1

【打ち水】

日本の夏の涼み方の一つ、打ち水。打ち水は、昔から庭やお店の軒先や、道路などで見かけられます。古代においては、神様が通る道を清めるという意味合いがあったようです。水に対する信仰心と仏教伝播とともに、水による清めと浄化が精神的な存在として神聖視されていきました。戦国から安土・桃山時代の茶の湯の世界では、礼儀作法として行われ、江戸時代に入ってから一般に広まり、夏の暑さを和らげたり道の土埃を鎮めてお客様を気持ちよく迎え入れるために、玄関先や道に水を撒いていました。

水は、蒸発するときに周囲の熱を吸収する気化熱が発生するので涼しくなります。そしてその水蒸気によって、一時的に気圧が上がり、空気は気圧の高い方に流れていくために自然なそよ風も発生します。打ち水の場所は、道路や庭先だけではなく、ベランダやエアコンの室外機の周りも効果があるそうです。室外機の周りは冷房の運転効率がアップして、消費電力を減らすことにも繋がります。

打ち水を行う時間帯としては、暑い日中ではなく朝夕に行うのが良く、日向よりも日陰のほうが効果があります。日向は水がすぐ蒸発するのであまり効果がなく、日陰でゆっくり蒸発するほうが涼しさを実感できます。ただし、道路からの照り返しによる暑さ対策には、昼間や日向の打ち水も効果的だそうです。そして、打ち水の水はお風呂の残り湯や雨水などを二次利用することで、環境に優しいサスティナブルな節電対策にもなります。

水に触れて感じる体感的な涼しさは、五感を刺激して涼しい気持ちにさせてくれます。浴衣や風鈴を響かせるのも日本の夏の風情を感じる涼しさです。最近は街中にドライミストを見かけたりしますが、こちらも現代的な打ち水ですね。8月4日には「打ち水大作戦」という、一日中打ち水が行われるイベントが開催されます。連日続く猛暑ですが、熱中症対策としてもこの打ち水が作り出すの自然のクーラーを利用していきましょう。

小笠原陸兆 南部風鈴 
https://www.shokunin.com/jp/rikucho/furin.html
能作 風鈴
https://www.shokunin.com/jp/nousaku/furin.html
TOUCH CLASSIC 風鈴
https://www.shokunin.com/jp/touchclassic/furin.html
打ち水大作戦 2022
https://uchimizu.jp

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/打ち水
https://uchimizu.jp/2021/08/1957/
https://www.ntt-f.co.jp/column/0108.html
https://www.jalan.net/news/article/562561/
https://ja.ukiyo-e.org/image/bm/AN00508857_001_l