2025年07月

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【和の薬味とナンプラーの東南アジア風そうめん】

最近、SNSやレシピサイトで、「ナンプラーを使ったそうめんつゆ」をよく見かけるようになりました。東南アジアの調味料であるナンプラーに、日本の夏を代表するそうめん、という意外性のある組み合わせに興味をそそられ、私も早速試してみることにしました。

ナンプラーは、タイ料理では欠かせない発酵調味料の一つ。現地では、屋台や食堂、レストランのテーブルに常備されていて、日本の醤油のように日常的に使われています。目玉焼きにひと振りすれば、たちまちタイ風に。フォーをはじめとするベトナム料理にも多用され、東南アジア全域で親しまれている存在です。

今回は、冷蔵庫にあった食材を使って、「和の薬味とナンプラーの東南アジア風そうめん」を作ってみました。メインとなる具材は、やわらかく茹でてほぐした鶏ささみ。夏野菜の代表であるきゅうりに、薬味としてミョウガと大葉をたっぷり使います。

器に水とナンプラーを合わせ、冷蔵庫でしっかり冷やしている間に、野菜と薬味を切り、ささみを小鍋で茹でてから取り出してほぐし(茹で汁は次回スープなどに使用)、続いてそうめんを茹でます。氷水で締めたそうめんを冷やしためんつゆに入れ、具材をトッピング。仕上げに、山椒の季節に仕込んだ自家製の山椒オイルをひと回しかけて完成です。山椒オイルの爽やかな清涼感とナンプラーのうまみが重なり、暑い日にぴったりの昼ご飯になりました。もっと東南アジアの風味に寄せて楽しみたい方は、薬味にパクチーを加えたり、ライムやレモンを絞ってもおいしく仕上がると思います。

朝から強い日差しが照りつけるこの季節は、東南アジアの暑さを思い出します。暑いときには、暑い地域の料理を取り入れて、夏の暑さそのものを楽しむのもひとつの工夫です。そして、今回使用した器は、青龍窯の「残雪」と名付けられた釉薬のどんぶり碗と鉢。涼やかな色合いと質感が、冷たいそうめんをさらに引き立ててくれます。ナンプラーと和の薬味を味わう冷たいそうめん、ぜひお試しください。

和の薬味とナンプラーの東南アジア風そうめん(1人分)

水 300ml
ナンプラー 大さじ1.5
氷 適量
そうめん 100g
きゅうり 1/2本
ミョウガ 1本
大葉 2枚~
ささみ 1本
山椒オイル お好みで

1. 器に水とナンプラーを入れ、冷蔵庫で冷やしておく。
2. きゅうりは食べやすい長さの細千切りに、大葉は千切りに、ミョウガは小口切りにする。
3. 小鍋にお湯を沸かし、塩をひとつまみ入れ、ささみを入れたらしばらく弱火で茹でて火を通す。
4. 3をフォークでほぐしてボウルに入れ、茹で汁も少々かけて冷蔵庫で冷やす。
5. そうめんを表示どおりの時間茹で、茹で上がったら氷水で締める。
6. 1の器に氷とそうめんを入れ、2の野菜とささみをトッピングし、山椒オイルを回しかける。

青龍窯 どんぶり碗
https://www.shokunin.com/jp/seiryu/donburi.html
青龍窯 鉢
https://www.shokunin.com/jp/seiryu/hachi.html
conte やくさじ 15ml
https://www.shokunin.com/jp/conte/yakusaji.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC

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【年中活躍、あたため鍋】

すっかり我が家でも日々の生活のおともになった松山陶工場の「あたため鍋」が、久しぶりに入荷。一年中、食卓に登場しています。

すばらしい特性の陶土が採れることから、「伊賀焼」で知られる三重県伊賀市。伊賀の耐熱土のみを使い、伊賀で作られたあたため鍋は、なんといっても直火にかけられることで活躍の幅がぐっと広がります。あたため鍋でスープやおかゆを作りそのまま食卓に運ぶと、耐熱性と蓄熱性に優れているため、ずっと温かい。冬には、あつあつのチャイも作りました。あたため鍋の大は、1〜2人でさくっと何か食べたい、飲みたいときにちょうどいいサイズ感。やわらかなクリーム色の色味、ざんぐりとした質感、シンプルで飽きのこないフォルムは、どんな器ともなじんでくれ、使うシーンを選びません。

あたため鍋なので、夏はオフシーズンなのではないかと思われるかもしれませんが、最近も相変わらず手にとっています。先日は冷房にやられ夏風邪を引いてしまい、あたため鍋でたまご雑炊を作りました。久しぶりに熱も上がり、ずっと寝ていられるほどに体は弱っていたのですが、ふと「あたため鍋で雑炊を作ろう」とひらめいたら、そんな状況でもむくりと起き上がって台所に立ち、ほのかな味噌の良い香りを感じながらコトコトと火にかけられる雑炊とあたため鍋を見つめ、食卓に並べるころにはその光景に癒やしと元気をもらっていました。

その数日後、夏こそ体を冷やしすぎないようお腹に温かいものを入れようと、茄子とオクラを入れた夏野菜の味噌汁を。あたため鍋大で味噌汁を作ると、約2~3杯分できるので、よくたっぷり作ってあたため鍋ごとテーブルに並べます。席を立たずともおかわりできて、注ぎ口がついているのでお玉がいらないのも便利。大には、本間数勇商店のわら鍋敷き小がぴったりで、まさに相棒のようにいつもセットで使っています。以前入荷した際に、この2点を母に贈り喜ばれたのですが、ミルクを温めたり離乳食を作るのにも使えるため、出産祝いなどにもおすすめです。

あたため鍋を使い始めて一年以上経ち、使っていると徐々に火が当たっている部分の土が黒く変化していって、それを目にするとより愛着が湧きます。あまり恐れず、ガシガシ使っていますが、なかなかタフなのもうれしい。これからも引き続きお世話になりながら、育てていきたいと思います。

松山陶工場 あたため鍋 大
https://www.shokunin.com/jp/matsuyama/
本間数勇商店 わら鍋敷き 小
https://www.shokunin.com/jp/honma/nabeshiki.html
伊賀焼の記事
https://jp.shokunin.com/archives/52019108.html

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【古き良きフォントの世界】

古い建物が残る街角を歩いていると、ふと視線を奪われるのが、年季の入った看板に描かれた文字。本当にいろんなものがあり、今ではあまり見かけなくなった個性豊かな文字に出会うことができます。

文字の形やデザインのことは、「フォント(書体)」と呼ばれます。たとえば、同じ「小樽」という文字でも、優しい印象のものもあれば、力強く見えるものもあります。これらの印象の違いこそがフォントが担う役割です。

昔の看板に使われているのは、独特のフォントや手書きの文字。そこには、その時代ならではの美意識が息づいています。線の太さ、角の丸み、払いの角度、少し崩れたバランス、文字間の空き具合など、現代のデジタルフォントでは再現しきれない、人の手が生んだ揺らぎが感じられます。看板職人たちが独自の感覚と経験から導いた文字の形。雄弁な古いフォントは、文字という機能を超えて、歴史や空気感までも伝えてくれているような気すらします。

小樽の街なかにも、そうした古いフォントが随所に残っています。歩けば出会える、時を刻んだフォントは、時代を映すデザイン。時代を超えて残された美しさと、名もなき職人たちの思いが、今も生き続けています。街を歩きながらそれらに目を留めてみると、いつもの景色も違って見えるかもしれません。

フォントを楽しむ散歩の途中には、ぜひ小樽ショールームへもお立ち寄りください。ここにも、職人の思いが詰まった日本製の品々が揃っています。機能美という言葉だけでは語りきれない、すてきな商品が皆さまをお待ちしております。

小樽ショールーム(※2025/7/12は臨時休業でございます)
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html