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気高く美しい富士山は昔から多くの作品に影響を与えてきました。富士山を題材にした作品といえば葛飾北斎の「富嶽三十六景」や歌川広重の「不二三十六景」といった浮世絵を思い出す方も多いと思いますが、絵画に描かれ始めるよりも前の奈良時代から人々は富士山を和歌に詠んできました。

日本最古の歌集である万葉集や、鎌倉時代に編纂された新古今和歌集にはすでに富士山を題材にした和歌がいくつも収められています。

「田子の浦ゆうち出でてみれば真白にぞ不尽の高嶺に雪は降りける」山部赤人

万葉集に収められているこの歌は、富士山を詠んだ歌の中で有名なものの一つです。田子の浦を過ぎるとぱっと視界が開けて、目の前に真っ白な富士山が見えた瞬間の感動を詠んでいます。その魅力が尽きることのないという意味で「不尽」の字を当て、富士山との忘れ難い出会いを感じることができます。

「風になびく富士の煙の空に消えてゆくへも知らぬ我が心かな」西行

空に消えていく富士山の煙と自らの思いとを重ねています。諸国を行脚しながら求道と作歌に人生をかけた、旅多き歌人・西行の代表作です。富士山を詠んだ歌人の多くは、火山のイメージから、燃える思いを連想して、恋心の比喩として用いたり、たなびく噴煙をもやもやとした自分の気持ちの比喩として用いたりしてきました。後世の画家たちは富士山を眺める西行の後ろ姿を描き、その姿は「富士見西行」と呼ばれる画題になりました。

「道すがら富士の煙もわかざりき晴るるまもなく空のけしきに」源頼朝

旅の途中、晴れることなく空に雲がかかって富士山を見ることができなかった様子を詠んでいます。たとえ見ることができなくても歌になってしまうのが富士山の魅力を物語っています。新幹線に乗った際、富士山が見えるかなとワクワクした覚えがあります。旅行の道中に見える富士山に期待を寄せるのは今も昔も同じようです。

富士山は、季節や時間帯はもちろん、場所や、見る人の心情によっても全く違った表情を見せてくれます。

Sghr スガハラの富士山グラスも、富士山からインスピレーションを受けた作品の一つです。ビールを注げば太陽に照らし出された黄金色の富士山が、レッドエールやトマトジュースを注げばドラマチックな赤富士が、そして黒ビールやコーラを入れれば雷雲立ち込める黒富士が目の前に現れます。

どうぞ、あなただけの富士山を楽しんでください。

Sghr スガハラ 富士山グラス
https://www.shokunin.com/jp/sugahara/fujiyama.html

参考文献
https://gakusyu.shizuoka-c.ed.jp/kokugo/9hujihyakuninisshu/hyakuninisshu.html
https://www.manyoshu-ichiran.net/waka0318/
https://www.fujisan223.com/reason/arts/waka/manyoushuu.html