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【夏の風物詩、花火】

夏の風物詩である花火。花火の原料である火薬(黒色火薬)は、日本では16世紀の戦国時代に鉄砲の火縄銃とともに伝来しました。鉄砲の他に軍事的通信手段である「のろし」での使用が主流で、現在のような遊びや観賞用の花火が登場するのは江戸時代に入ってからとなります。日本での花火鑑賞の記録としては、1589年7月に伊達政宗が米沢城で見たというものや、1613年8月に徳川家康が駿府城で見たという記録があります。

現在、全国各地で花火大会が催されていますが、そのルーツとも言えるものが「両国川開き花火」です。19世紀に大きく発展し、江戸の年中行事となりました。こちらは名前は変わりましたが、現在でも続く「隅田川花火大会」のことになります。また、全国の花火大会の中でも、歴史の深さや規模の大きさから、「日本三大花火大会」と呼ばれる3つの花火大会があります。秋田県「全国花火競技大会「大曲の花火」、茨城県「土浦全国花火競技大会」、新潟県「長岡まつり大花火大会」です。

長岡まつり花火大会は、他の2つとは異なり、競技大会にはなっていない花火大会で、「慰霊と復興」の願いが込められた大会です。長岡空襲で命を落とした方々へ、シベリアで亡くなった戦友たちへ、そして、甚大な被害をもたらした中越地震からの復興祈願と、さまざまな思いが込められた大会です。中でも伝説の花火師・嘉瀬誠次氏の「白菊」という花火が有名で、戦後70年となった2015年8月15日には、ハワイ真珠湾でも長岡花火の白菊が打ち上げられています。

今年、全国では久々の開催となった花火大会も少なくありません。9月中旬頃まで各地で行われているようです。そして、花火にまつわるストーリーを知っていると、花火の見方が変わるかもしれません。身近な花火大会のストーリーをぜひ探ってみてください。

くわな鋳物 蚊やり器
https://www.shokunin.com/jp/kuwana/kayariki.html

参考資料
http://www.hanabi-jpa.jp/data/booklet.html
https://www.sumidagawa-hanabi.com/about/
https://sp.jorudan.co.jp/hanabi/columns/big3.html
https://www.news-postseven.com/archives/20160726_432542.html