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【再織り】

再織りは、チェコやドイツのヨーロッパを起源とした「シェニール織物」が明治時代に日本に伝わり、和歌山県高野口の前田安助氏がその美しい織物を何とか再現したいと考え、試行錯誤ののち機械を一から考案し、日本独自の再織りを作り上げたそうです。

明治10年頃から昭和の初めにかけて、再織りのテーブルクロスやカーテンを海外へ輸出して、大変好評だったそうですが、昭和30年にその製造方法の複雑さと手間がかかることから、一度消滅してしまいます。その後約30年経った昭和58年に、伝統の技術と新しい技術を合わせ、再び再織りの開発に取り組み、数年かけて今の再織りの完成に至りました。

再織りを織るには、よこ糸にビロード状に毛羽立てたシェニール糸、たて糸に綿の糸を使います。このシェニール糸を作るときに、たて糸の密度を粗くした織物を織ってから、たて糸を1本ずつ縦にカットしてできた毛羽だった糸を、撚りをかけて毛羽のある毛虫のような糸にしたもの。このように、織りの工程を2回行うことから、再織りと呼ばれています。綿100%で作られた再織りのマフラーは、肌にとても優しく、裏表がありません。また、生地が厚いので冬でも体温を逃さず暖かく、綿なので春や秋でも気軽にかけることができます。

再織りのマフラーは、手作りの温かみがあるので、着物の装いにもよく合います。銀座でも、大江戸骨董市や、奥野ビル内での催事などでアンティークの着物を手軽に買うことができます。私も素敵な着物を見つけては、そのまま羽織にしたり、リサイズやリメイクをして楽しんでいます。せっかく着物の文化のある国にいるのですから、普段の洋服の上にサラリと着物を羽織って出かけたり、ゆくゆくは普段着に着物を着れる大人になりたいものです。

再織りのマフラーは、洗濯機で何度も丸洗いしても、そのままの厚みのある柔らかな手触りを楽しめます。近代化された今でも1日数メートルしか作れないという、大変貴重な織物のあたたかいぬくもりをぜひ感じてください。

織り心 再織りのマフラー
https://www.shokunin.com/jp/origin/scarf.html

参考資料
http://www.so-bien.com/kimono/用語/再織.html
http://www.nogami-pile.com/product3.html