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【三徳とはどんな徳?】

私たちの台所で一番なじみのある包丁、それは「三徳包丁」ではないでしょうか?またの名を、文化包丁や万能包丁といいますが、その歴史は実はそんなに長いものではないと最近知り、ちょっと驚きました。

三徳包丁は、肉・魚・野菜のどれを切るのにも適した形状を持つ包丁ですが、野菜を切る菜切包丁、魚を切る出刃包丁(または漁師が使用していた舟行包丁)、そして肉を切る牛刀の特性を合わせ持った包丁として、1940年代ごろに登場しました。日本の菜切包丁と出刃包丁、そして西洋の牛刀。これら3種類を1本でまかなえることから「三徳」と呼びます。

それ以前に使用されていた菜切包丁や出刃包丁など、用途や職業に紐づいた包丁は、江戸時代ごろに成立したと考えられています。浮世絵に見られる江戸時代の包丁は、現代の包丁ともよく似た形状をしています。そして牛刀は、明治時代に食生活の変化から肉が食されるようになったことで取り入れられるようになりました。

もちろん、それぞれの種類の包丁には得意分野があり、一つの作業に対して最も適した役割を果たしてくれるのですが、そのどれも平均的にこなしてくれる頼りがいのある三徳包丁がとても便利というわけですね。料理を始めたてのころ、初めて買った包丁が三徳包丁、という方も多いと思います。

2016年に行われた「包丁」についての調査によると、包丁の平均所有本数は4本、その第1位となったのが「三徳・万能・文化包丁」、次いで「パン切り包丁」、第3位は「ぺティナイフ」で、全体の98.4%が三徳包丁を所有していました。

庖丁工房タダフサの「基本の3本」は、種類が多く専門的で、どれを選んだらよいか分かりづらい包丁を、これだけ揃えれば充分という3本に絞り込んだシリーズです。刃に使用しているSLD鋼はステンレス並みのクロームや炭素、モリブデン、バナジュウム等を含有する硬く粘りのある特殊合金。一般的なステンレスに比べ、お手入れ次第では錆びも出てきてしまいますが、よく切れ、切れ味も長持ちするのが特長です。こちらの万能包丁は、両刃仕様のため左利きの方もご使用いただけます。

春はスタートの季節。「未来を切り開く」新しい包丁を選んでみるのはいかがでしょうか?

庖丁工房タダフサ 基本の3本
https://www.shokunin.com/jp/tadafusa/houchou.html
森本刃物製作所 文化包丁
https://www.shokunin.com/jp/morimoto/bunka.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%BE%B3%E5%8C%85%E4%B8%81
https://www.lisalisa50.com/research20160419_14.html
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2606906