2025年02月

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【カステラとパン切り包丁】

カステラをきれいに切るのは意外と難しかったりしませんか?柔らかくてふんわりしているのに、包丁を入れると断面がボロボロになってしまったり、うまく均等に切れなかったり。いつも苦戦していたのですが、帰省の際お土産にしたいカステラがあり、良い機会だと思い上手に切る方法を調べてみました。

調べていくうちに目に留まったのが、「パン切り包丁を使うときれいに切れる」という情報。確かに、波刃できっかけを作れるパン切り包丁なら、柔らかいカステラもすんなり切れるかもしれません。さらに、切るたびに濡れ布巾で刃を拭くと、より断面が美しくなるそうです。幸い実家には庖丁工房タダフサのパン切りがあるので、それでカットしたおいしいカステラをみんなに味わってもらおうと、近所にある京都唯一のカステラ専門店「越後家多齢堂」に向かいました。当店今出川ショールームから徒歩12分の場所にあります。

越後家多齢堂は、昭和23年に烏丸二条の本家から暖簾分け、西陣の千本今出川に京都で唯一のカステラ専門店として開店しました。江戸末期より受け継がれた伝統の技法でカステラを製造販売されています。厳選素材と極力機械に頼らない昔ながらの手作りで焼き上げているというカステラは、卵・砂糖・小麦粉・水あめ・ラム酒のみを使用し、添加物を一切使っていません。そのため、消費期限は5日間と短いのですが、その分フレッシュなおいしさを存分に味わうことができます。できる限り作りたてをお客様に提供し、時間が経たないうちに召し上がっていただくため、「その日焼いたカステラだけ」を販売されているのだそうです。

店内に入ると、ふんわりと甘いカステラの香り。ショーケースに並んだカステラはどれも端正な長方形。カステラは乾燥しやすく、カットしたところから乾燥してしまい風味が損なわれてしまうため、ここではケーキでいうところの「ホール」の状態で販売されています。そしてガラス戸付きの棚には、焼き上がったカステラが大切そうに保管されていて、お客様のもとへ出発するのを待ち侘びているよう。私たちが購入した18cm×22cmの大きめのカステラは、集まった家族と親戚に振る舞うのにもってこいのサイズです。

当日、緊張と高揚感が交錯する中、レトロなパッケージを開けてカステラを取り出し、パン切りを準備しました。濡れ布巾で拭いた刃を何度も確認し、「包丁を入れるときは、無理に押したり引いたりせず、包丁の重みを利用する感覚…」という一文を心の中で繰り返しながら切ってみると…、切れました!まっすぐ、ボロボロせずに!!なるほど、パン切りは刃渡りが長いので、長いカステラを切るときでもいつもの包丁のように何度も刃を入れなくて済みます。無事人数分を均等にカットして、おいしく味わってもらうことができました。ふんわりとしていて、しゅわっと口の中で甘くほどけていくようなカステラ。包丁が変わると難しかったカットもこんな風に簡単にできるようになるんだな、ということを実感した出来事でした。

では最後にその包丁をご紹介させてください。庖丁工房タダフサのパン切りは、柔らかいパンはつぶさずにすんなり、皮が硬いパンも、先端部の波刃できっかけを作ることでスッと切れます。カステラをカットするのにも大変おすすめの包丁です。食パンにはもちろん、ここぞ!というときのホールケーキをきれいに切りたいときも活躍してくれること間違いなしでしょう。刃は特殊合金のSLD鋼をステンレスで挟んだ完全3層。一般的なステンレスに比べ、使い方次第では錆びも出てきてしまいますが、鋭い切れ味を保ちやすいのが特長です。一本あると便利なパン切りは、現在今出川ショールームと三条ショールームの店頭でご覧いただけます。近日中に値上がりいたしますので、ぜひこの機会にご検討くださいませ。

庖丁工房タダフサ 基本の3本 パン切り
https://www.shokunin.com/jp/tadafusa/houchou.html
syouryu すずがみ S
https://www.shokunin.com/jp/syouryu/
越後家多齢堂
https://echigoya-kasutera.com/
今出川ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/imadegawa.html
三条ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/sanjo.html

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【しろたえ】

東京は赤坂の言わずと知れた名店、「西洋菓子 しろたえ」。しろたえの名物といえば、上品な佇まいのレアチーズケーキです。

しろたえは、本場フランスの伝統菓子や郷土菓子を学んだ川越盛一郎さんが、1976年(昭和51年)に政治やビジネスの中心地である赤坂エリアの一ツ木通り沿いで創業した老舗洋菓子店。1階が洋菓子店、2階がカフェになっていて、ケーキはすべて3階の厨房で作られているため、東京の一等地にいながら、良心的な価格でいつでもフレッシュなおいしさを楽しむことができます。創業時の面影を残すヨーロピアンな店構えに、看板やメニュー、包装紙にあしらわれた力の抜けた飾らない手書きの文字やイラストは、しろたえの魅力を更に唯一無二のものにしています。

店内のショーケースには、少し懐かしさも感じられるようなかわいらしいケーキや洋菓子が並び、まるで宝箱のよう。順番が来たら、ショーケースからケーキを選んで店員さんに伝え、階段を上がって席についたあとに飲み物を注文します。飲み物のメニューを見ると、季節の紅茶であるダージリンのファーストフラッシュが出ていたため、迷わずそちらに。余談ですが、ファーストフラッシュは春摘みの紅茶のことで、いわばダージリンの新茶です。いつでも出会えるものではないので、見かけたら頼むようにしていましたが、まさかしろたえで出会えるとは。

レアチーズケーキは、口に入れるとまったりねっとりとなめらかで濃厚なのに、後味はスッと消えていく、美しい味でした。大きさもちょうどよく、ティーポットで運ばれてきた紅茶との相性も抜群で、それはそれは幸せなティータイム。材料はクリームチーズ、砂糖、レモンのみ、そして土台はバターが香るビスケット。レアチーズケーキの8割を占めるクリームチーズには、コクがあり癖がないのが特徴のデンマーク産のものが使われています。シンプルながら計算し尽くされているからこそ、長く守られている味なのですね。

行列は、店内利用と持ち帰りに分かれていて、私たちもしばらく違う列に並んでいたのでご注意ください。平日の午前に訪れたところ、場所柄もあり持ち帰りの列は伸びていましたが、カフェは案外すぐに入ることができました。ショーケースに礼儀正しく並んだチーズケーキを見ていると、こんな手土産をもらったらどんなに嬉しいだろうなと思い、列で待つ人々が眩しく見えました。願わくば、今度は誰かにあげる側、またはもらう側で、しろたえのレアチーズケーキと再会したいと思います。

西洋菓子 しろたえ
https://maps.app.goo.gl/arx9my5TGjZu9KQC9
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://www.tokyo-np.co.jp/article/350283
https://www.lupicia.co.jp/dj/about.php

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【『民藝 MINGEI — 美は暮らしのなかにある』が福岡市で開催中】

2023年7月から全国各所を回り、2025年2月8日からは福岡市博物館にて開催中です。

恥ずかしながら、ショールームに勤務するまではよく理解していなかった「民藝」という言葉。2012年に創刊された『民藝の教科書』という本を読んで柳宗悦や濱田庄司、河井寬次郎などを知り、写真で見ていたものを実際に見ることができるということで、早速足を運んでみました。

細部に美しさが備えられた、当時の日常生活を想像できる展示物は、大変貴重なものでした。後半には、現代に続く技術の継承とその職人たちの考えを、映像と共に展示しているコーナーがあり、来場者の方々は皆さん足を止め、今に続く民藝をじっくりと知り、感じられているようでした。

当店でもお取り扱いのある桂樹舎さんが映像でも紹介されていて、紙漉きの様子を見たりお話を聞ける貴重な機会にもなりました。

『民藝 MINGEI — 美は暮らしのなかにある』は、福岡市博物館で4月6日まで開催中です。福岡市博物館には、現在の福岡県志賀島で出土した、金印「漢委奴国王」が常設展示されていたり、博多の伝統工芸の展示などもございます。天井を見上げると、博多織の献上柄が施されており、歴史と文化を楽しめる博物館です。この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

桂樹舎
https://www.shokunin.com/jp/keijusha/tesuki.html
もやい工藝(『民藝の教科書』を監修されています)
https://www.shokunin.com/jp/moyai/

参考資料
https://mingei-kurashi.exhibit.jp/