2025年04月

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【モンゴルのボーズ】

2017年の8月に休暇を利用してモンゴルを旅しました。モンゴルといえば、その昔小学校の教科書に掲載されていた『スーホの白い馬』を思い出される方も多いと思います。物語に出てきた楽器「馬頭琴」をこの目で見ることは叶いませんでしたが、モンゴルの人口の約半分が住むという首都ウランバートルを皮切りに、広い大地を長距離列車で走り、文字どおりどこまでも続く平原と、時々出会うヤギや羊といった動物たち、初めて宿泊したゲル、初めて飲んだ馬乳酒、初めて乗ったラクダの背。大人になってから一度の旅でこれほど多くの「初めて」に出会えたのは本当に貴重でした。年齢を重ねるにつれて、新しいことに出会う機会は自然と減っていくものだと思いがちですが、少し日常を離れるだけでまだまだ知らない世界にいくらでも触れることができる——そんな気づきを与えてくれる旅でした。

モンゴルでの食事で驚いたのは、肉料理の豊富さとその圧倒的なボリュームです。スープにごろっと入った大きなかたまり肉にびっくりし、ガイドさんに聞いてみると、こうした肉料理が昔から長距離移動が多かったモンゴル人にとって大切なスタミナ源なのだそうです。そして、冬の寒さが厳しいモンゴルで体を温めてくれる食材として重宝されるのが羊の肉。日本では普段なかなか食べる機会が少ない羊肉のおいしさを知ったのも、実はこの時が初めてでした。

モンゴルでは旧正月の時期になると各家庭で大量に作られ、来客にふるまわれるのが「ボーズ」という伝統料理です。おもに羊肉で作るそうですが、今回は手に入りやすい牛肉と豚肉の合いびき肉で作ってみることにしました。細かく刻んだ玉ねぎとたっぷりのにんにくを加え、塩・黒胡椒と少しのスパイスで味付け。手作りの皮で包んで、山一の中華せいろで強火15分蒸せば完成です。出来たて熱々のボーズは、肉と皮のおいしさがしっかりと引き出されていて、思わず一気に完食してしまいました。

また、先日出張で訪れた博多でも、すてきなモンゴル料理のお店に出会いました。「オルドス家」は、内モンゴルのオルドス市出身のオーナーが営む、今年で13年目を迎える名店。手作りにこだわったメニューが並び、牛肉と野菜が入ったジューシーなボーズも楽しむことができます。博多を訪れる機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。

山一 中華せいろ
https://www.shokunin.com/jp/yamaichi/seiro.html
オルドス家
https://www.ordos-fukuoka.com/
若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html

参考資料
https://youki.co.jp/recipes/recipes-detail/?991 (レシピ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%81%AE%E7%99%BD%E3%81%84%E9%A6%AC

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【ボートレース若松】

北九州市若松区には競艇場「ボートレース若松」があります。競艇は、競馬、競輪、オートレースと同じ公営競技の一つで、国や自治体が主体となり事業が行われ、売上の一部は地方財政や公益事業に還元されています。日本には24の競艇場がありますが、群馬県のボートレース桐生が最北で、東北や北海道には一つもないため、ボートレースになじみがないということもあるようです。長崎県の大村市で生まれた日本独自の公営競技で、他国で開催されているのは韓国の1カ所のみ。世界的にも珍しい公営競技です。

昭和20年代、敗戦後の社会全体が疲弊していた時代を過ぎ、復興や発展へと日本が独自の道を歩み出したころ、ボートレースは誕生しました。地域の財政再建と庶民の娯楽を目的とし、昭和27年(1952年)4月に長崎県大村で初開催され、同年11月には若松にも競艇場ができ、わずか5年で全国24カ所に広がったそうです。誕生から70年以上、公益事業を推進するための財源として位置付けられ大きな役割を果たしてきました。

北九州市では、ボートレース・競輪事業の収益金は、子育て環境や教育の充実、文化・スポーツの振興などあらゆる事業に役立てられています。北九州のシンボル的存在でもある若戸大橋や、若戸トンネルは建設費の借り入れの事情などにより、長年通行料金が必要で、2027年に無料化になる予定でしたが、ボートレース若松の収益のおかげで、9年前倒しの2018年12月から無料となりました。地域に住む私たちの生活や交通環境などにも好影響をもたらしてくれました。

海の一角を区切り海面を利用したり、湖や川の一角を区切ったレース場、専用プールのレース場もある中、若松は洞海湾が利用されています。若松ショールームからは見えませんが、若松南海岸の先に続く工業エリアの一角にあります。数少ないナイターレースの開催場でもあり、日が暮れたあとは、野球場などに使われるようなカクテル光線の照明で驚くほど明るくキラキラと輝いています。レース場を見渡せるラウンジのようなスペースやフードコート、小学生までが対象のボルダリング体験施設などもあり、レース以外も楽しめます。JR若松駅から電車で二駅ですし、ボートレース場行きの無料バスに小倉や戸畑から乗ることができます。ショールームにお越しの際には、併せて訪れてみてはいかがでしょうか。

若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html
ボートレース若松
https://www.wmb.jp/
無料バス時刻表
https://www.wmb.jp/modules/access/?page=index_bus

参考資料
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/kouei-kyougi/kouei-kouken.html
https://www.boatrace-pr.jp/static/uploads/sites/10/propel_005.pdf