2025年06月

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【だし巻き弁当】

食べ盛りのころを過ぎても、大きなお弁当箱を見るとそれだけでワクワクしませんか?先日、旅行中の家族が買った駅弁に、大きなだし巻きがのっている写真を見て、思わず「いいなぁ」と羨ましくなりました。白ご飯を詰めたお弁当箱に、好物のだし巻きさえ入っていれば、それだけでぜいたくな気分になることができるはず。そこで、今日は自宅にいながらにして、だし巻き弁当を作ってみることにしました。

中村銅器製作所の玉子焼鍋大は、我が家のだし巻きには欠かせない相棒です。この鍋で焼いただし巻きは、工房アイザワの角型フードボックス大に、切らずにそのままぴったりと入れることができます。使った玉子はM3つ、酒とみりんを大さじ1ずつ、だし汁を大さじ4、薄口醤油を少々が、最近の定番です。白ご飯と高さを合わせるために、だし巻きの下にも薄くご飯をしいてみました。

さて、自分で作るいつものだし巻きですが、一本まるごとフードボックスに詰めると、なぜか特別なお弁当のように思えてくるから不思議です。普段駅弁を食べる機会がほとんどない私たちも、ちょっとだけ旅気分を味わえたような嬉しい気持ちになりました。ステンレスのしっかりとした作りは、おいしさを包みこみ、持ち運ぶときにも安心。シンプルでスタイリッシュなフードボックスは、日々のお弁当にも、アウトドアのおともにも、いろいろな場面で活躍してくれます。

工房アイザワ 角型フードボックス 大
https://www.shokunin.com/jp/aizawa/foodbox.html
中村銅器製作所 玉子焼鍋 大
https://www.shokunin.com/jp/nakamuradouki/tamagoyaki.html

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【しもつかれ】

木屋の鬼おろしを使い、以前から作ってみたいと思っていた「しもつかれ」に挑戦してみました。しもつかれとは、栃木県を中心に、北関東地方で食されている伝統的な郷土料理で、正月に食べた塩引き鮭の頭や、節分の福豆などの残り物を、粗くおろした大根や人参と一緒に煮込むという、先人たちの知恵が詰まった一品です。

その起源には諸説ありますが、一説では、稲荷神社へのお供えが始まりであると伝えられています。しもつかれは、旧暦2月最初の午の日である「初午(はつうま)」の前日に作り、稲荷神社にお供えしてから食す行事食でしたが、かつてはその時期以外に作ることは禁じられていたそうです。というのは、食材の調達が困難な初午の時期、残り物で作るしもつかれは本来神様へのお供えとしてはふさわしいものではありません。そのため、あえて普段は作らない「変わりもの」をお供えすることで、特別な意味を持たせたのではないかと考えられています。

もちろん、近年はそうした風習にこだわらず、冬の家庭料理のひとつとして親しまれています。しもつかれは、もともとは大豆と大根おろしだけのシンプルな料理でしたが、江戸時代中期以降、造り酒屋の普及に伴って酒粕が広まり、材料に加えられるようになりました。現在では、栃木県央地帯から茨城県の鬼怒川下流域にかけて、大根、大豆、塩引き鮭の頭、酒粕、人参、油揚げといった具材が一般的に使われています。大根に含まれる食物繊維やミネラル類をはじめ、大豆のタンパク質、塩引き鮭の頭のカルシウム、酒粕の糖分などがバランスよく摂れるため、「七軒のしもつかれを食べると病気にならない」という言い伝えも残っています。

今回は、塩引き鮭の頭の代わりに、スーパーで購入した焼き鮭と大豆の水煮を使い、気軽に作れるしもつかれにしてみました。鬼おろしで大根と人参をザクザクおろし、水とほかの材料を加えてしばらく煮込んで、材料がやわらかくなったら調味料で味を調えて完成です。塩鮭の風味、酒粕のまろやかなコク、大根と人参の自然な甘みがとてもおいしく、白いご飯にもよく合いました。使用した松山陶工場の土灰斑点土鍋は、土鍋全体がしっかりと熱を蓄えるため、食材の芯までじっくり火を通し、うまみを引き出してくれます。2~4人分をたっぷり作れる大サイズがおすすめです。ぜひ、ご家庭でお試しくださいませ。

しもつかれ

[材料(2~3人分)]
焼き塩鮭 1切れ
大豆の水煮 60g
油揚げ 1枚
大根 約200g
人参 1/3本
酒粕 50g
水 200ml
和風顆粒だし 小さじ1/3
醤油 小さじ1
塩 少々

[作り方]
1. 大根と人参はピーラーで皮をむき、鬼おろしでおろす。
2. 油揚げは焼き網で表面に薄く焦げ目が付くくらいに焼き、縦半分に切ってから細切りにする。
3. 焼き鮭は骨を取り除き、粗くほぐしておく。
4. 土鍋に大根、人参、水、和風顆粒だしを入れて中火で熱し、煮立ったらアクを取り、焼き鮭、油揚げ、大豆の水煮を加えて混ぜ、蓋をして弱火で約7分煮る。
5. ボウルに酒粕と4の汁を少々を入れてやわらかくし、土鍋に戻して混ぜる。水分が少なくなるまで弱火で約3分煮て、醤油、塩を加えて味を調える。

木屋 鬼おろし
https://www.shokunin.com/jp/kiya/onioroshi.html
松山陶工場 土灰斑点土鍋 大
https://www.shokunin.com/jp/matsuyama/donabe.html
辻和金網 手付き焼き網
https://www.shokunin.com/jp/tsujiwa/tetsuki.html
白木屋漆器店 手塩皿
https://www.shokunin.com/jp/shirokiya/teshio.html
青龍窯 小鉢 小
https://www.shokunin.com/jp/seiryu/kobachi.html

参考資料
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/31_1_tochigi.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%97%E3%82%82%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%82%8C
https://life.ja-group.jp/recipe/detail?id=7887
https://delishkitchen.tv/recipes/236489381307744553 (参考レシピ)

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【江戸東京たてもの園】

先日、小学生ぶりに「都立小金井公園」内にある野外博物館「江戸東京たてもの園」に行ったところ、名建築の宝庫でした。

江戸東京たてもの園は、1993年(平成5年)に墨田区にある「東京都江戸東京博物館」の分館として、東京都によって開設されました。現地保存が不可能になった文化的価値の高い歴史的建造物を移築・復元して保存・展示し、貴重な文化遺産として次代に継承することを目指しています。敷地面積約7haを擁する園内は大きく3つのエリアに分かれていて、江戸時代から昭和中期までの30棟の復元建造物が並び、さまざまな映画、ドラマ、CMのロケ地にもなっています。

「東ゾーン」は、下町情緒あふれる明治時代から昭和時代の商家・銭湯・居酒屋などが復元されており、銭湯「子宝湯」や文具店「武居三省堂」はジブリ映画『千と千尋の神隠し』のモデルになったことでも知られています。「センターゾーン」は、江戸東京たてもの園の出入口になる「ビジターセンター(旧光華殿)」や展示室があり、「高橋是清邸」や「旧自証院霊屋」などの歴史を伝える建物があるエリア。「西ゾーン」には、茅葺きの民家や洋館など、さまざまな建築様式の建物が並びます。見どころが多く、すべて回ると数時間から半日はかかりますが、一周されることをおすすめします。

なかでも欠かさずに見ていただきたいのは、東京都指定有形文化財の「前川國男邸」。1942年(昭和17年)に、ル・コルビュジエの弟子である建築家前川國男の自邸として品川区に建てられた住宅を、現在も江戸東京たてもの園で見ることができるのです。吹抜けの居間を中心に書斎・寝室を配したシンプルな間取りで、木造モダニズムという共通点からか、フィンランドで行った「アアルト自邸」を彷彿とさせました。靴を脱ぎ、一歩足を踏み入れた瞬間から、居心地があまりに良く心奪われ、しばらくその空間にいました。「ずっとここにいたい」と思わせる、やわらかい力がありました。

建築を見て回り歩き疲れたら、赤い屋根が目印の洋館「デ・ラランデ邸」内にある「武蔵野茶房 江戸東京たてもの園店」でお茶しましょう。ドイツ人建築家ゲオルグ・デ・ラランデが増築したデ・ラランデ邸は、カルピスの発明者として知られる三島海雲氏も住んでいました。増築された大正初期ごろを想定し復元された店内にはソファ席、外にはテラス席もあり、建築を味わいながら寛ぐことができます。特製おいものパフェや有機珈琲もいいですし、この店舗限定であるカルピスシャビアンは、さわやかな酸味と甘さが喉を潤してくれます。

これだけの建築を観覧料400円で楽しむことができる施設は、全国を探してもなかなかないと思います。都内でも比較的落ち着いている立地で、意外と穴場。東京を訪れた際はぜひ一度足を運んでみてください。

江戸東京たてもの園
https://maps.app.goo.gl/WFzApDZH1JD59Hn46
武蔵野茶房 江戸東京たてもの園店
https://maps.app.goo.gl/xFr3zCkvcCm7Jtjv8
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://www.tatemonoen.jp/
https://www.nikkei.com/article/DGXNZO53468150R00C13A4L01000/
https://www.tatemonoen.jp/event/info/2013/04.php