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【日本の生卵】

冷蔵庫には欠かせない卵。卵かけご飯やすき焼き、料理のトッピングなど、日本では生卵を食べるのは一般的です。しかし、生卵を食べるのは世界的にも珍しく、日本をはじめとする限られた地域の食文化であることをご存じでしょうか。

海外において生卵は、食中毒の原因の一つであるサルモネラ菌によって汚染されている危険性があり、しっかりと火を通してから食べることが推奨されています。

一方で日本では、鶏がサルモネラ菌に感染しないよう環境を整え、流通の際には殻の洗浄、殺菌を行うなど徹底した衛生管理下で生産されているため、安心して生卵を食べることができます。

日本で鶏卵を食べるようになったのは江戸時代ごろとされ、それまでは仏教の影響で、鶏肉や鶏卵を食べることは避けられていました。ところが、外国からカステラやボーロといった南蛮菓子が伝わったことをきっかけに、卵は食べてもいいと認識されるようになり一般的に食べられるようになりました。

卵を売り歩く行商「卵売り」が出現したり、『卵百珍』という珍しい卵料理のレシピ本が人気になったりと、広く普及していったことが伺えます。しかし、卵百珍においても生卵を食べるという記載はなく、焼いたり茹でたり火を通す調理法ばかりでした。

生卵を食べるようになったのは明治時代に入ってからとされ、1877年ごろには画家・岸田劉生の父で、事業家の岸田吟香が卵かけご飯を食べた記録が残っています。その様子を記した雑誌『彗星江戸生活研究』によると、塩と唐辛子で味付けをしていたそうです。

その後近代に入り、食に対する日本人の意識が大きく変わっていき、栄養問題の改善運動が盛んになりました。そして食生活の欧米化が進み、卵や肉、乳製品の摂取が推奨される中で、栄養価も高く安価な卵は健康の象徴となり、生卵が定着していったのです。

白山陶器 平茶碗
https://www.shokunin.com/jp/hakusan/hirachawan.html
廣田硝子 元祖すり口醤油差し
https://www.shokunin.com/jp/hirota/

参考資料
http://www.nichirankyo.or.jp/tabi/index.htm
https://www.yodoran.com/oshiete-tamago/life/post_23.html
http://takakis.la.coocan.jp/rekishi.htm
http://codh.rois.ac.jp/edo-cooking/tamago-hyakuchin/
https://ja.wikipedia.org/wiki/卵かけご飯