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数年前に銀座のガス灯通りを歩いていた時のことです。どこからともなく良い香りがしてきて、足を止めて見回してみると、小さなお香の店舗の軒先の鋳物から、静かに煙が出ているのが見え、素敵だな・・・としばらく見惚れて、心が温かくなったのを今でも鮮明に覚えています。

日本に鋳物づくりの技が伝わったのは紀元前数百年頃。1世紀に入ると銅鐸、銅鏡、刀剣などが、奈良時代になると仏像や梵鐘などが盛んに作られました。

1601年、徳川四天王の一人・本多忠勝公が、伊勢国桑名藩十万石の初代藩主となりました。忠勝公からの鉄砲の製造の命を受け、藩の奨励策の下で本格的な生産が始まったのが「くわな鋳物」の起源です。

また、三重県は着物の図柄になる伊勢型紙が育まれてきた地域でもあります。蚊やり器の図柄は、夏らしい題材を着物のように図案化しています。モダンなデザインは、リビングや庭、エントランスに置いても自然と馴染みます。

重厚なのにとても品のある蚊やり器。そこから煙が立ち上るとまた風情があり、ゆったりとした時間が流れる感じがします。今年の夏はくわな鋳物の蚊やり器で、いつもと違う夏を感じてみませんか?

くわな鋳物 蚊やり器
https://www.shokunin.com/jp/kuwana/kayariki.html

参考資料:
http://www.kuwana.ne.jp/m-imono/kwimono/