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【天然寒天】

「私の大好物です!」という話はあまり耳にしませんが、比較的身近に存在する「寒天」。始まりは「ところてん」からのようです。それは諸説あるようですが、江戸時代に京都のとある料亭で食べ残されたところてんを亭主が戸外に出しておいたところ、寒さのために夜間に凍結、昼間になり天日にさらされ乾燥したところてんが発見され、寒天となったそうです。「寒ざらしのところ天」で「寒天」とは初めて知りました。水で戻してみると、海藻くささもなく、透明で良いものができたそうです。

寒天と呼ばれるものは、製法により角寒天、糸寒天と呼ばれる天然寒天と、粉寒天と呼ばれる工業寒天の二つに分けられます。天然寒天は寒暖差を利用しながら屋外で凍結、乾燥を繰り返す昔ながらの製法です。手間暇もかかり気候条件にも左右され、製法時期も限定されます。その一方、工業寒天は海藻から人工的に寒天質を抽出して製造し、一年を通して安定供給できるため、食用以外にも化粧品や芳香剤、医学研究の材料にも用いられています。家庭でも手軽に扱える工業寒天、私も愛用していました。しかし調べていくうちに天然寒天の魅力に驚いたのです。

天草が主原料の天然寒天の中にはコレステロール低下作用等の豊富な栄養効果が実証されている“アガロペクチン”が多く含まれているようです。このアガロペクチン、工業寒天では製造工程で廃棄されてしまうそうです。また天然寒天の伝統製法である天日干しを繰り返すことによって、旨味成分も増え、高い抗酸化作用もあることも分かりました。なんといっても水分以外の80%以上が食物繊維のため、デトックス、整腸作用、便秘解消、美肌効果、血圧、血糖値までも下げてしまうという申し分のない存在なのです。今や調理方法もいろいろ提案されていますのでぜひ試してみましょう。

今回は、寒天に大納言と白いんげん豆の餡をのせていただきました。東屋のチーズナイフを使って、刃が四角いので型の中でもカットしやすく、取り出しやすく。ヘラのようにも具材をのせることができるので、盛り付けも簡単です。もちろん崩れることもなくスパッとカットできました。これから夏本番、水分調整や冷房で体がむくみやすい時期かと思います。寒天でまずはデトックス!暑い夏を乗り切りましょう。

東屋 チーズナイフ
https://www.shokunin.com/jp/azmaya/cheeseknife.html

参考資料
https://www.itokanten.jp/hpgen/HPB/entries/1.html
https://www.go-nagano.net/theme/id=17997
https://www.makeit.co.jp/hpgen/HPB/entries/79.html