しおり 005

【日本の美意識】

芸者はなぜ顔を白く塗るのか?以前外国の方に質問されたことがあります。調べて分かったのですが、電気のなかった江戸時代に芸者衆は、ろうそくの明かりの中だけで接客対応をしていたため、その光の中でも表情の陰影がしっかりと分かるように白塗りをしていたようです。

以前、東京都台東区の浅草花柳界で各国の大使館関係者を招いて、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の世界観を和ろうそくにて再現したところ、その中で芸をする芸者衆の幻想的な空間に参加者は魅了されました。

谷崎潤一郎は「美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える」と述べています。私たちがともすれば忘れかけている日本独自の美の世界を、和ろうそくを通して感じてみてはいかがでしょうか。

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参考資料:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000568041.pdf
https://kostrivia.com/2029.html
https://www.chuko.co.jp/bunko/1995/09/202413.html