2025年04月

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【福岡・とんこつラーメンの誕生】

先日、若松ショールームのある福岡県に出張する機会があり、人生で初めて博多のまちに行きました。天神ビッグバンという大規模な都市再開発プロジェクトが進み、あちらこちらで目に入る建設中の新しいビル。まち全体が生まれ変わりながら成長していくさまを目の当たりにし、そのエネルギーにしばし圧倒された、というのが第一印象です。博多といえば食の宝庫。明太子にもつ鍋、水炊き、ごまさば、焼き鳥、うどん、かしわ飯、そしてとんこつラーメン。とても一度の滞在で全部食べきれるはずはないので、今回の出張では「うどん」と「とんこつラーメン」に照準を絞ることに決めました。

福岡県には、1000軒ほどのラーメン屋があるとされています。とんこつラーメンの発祥には諸説ありますが、最も有力なのは、昭和12年(1937年)に久留米で生まれた「南京千両」という屋台がルーツとされる説です。うどん屋を営んでいた店主が、東京や横浜の中華街で流行していた支那そばを研究し、長崎県のちゃんぽんのスープも参考にして完成させたのが始まりで、現在のとんこつラーメンとは異なる、白濁していない比較的澄んだスープのラーメンだったようです。

昭和22年(1947年)、同じく久留米に開業した屋台「三九」で、とんこつラーメンといえばの「白濁スープ」が誕生するきっかけとなったアクシデントが起こりました。いつものように仕込んだスープをうっかり火力が強くなったまま炊いてしまい、乳化して白濁した豚骨スープになってしまったのですが、味付けしてみると、実にコクのある深い味のスープになっていたというお話です。時は流れ昭和50年代中ごろになると、どこの誰が名付け親かは定かではないそうですが、白濁したラーメンを「とんこつラーメン」と呼ぶようになったといわれています。この豚骨スープは大流行し、とんこつラーメンの定番となりました。

スープともう一つ、とんこつラーメンの文化として定着したのが「替え玉」というスタイルではないでしょうか。長浜ラーメンは、博多漁港に面する長浜で誕生したラーメン。労働者に短時間で素早くラーメンを提供するために、ゆで時間の短い細麺が人気を博し、伸びやすい麺は大盛りではなく、替え玉という方法が考案されたのです。当時の長浜ラーメンは、強烈な豚骨臭が特徴の、におい自体も楽しめるワイルドなスープでした。もともとはその癖を和らげるため、すりごまやにんにく、紅生姜など卓上のトッピングで味変するスタイルが、今でも多く見られます。

そして、博多ラーメン。福岡の白濁した豚骨スープにストレートの細麺のイメージが定着し、広義で「博多ラーメン」として全国的に知れ渡るようになりました。その人気はもはや世界レベルといっても過言ではありません。博多ラーメンの元祖は、昭和15年(1940年)創業の屋台「三馬路(さんまろ)」とされており、あっさりとした豚骨スープに細い平打ち麺を使って提供していたようです。時代とともに、久留米発祥の白濁した豚骨スープを作る技術や、長浜の細麺や替え玉のスタイルを取り入れる店が増えていきました。各店が独自の研究を重ね、王道系から進化系まで、それぞれの個性を生かしたおいしいラーメンを楽しむことができる、というのが福岡のとんこつラーメンの魅力だと思います。

最後に。偶然電車を降りた薬院という駅から程近いところで「八ちゃんラーメン」という雰囲気のよいラーメン屋さんを見つけました。カウンターだけの店内に充満する豚骨の熱気。その独特で濃厚な香りに、「これがとんこつラーメンか!」と、心が沸き立ちました。麺をかためで、とお願いしたラーメンが目の前に提供されるまでの時間の短さにまずは驚き、トロッとしたスープを一口。豚骨の臭みが全くない、自然なうまみが凝縮したような味と香りに一瞬で引きつけられます。トッピングはシンプルな、青ねぎとチャーシュー。平打ちの極細麺にスープが絡む、その一体感といったらたまりません。あっという間に食べ終わり替え玉をオーダーしました。店を出るころには、すっかり博多ラーメンの大ファンに。濃厚でありながらなんだか懐かしく、心にもじんわりと染み渡る、忘れられない思い出の味になりました。

博多・薬院 八ちゃんラーメン
https://www.raumen.co.jp/shop/hacchanramen.html
若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html

参考資料
https://www.fukuoka-umaka-buy.com/html/page55.html
https://www.crossroadfukuoka.jp/feature/noodles
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c13801/
https://www.raumen.co.jp/rapedia/trivia/02.html

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【棗(なつめ)】

最近知った中国のことわざに「一日食三棗、終生不顕老」(1日3粒の棗を食べれば、一生老いることはない)というものがあります。棗は世界三大美女の一人である楊貴妃も好んで食べたといわれ、以前勤務していた中国人スタッフが、「女性は棗を食べるといい」と言っていたのは、どうやらこのことわざに由来していたようです。

中国北部を原産地とし、中国や西アジアで多く栽培される棗は、腸内環境を改善し消化吸収を良くする食物繊維が豊富で、貧血を予防する鉄分を多く含み、カルシウム、亜鉛、カリウムといったさまざまな栄養素を含んでいます。日本には、奈良時代以前に中国から薬として伝わりました。豊富な栄養素の中でも特に魅力的なのがその「鉄分」の含有量。棗100gには、鉄分が豊富とされる同量のドライプルーンの1.5倍の鉄分が含まれているそうです。棗に含まれる植物性の非ヘム鉄は、たんぱく質やビタミンCと一緒に摂取すると鉄分の吸収が促進されるとされています。

乾燥させた状態で販売されている棗はそのまま食べてもおいしく、滋養を高める素材としてスープに入れたり、韓国料理の参鶏湯の具としても使われますが、貧血予防の一環として、まずは気軽に飲める「棗茶」から始めてみることにしました。棗を5、6粒鍋に入れ、水と一緒に火に掛けて煮詰めるだけなのですが、意外と時間がかかってしまうのが気になり、SNSで検索してみたところ、①保温ポットに指で裂いて切れ目を入れた棗を入れる ②熱湯をたっぷり注いで一晩置く ③鍋にあけて10~15分煮詰めるという方法で、以前より短い時間でしっかり煮出すことができました。体を温める効果がある生姜のスライスを一緒に入れたり、仕上げに抗酸化作用や美白の効果が期待されるクコの実を入れて甘さを足したりと、日によってアレンジしながら楽しんでいます(こちらの分量は2人分ですので、適宜調整してみてください)。

棗やクコなどの赤い色の食べ物は、健康維持や免疫力アップ、酸化防止などの効果があり、冷えやすい体を温め、貧血の改善や血の巡りを良くするのに役立つとされています。赤い食材の力を上手に取り入れて、健やかで巡りの良い毎日を目指してみてはいかがでしょうか。

松山陶工場 あたため鍋 大 ※再入荷いたしました。
https://www.shokunin.com/jp/matsuyama/
本間数勇商店 わら鍋敷き 小 ※まもなく値上がりいたします。
https://www.shokunin.com/jp/honma/nabeshiki.html
白山陶器 湯のみ猪口
https://www.shokunin.com/jp/hakusan/yunomi.html

参考資料
https://www.villalodola.jp/magazine/column-213/
https://natsumeiro.jp/story/
https://spc.jst.go.jp/news/121003/topic_5_03.html