2025年05月

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【木屋の鬼おろしが加わりました】

「鬼おろし」は、鬼の歯のように鋭くギザギザとした突起が特徴の調理器具です。この形状により、野菜をおろす際に空気をたっぷり含み、シャキシャキとした独特の食感が生まれます。

粗くおろすことで、食物繊維や栄養素を自然な形で残し、素材本来の風味を引き立てるのも魅力のひとつ。大根や人参などの野菜はもちろん、さまざまな食材に活用できます。

ドレッシングや鍋料理、麺類の薬味、鬼おろし丼、ハンバーグのトッピングなど、用途はさまざま。一年を通して活躍してくれるアイテムです。

木屋 鬼おろし
https://www.shokunin.com/jp/kiya/onioroshi.html

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【白木屋漆器店】

2月後半、会津若松市内にも積雪が残り、久々に東北の冬らしい風景を目にした出張の朝。会津若松駅から徒歩で約20分、大町通りから七日町通りへ曲がると、ひときわ目立つ洋風建築が見えてきます。大正3年に竣工した石造の風格ある店舗は、ルネッサンス様式を取り入れた洋風店蔵造。土蔵の防火性を有しながら洋風のデザインを表現した3階建ての洋風商店建築は、当時低い街並みの中で目を引く存在であり、その後造られた洋風建築にも影響を与えました。えんじ色のフレームが調和する石造の壁、直線の中に柔らかく溶け込むアーチ。その外観と細部の意匠を眺めていると、大正時代の人々の目にも、この建物がどれほど美しく新しく映っただろうかと想像します。

白木屋漆器店は、慶安年間に創業し、その後、将軍徳川吉宗が法整備や税制改革をした「享保の改革」が行われた享保年間より、現在と同じ場所で漆器の製造卸業を営んできました。かつて戊辰戦争(1868年)により大きな打撃を受けた会津若松の漆器産業の復興にも力を尽くされ、地元の需要だけではなく全国に向けた販売を展開し、欧米の博覧会などでも多数の賞を受賞されています。

一歩店内に足を踏み入れると、食器を中心とした数々の会津塗が出迎えてくれました。美しい加飾が施された漆器が並ぶ中、社長さん自らがご紹介くださったのが会津塗の蒔絵の主流である「消粉蒔絵(けしふんまきえ)」。会津では江戸時代中期ごろに京都から工人を招き、消粉蒔絵の技術を導入したといわれています。消粉とは、金属箔を細かい粉状にした微細な粒子のこと。一片が数マイクロメートルの、フェイスパウダーのように細かい粉を使用するのが消粉蒔絵です。この消粉蒔絵の工程は、薄紙に下絵を写し取ったあと、紙の裏側から水溶き顔料で下絵をなぞるところから。次に、紙を器に押し当て、刷毛で擦って写します。文様に金粉を定着させるため、漆で地描きし、顔料を混ぜた漆を使って均一に描きます。地描きが終わったら加湿し、漆を生乾きにして金粉を蒔き、綿で軽く擦りなじませます。この作業を繰り返し、漆が乾いたらはみ出した金粉を取り除き、漆が完全に硬化するまで乾かして完成。繊細で輝きのある模様は、金属の粉が光を反射して、見る角度によって微妙に変化し、ふんわりと内側から光を放っているようで、上品な雰囲気が感じられます。

店舗の2階へと続く階段を上ると、文具からハレの日に使われる重箱や銚子などを見ることができます。2階部分は展示ケースも含め、建設当初の姿に近い状態なのだそう。レトロモダンな照明が吊り下がる天井には、漆喰細工の中心飾りが施され、伝統的な会津塗が並ぶ様子と絶妙に調和した雰囲気がとてもすてきです。奥には、漫画の神様・手塚治虫先生も訪れたという部屋がありました。この後、職人さんによる蒔絵の絵付けを特別に見学させていただきました。一筆一筆が驚くほど精緻で、その緊張感のある手元の動きに息を止めて見入ってしまうほど。一つの器に、貴重な時間と厳選された材料、そして時代を超えて伝承された卓越した技術が惜しみなく注がれていることを、間近で実感しました。

会津若松市へは、東北新幹線が停車する郡山駅で下車し、そこから磐越西線に乗り換えて会津若松駅まで約1時間。白木屋漆器店では、歴史と伝統が息づく建物の中で、手仕事が生み出す会津塗の美しさに触れることができます。ぜひ、その魅力あふれる漆器とともに、会津若松に脈々と受け継がれる豊かな文化を感じてみてください。

白木屋漆器店
https://www.shirokiyashikkiten.com/
動画
https://www.youtube.com/shorts/YwflY7G5XHs
https://www.youtube.com/shorts/HhP_3vdDQxc
白木屋漆器店 手塩皿
https://www.shokunin.com/jp/shirokiya/teshio.html
白木屋漆器店 干支の小盃
https://www.shokunin.com/jp/shirokiya/sakazuki.html

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【暮らしに静かな彩りを添える一輪挿し】

スティルグリーンの一輪挿しが我が家に来てから、部屋の雰囲気がふわっと優しく、空間に静かな変化が生まれました。忙しい毎日の中でも、ふと目に入る小さな花が、思いがけず心をほっとさせてくれます。花器というより、空間に寄り添うアートのような存在で、静けさと美しさをそっと添えてくれるように感じます。

もともと私はお花に詳しいわけではなく、どこかハードルが高いものだと思っていました。花を飾るという行為は、特別な知識やセンスが必要なものだと勝手に思い込んでいました。でも、一輪挿しなら気軽に始められるんです。庭で摘んだ草花や、散歩中に見つけた小さな花を挿すだけで、部屋に自然にリズムが生まれるような気がします。季節の移ろいを感じながら、そのときの気分で花を選ぶのも楽しい時間ですし、たまにさりげなく花が香るので、香りからも日常のひとときに癒やしを与えてもらっています。実際にやってみて感じたのは、一輪挿しはただ花を飾るだけではなく、自分の感性や観察力を育ててくれるものだということ。その花を、どの角度で、どの高さで挿すかを考える時間が、ちょっとした瞑想のようです。特にシンプルなインテリアや和の空間には、一輪挿しの花がとてもよく映え、余白の美しさを引き立ててくれるような、そんな存在です。そして何より、花を選んで、器に挿して、静かに眺めるそのひとときが、私にとっては心を整える大切な時間になっています。花の命は短いですが、その儚さが「今」を大切にすることの意味を教えてくれるような気がします。日々の中で見過ごしてしまいそうな小さな変化や感情に、そっと気付かせてもらえます。

セラミック・ジャパンのスティルグリーンは、見た目は軽やかで繊細なのに、しっかりと安定感があって、初心者の私でも安心して使えました。どんな花を挿しても、なぜか絵になるんです。バランスを考えなくても自然と美しく見えるので、毎回ちょっと感動しています。花が細い一本でしたら底まで着く長さで花を切ったり、少し花を束ねて挿すときは、底まで入らないので短めに切るという感じです。そして縁取っているような形をしているため、照明や日暮れ時の影が、またいっそうお部屋を彩ってくれます。光と影のコントラストが、まるで時間の流れを映し出しているようで、見ているだけで心が落ち着きます。

商品名の「still green」には、「まだ青い=未熟」という意味が込められています、これから何かが始まっていくような、そんな前向きな気持ちにさせてくれます。使う人の暮らしに溶け込みながら、静かに存在感を放つその佇まいは、まさにアートピースのよう。実際に、世界の美術館でも取り扱われているというのも納得のデザインです。サイズごとに「ウォーター」「リカー」「ジャム」といった名前が付いていて、それぞれ形も個性も違うのがまた楽しいところです。日々の暮らしに自然と調和する美しさを持ち、インテリアとしても贈り物としてもおすすめできる逸品だと思います。我が家では、道端で見つけた小さな花をちょこんと飾れるように、一番小さいサイズをいつか迎えたいと思っています。

もし、お部屋のどこかにちょっと寂しいなと感じる場所があったり、暮らしに小さな癒やしを加えたいと思うときは、スティルグリーンを手に取ってみるのも良いかもしれません。きっと日常が少しだけ優しく変わるはずです。

セラミック・ジャパン スティルグリーン
https://www.shokunin.com/jp/ceramicjapan/stillgreen.html
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html