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【日本のうま味】

おいしい料理を食べたとき、コクがある、深みがある、うま味があるという風に日常的に言いますが、コクや深み、うま味とは、正確にはどのようなものなのでしょうか?味覚には、5つの基本味があり、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味で構成されています。

うま味とは、おいしい料理には欠かせない重要な役割を担っています。出汁などから感じられるため、日本人にはとても馴染み深い味覚です。成分としては、グルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸などを指し、グルタミン酸は昆布や野菜などに、イノシン酸は魚や肉などに、そしてグアニル酸は干しきのこなどに多く含まれています。

日本では古くから料理に昆布だしが使われてきました。1908年、東京帝国大学・池田菊苗博士は、昆布に含まれる成分においしさの素があると、昆布だしの味の正体を研究し、昆布からグルタミン酸を取り出すことに成功。そしてグルタミン酸が昆布だしの主成分であることを見出し、その味を「うま味」と名付けました。また、池田博士から事業化を託された鈴木三郎助により「味の素」が生まれました。

かつて西洋では、うま味と提唱されるまではうま味以外の4つを基本味としていました。しかし、西洋料理にも「フォン」や「ブロード」といった出汁があり、それらは素材からうま味を抽出したもので、それなしに西洋料理は成立しません。日本では昆布と鰹節の組み合わせの「出汁」、中国では鶏肉とねぎや生姜の「湯」、ヨーロッパでは野菜と肉の「ブイヨン」など、「うま味」という言葉が定義されていない時代から、うま味の相乗効果のある料理は世界中にたくさん存在しています。東南アジアを中心に使われる魚醤もうま味を凝縮させたものです。

2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本人の伝統的な食文化は、海外の人たちの間で注目を集め、これまで以上に楽しまれるようになりました。和食や日本料理が世界へ広がるのと同時に、「umami」という日本発の国際語も普及しつつあるそうです。うま味を言葉で説明するのは少々難しい反面、世界中で誰もが感覚的に知っている味覚ではあるのに、「umami」と呼ばれていることが日本人として誇らしくも不思議な気もします。

中村銅器製作所の玉子焼鍋は、まさにうま味を感じられるだし巻きを作ることができます。厚めの銅板は熱伝導性や保温性に優れ、焼きムラや焦げ付きが起こりにくいことが特長です。ご家庭でプロの味にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

中村銅器製作所 玉子焼鍋
https://www.shokunin.com/jp/nakamuradouki/tamagoyaki.html
台屋 鰹節削り器
https://www.shokunin.com/jp/daiya/

参考資料
https://www.umamikyo.gr.jp/knowledge/