴る「みしみし」という音がなんとも心地よく、訳もなく歩き回りたくなるのです。また、部分的に異なる材が継がれている箇所や、大部分には見当たらない釘頭が見られる箇所があったりと、何度か手が加えられてきたのであろう痕跡がうかがえるのも興味深いです。個人的にとても気になっているのが壁際に何箇所か見つけられる丸い痕。一体どのようなものが置かれていたのだろうか?とかつての部屋の姿を想像してしまいます。

そしてこの部屋のチャームポイントといえば、やはりこの大きなアーチ窓でしょうか。上部の半円形部分は、水色、ピンク、オレンジなどで淡く色づいたガラスが使用されており、晴れた日には光を反射してきらきらするのがとても綺麗です。陽が落ちてからは昼間とはまた少し違った美しさがあります。ドアと同じ色の窓枠も素敵です。二重窓という作りも寒い北国ならではかもしれませんね。

目線を少し上に上げて、天井から吊り下げられているランプシェードも見逃せません。やわらかいオレンジ色の光で、明るすぎない照明が部屋の雰囲気をより一層引き立ててくれているように感じます。

そして、商品がディスプレイされている什器たちもまた魅力に溢れています。個人的なお気に入りは、大寺幸八郎商店のミニ干支シリーズなどが展示されている電話台です。いつかどこかでここに置かれていた電話は、もしかしたら今はほとんど目にすることのなくなった黒電話かもしれません。分厚い電話帳を広げてダイヤルを回していたかもしれない電話台には、今はとっても可愛らしい動物たちが並んでいます。皆様のお気に入りはどれでしょうか?

さて、職人.comのショールームは日本全国に5つありますが、今出川、三条、銀座、若松、そして小樽と、それぞれが歴史ある素晴らしい建築の中に存在しています。並べられた逸品を手にとって楽しむのはもちろんのこと、それらを包み込む部屋の細部にふと目を向けてみると、何か素敵な発見があるかもしれません。そこにはこれまでどんな人々が集い、どんな時間を過ごしていたのだろうかと、一つの部屋が辿ってきた歳月に思いを馳せるのはなかなかに楽しいものです。

小樽ショールームには窓際にベンチや椅子も置いてあります。とりあえず一息付くもよし、写真を撮るもよし、部屋や景色を眺めるもよし。時にはゆっくりと腰掛けて思い思いの時間を過ごしていただければ幸いです。皆様のご来店をお待ちしております。

小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html