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【なぜ大さじは15ml?】

conteのやくさじを手にとってふと思いました。大さじ1は15ml、小さじ1なら5ml、計量カップは200ml。普段何気なく使っているこれらの計量器の単位は、いつどのように決められたのでしょうか?

現在の計量スプーンと計量カップは、1899年に和歌山県に生まれ、生涯を通じて日本における栄養学の普及のために尽力した、香川綾という女性により1948年に考案されました。母方の祖父が紀州藩の食膳係を務めていたことから、幼い頃より食生活における栄養摂取や栄養バランスの大切さを教わってきた香川は、母親の死をきっかけに医師を志し、栄養学に一生を捧げることを決意。その重要性を説きながら、後進の育成のために、1961年に女子栄養大学を創立しました。香川綾とその夫・昇三による「最新栄養学の成果を生かした食事づくり」をテーマに創刊された雑誌『栄養と料理』は、今も専門家から一般の方まで多くの読者に愛読されています。

健康のためには栄養を摂るだけではなく、バランスよく摂取することが大切です。塩分摂取量など、調味料の使用による影響が大きい分野では、調味料を定量化して考える必要がありました。栄養所定量の正確な計量のために、規格化された計量器が必要不可欠であると考えた香川は、これまでテーブルスプーンやコップを使いほぼ目分量に近かった計量を、家庭料理で使われる調味料の量を研究することで、15ccと5ccのスプーンがあれば味付けの計量化に事足りるという結論に辿り着きます。また同時期に、内側に50ccの目盛りを付けた200ccの計量カップも考案しました。

香川の計量スプーンと計量カップは、栄養士や調理師の間で急速に浸透し、その後、新聞や雑誌に掲載された料理記事などによって一般家庭にも普及していきました。これにより、私たちは塩分や糖分の摂取量を意識的にコントロールできるようになり、誰かが考案したレシピを分かりやすく伝えたり、同じ味付けを再現することも可能になりました。味付けの定量化は、家庭料理をはじめとした日本の食文化を多彩にし、その発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

conteのやくさじは、量りやすい角度、混ぜやすい長さ、洗いやすい浅さが特長の計量スプーン。5mlと15mlの2本があれば、料理に必要な大抵の計量を便利にこなしてくれます。高品質なステンレスで作られた美しい形状は、日本ではもちろん国際的な評価も高く、2019年度グッドデザイン賞ベスト100、「賞の中の賞」と呼ばれるドイツのデザイン賞・German Design Awardにおいて、2021年最高位のGoldを受賞しています。

大さじ1。そのひとすくいには、時間や場所を越えて、料理を食べる人が常に健康であってほしいという強い願いが込められています。

conte やくさじ
https://www.shokunin.com/jp/conte/yakusaji.html

参考資料
https://www.eiyo.ac.jp/resources/ajinomonosashi.pdf
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%BF%E7%90%86%E7%94%A8%E8%A8%88%E9%87%8F%E5%99%A8
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%99%E5%B7%9D%E7%B6%BE