2026年04月

1

2

3

4

【銀座散歩 交詢ビル】

交詢ビルは、一般財団法人である交詢社の銀座における建築物です。銀座6丁目に位置し、銀座通りと交わる通りは“交詢社通り”の愛称で親しまれています。

「交詢社(こうじゅんしゃ)」は明治初期にまだ“社交”という言葉が十分に使われていなかった時代に、福澤諭吉を中心として銀座の地につくられた日本最古の社交機関です。学校教育を終えて社会人となった人たちが、めざましく変化する実社会に対応するためお互いの知識を交換し合い、流動する社会の実務に対処する機会を提供するという主旨で、「知識を交換し、世務を諮詢する(せいむをしじゅんする:世の中の事柄について意見を求め相談する)」ことを目的に、明治13年(1880年)に設けられました。

創設当初よりメンバーは1800名ほど、その職業は、役人・公務員・学者・商業・農業など、過半数は地方在住となり、職業や学歴、地域に偏ることなく広く社会で活躍する人材を網羅した組織だったことが分かります。これだけの情報があふれる現代社会を生きる私たちには想像が難しくなりつつありますが、当時は各界からの知識が集まる、日本で最も影響力のあるサロンの一つでした。

先代の交詢ビルディングが1929年に建てられた歴史的建造物であったことから、2004年に現在のビルへ建て替える際、建築物の正面や一部を保存するファサード保存という手法が採られました。建築物の歴史の一部をそのまま継承することができ、近年の再開発で多く取り入れられている手法です。これにより、当時の面影を感じ取ることのできる歴史的空間は引き継がれ、新しい建物との融合を楽しむことができます。現在の交詢ビルでは、バーニーズ・ニューヨーク銀座本店へつながるエントランス部分にその意匠が残されています。

交詢ビル
https://maps.app.goo.gl/SrSwF5yWtmB3wx6o7
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://www.kojunsha.or.jp/
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=3227

IMG_7171

IMG_7172

IMG_7174

IMG_7175

【海老のペペロンチーノ】

昨日スーパーに立ち寄ったところ、おいしそうな海老が半額でした。そこで今日はお昼に「海老のペペロンチーノ」を作りました。

まず背わたを取るために、キッチンスパッターで海老の背中に切れ込みを入れます。次に包丁の手前の角部分で、順番に背わたを取っていきます。取り終えたら片栗粉と少量の水でもみ洗いし、流水で流します。

たっぷりのオリーブオイルで、にんにく数かけ、鷹の爪1~2本を弱火でじっくりと。にんにくがほんのり色付いたら、海老を加えて塩・黒胡椒。ある程度炒まったら、隣でゆでているスパゲッティのゆで汁を一人前につき100mlほど加え、ゆで上がり時間の2分前にあげたスパゲッティを投入し、アルデンテになるまで鍋を振りながら、好みの塩加減に調整して完成。

殻ごと入れた海老のだしが大変おいしいシンプルなスパゲッティで、夢中になって食べました。味変は塩昆布やパルメザンチーズで。ぜひお試しください。

鳥部製作所 キッチンスパッター
https://www.shokunin.com/jp/toribe/
山田工業所 打出し片手鍋 大
https://www.shokunin.com/jp/yamada/
柳宗理 ステンレスボール 23cm
https://www.shokunin.com/jp/yanagisori/bowl.html
conte おてがる料理トング 220
https://www.shokunin.com/jp/conte/tongs.html
HASAMI プレートミニ
https://www.shokunin.com/jp/hasami/plate.html

1

2

3

4

【深澤直人さんについての話】

世界的に活躍する、日本を代表するプロダクトデザイナー・深澤直人さんのデザインの思想には、「WITHOUT THOUGHT」があります。人が考えずに自然に行う行動や習慣に着目し、その中に美しさや利便性を引き出すというものです。そこにあることが当たり前になるということ。日常の背景になじんで溶け込むデザインは、使う人に意識させることなく安心をもたらします。主張がないものは流行に左右されず、時代が変わっても古びません。

その哲学は、柳宗悦が提唱した民藝思想と共通点があります。柳が語った「用の美」は、名もなき職人が日常のために作った器や道具の中にこそ真の美が宿る、という考えです。個人の表現や自己主張ではなく、自然や伝統に従うことで生まれる形。深澤さんのデザインもまさにこの考えに通じているように感じます。

特別なものをつくろうとせず、「かたちは“相手方”にある」という姿勢。「相手方」とは、「人」や「環境(空間)」を指します。デザインは、もの単体で存在するのではなく、「人とものとの関係性」の中に生まれるという考え方です。デザイナーの個性を押しつけず、人々の記憶の奥底にあるふつうの形をすくい取っています。たとえば、MoMA(ニューヨーク近代美術館)にも収蔵された無印良品の壁掛式CDプレーヤーでは、換気扇のひもを引くという日常的な動作から着想を得ています。その自然な行為を形にすることで、意識の外にある心地よさを生み出しました。

深澤さんが語るデザインの「典型」とは、誰もが知っている、ふつうの形です。作り手の自己表現をそぎ落とすほど、かえって普遍的な美と機能が現れるという逆説的な美学です。つまり、民藝が工芸の世界で実践してきたことを、深澤さんは現代の工業デザインとして再解釈しているのだと思います。そんな視点から、時代の中でこれから生まれていく新たなふつうの形に、改めて興味が湧きました。

職人.comで扱う「SIWA | 紙和」は、山梨県市川大門の和紙メーカー大直と深澤さんが手がけるシリーズです。深澤さんは破れない障子紙「ナオロン」をくしゃくしゃにすると独特の風合いが生まれることを見いだし、紙の可能性を日常品として広げました。まさに暮らしに溶け込むデザインです。

SIWA | 紙和 ブックカバー
https://www.shokunin.com/jp/siwa/bookcover.html
SIWA | 紙和 ボックス
https://www.shokunin.com/jp/siwa/box.html

参考資料
https://naotofukasawa.com/ja/about/
https://designcommittee.jp/member/fukasawa_naoto.html
https://www.axismag.jp/posts/2021/03/349572.html
https://www.hermanmiller.com/ja_jp/stories/why-magazine/asari-chair-by-herman-miller-naoto-fukasawa/
https://www.2121designsight.jp/documents/column/cat598/