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【おかめ】

秋の気配を感じるようになりました。暑くもなく寒くもない、花粉もない良い季節です。おいしいものも増え、自然と食欲も出てきます。

戦後1946年創業の「おかめ」は銀座で人気の甘味処です。1930年代、深川に二川屋というお店を出したのが「おかめ」の前身で、その後有楽町に本店を構えました。創業当時は朝日通りという朝日、読売の両新聞社がある賑やかな歓楽街にあり、朝の10時半から深夜3~4時まで営業していたそうで、主婦や学生だけでなく、日劇のダンサーさんや銀座のクラブのホステスさんまで集まる場所だったようです。甘味処とは思えない、現在の甘味処のイメージとはまた違った幅広い憩いの場だったようですね。その後、代が変わっていくとともに、看板メニューができたり佇まいも数寄屋造りから民芸造りになったりと、現在は麹町に1店舗、有楽町に2店舗、どのお店も銀ぶらで歩き疲れた身体をほっとさせてくれる雰囲気です。

店内の家具には松本民芸家具の物が多く使われており、食器なども会津の陶芸家のものや柳宗理のスプーンであんみつをいただくことができます。装飾品も芹沢銈介の型染をはじめとした「民藝」で統一されており、華美な装飾品よりも力強くて温かく、入り口には笑顔のおかめ面が出迎えてくれます。店内でお茶を出してくださるお姉様方も、私的には同年代の方が多く、これまた安心感を感じてしまうのです。

そんな「おかめ」の私の一推しは「蔵王あんみつ」。寒天の上に餡、その上に蔵王連峰の樹氷を思わせるソフトクリームがのっています。餡が小豆でなく、金時豆餡というところがポイントです。金時豆には黒豆の3倍ものポリフェノールや、大豆の1.5倍の食物繊維が含まれています。活性酸素を除去し腸内環境を整え、免疫力を高めるには最適です。小豆よりも粒が大きいので存在感もあり、シンプルでありながらどっしりとした味わいです。

そして、看板メニューのおはぎも外せません。お土産でよく持ち帰るのですが、サイズはかなり大きめで、オーダーしてから作ってくれるため、ほんのり温かいおはぎの包みを手渡され、ただそれだけで幸せな気分にになるのです。日本人で良かったなぁと思えるのです。甘味のほかにも、おでんやきしめん、お雑煮もあります。しょっぱいもののあとには甘いもの、そしてまたしょっぱいものに戻りたくなるのは私だけでしょうか?そんなエンドレスな「おかめ」にぜひ立ち寄ってみてください。銀座ショールームもお忘れなく!奥野ビルでお待ちしております。

甘味おかめ 有楽町店
https://goo.gl/maps/Ycj8eTdemJkYDNcV6
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://kisetsumimiyori.com/kintokiazuki/#i-5
http://www.kanmi-okame.jp