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【冷麺】

食欲が落ち気味な夏は、冷たい麺が食べたくなります。冷やし中華と同様に韓国の冷麺も夏のイメージですが、そのルーツは冬の寒さが厳しい朝鮮半島北部の、「オンドル」という床暖房が効いた部屋で食べる料理にありました。もともとのオンドルは、かまどを炊いたときに出る煙を床下に通して床全体を温める朝鮮半島の伝統的な暖房設備です。オンドルは、一度温度が上がると熱が逃げにくく、そのため冷たい冷麺で身体を冷やしていたそうです。当時この地域の主な作物だったそばとじゃがいもはグルテンを含まないため、麺にすると伸びやすくなります。この麺に、冬に漬ける大根の水キムチの冷たい出汁を入れたものが冷麺の始まりです。

韓国冷麺は朝鮮王朝時代に現在の北朝鮮の平壌(ピョンヤン)と咸興(ハムン)で発展しました。平壌冷麺は冷たいスープの水冷麺(ムルレンミョン)、咸興冷麺はコチュジャンベースの辛口ダレを混ぜた汁なし冷麺(ビビンネンミョン、ビビン麺)です。朝鮮王朝時代の歳時記の『東国歳時記』には、旧暦11月(現在の新暦では12月)の冬の季節料理として紹介されています。そして、冷麺は朝鮮戦争が勃発した際に南に逃れた北部出身者を通じて、夏の料理として本格的に普及したといわれています。

冷麺の麺はそば粉が主原料です。平壌の水冷麺はつなぎに緑豆粉が用いられ黒っぽくて噛み切りやすく、咸興のビビン麺はじゃがいもなどのデンプンが用いられ、白っぽく嚙み切りにくいのが特徴。冷麺のスープは牛骨を煮込んだ出汁に水キムチの汁が入り、さっぱりと上品なスープになります。麺は食べる前に食べやすいように鋏で切って、お酢や辛子などで自分好みに調整しながらいただきます。韓国では冷麺を作るときに出汁の温かいスープ(ユッス)を一緒に食べたりもするそうです。

日本に伝来した冷麺は盛岡冷麺と別府冷麺があります。盛岡冷麺は小麦粉とじゃがいもデンプンを使用したコシの強い麺で牛骨中心のスープ、別府冷麺は小麦粉とそば粉とデンプンの麺に和風出汁のスープ、どちらも太麺です。

日本の職人の手仕事の工芸品に、冷麺用の器に似た涼しげな器で、大寺幸八郎商店のかなまりがあります。錫に適度な強度を持たせるために0.5%の銀が配合されています。錫は水を浄化し雑味を取り除くといわれています。そして、播州刃物のシェフキッチン鋏は、鋏を頻繁に使う韓国料理に適した商品です。夏の料理を形や見た目、道具を通して楽しむのも良さそうですね。

大寺幸八郎商店 かなまり
https://www.shokunin.com/jp/otera/kanamari.html
播州刃物 シェフキッチン鋏
https://www.shokunin.com/jp/banshu/kitchen.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/冷麺
https://ja.wikipedia.org/wiki/ユッス
https://ja.wikipedia.org/wiki/オンドル
https://www.pref.nagasaki.jp/bunrui/kanko-kyoiku-bunka/kokusaikoryu-passport/cir/column/451269.html
https://twitter.com/kossamjp (写真の冷麺のお店・コサム冷麺専門店)