2025年01月

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【鷽替え神事とお鷹ぽっぽの話】

銀座ショールームに展示している山の形の「お鷹ぽっぽ」は、その特徴的なフォルムから、木彫りの「木うそ」と間違えられることが少なくありません。

「木うそ」は、菅原道真をご祭神とする天満宮で行われる「鷽替え神事」で使用されるものです。鷽(ウソ)が嘘(うそ)に通じることから、「これまでの悪しきを嘘とし、全てを吉に取り替える」という意味が込められています。この神事は、木製の木うそを交換する伝統行事として長く受け継がれてきました。福岡は太宰府天満宮の伝承によれば、道真公が蜂に襲われた際、大群の鷽が助けに来たことから、鷽は天神信仰において幸運を招く鳥として大切にされています。

鷽とはスズメ目アトリ科ウソ属の鳥で、日本では冬鳥や漂鳥として広く見られます。名前の由来は「嘘」ではなく、口笛を意味する古語「うそ」からきており、その鳴き声が口笛のように聞こえることから名付けられました。

鷽替え神事は986年(寛和元年)に始まったとされ、現在も太宰府天満宮をはじめ全国各地の天満宮で実施されています。写真は、江戸三大天神の一つ、平河天満宮の木うそです。神社ごとに形やデザインが異なるので、かわいらしく集めたくなる魅力があります。

一方、「お鷹ぽっぽ」は山形県米沢市笹野地区で作られている伝統工芸品「笹野一刀彫」による民芸玩具です。その歴史は、江戸時代に米沢藩九代藩主・上杉鷹山が農民の冬季副業として奨励したことに始まるとされています。「ぽっぽ」はアイヌ語で「玩具」を意味し、アイヌの祭具「イナウ」の製作技術が取り入れられています。イナウは木の表面を細かく削り、房状にした木幣で、笹野一刀彫の削り方に通じるものがあります。

材料は地元で採れるコシアブラの木で、加工のしやすさと弾力性を活かし、中華包丁に似た「サルキリ」という刃物一本で作られます。この技法により、お鷹ぽっぽ特有の美しい羽の表現が生まれます。また、「お鷹ぽっぽ」はその名に「鷹」が含まれることから、上杉鷹山公に好まれ、魔除けとして飾ることが奨励されました。さらに、「禄高(武士の給料)を増す」縁起物としても親しまれ、出世や商売繁盛の象徴として愛されています。

「木うそ」も「お鷹ぽっぽ」も、それぞれの地域で育まれた信仰や文化、自然への敬意が形となり受け継がれてきたものです。その想いを手仕事に込める日本の伝統工芸の奥深さを感じます。

山の形 白木のお鷹ぽっぽ
https://www.shokunin.com/jp/yamanokatachi/otaka.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウソ
https://ja.wikipedia.org/wiki/鷽替え
https://ja.wikipedia.org/wiki/笹野一刀彫
https://ja.wikipedia.org/wiki/イナウ
https://ko-sho.org/download/k_042/SFNRJ_K_042_15.pdf
https://onsenmeeting.com/archives/6552
https://global.canon/ja/environment/bird-branch/photo-gallery/uso/
https://www.chibajinja.com/shinji/usokae/index.html
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/things-to-do/tokyo-usokaeshinnji

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【生活のたのしみ展2025】

今年も「生活のたのしみ展」が東京で開催されました。いまや東京近郊の雑貨や日用品好きにとっては、お正月明け恒例の大イベントです。出展者と“ほぼ日”が一丸となって作り上げるコンテンツのフェスティバルで、まさに「生活にまつわるたのしみ」を一挙に集めた展覧会です。このイベントは2017年に始まり、場所を変え規模を広げながら、2022年より現在の新宿住友ビル「三角広場」にて開催されています。

会場となる三角広場は、ビルの1階に設けられた全天候型の巨大イベントスペースです。広場に設営されたゲートをくぐると、場内で持ち歩く用のショッパーラックがお出迎え。その先には多くの店舗がブースを設け、この日のために集めたものたちに加え、オリジナル企画や制作など、眺めて集って参加してみたくなるものがずらりと続きます。なかでも大人気だったお店は、今回が初出店の「石田ゆり子さんがいっしょに暮らすものたち」。あのアトラクションさながらファストパスが設けられ発券にも大行列、大注目のブースであることがうかがえます。モノもコトもジカンも魅力的な“とっておき”が並ぶ、まさに「生活のたのしみ展」でありました。1週間に及ぶ開催にもかかわらず、最終日前日もご覧のとおりの大盛況なイベントですが、ほぼ日・糸井重里氏の“ごあいさつ”からも伝わってくるような、どこか肩の力の抜けた心地よいイベントです。

帰路にビルを見上げると、外観も三角を表現しています。厳密には3辺が長い六角柱ですが、離れると三角に見えます。三角広場は、高層ビルが建ち並ぶ西新宿の、都庁に程近い三角のビルが目印です。

さて、ほぼ日さんといえば手帳です。当店では、手帳のおともにちょうどよいペンケースをはじめ、各種日用品を幅広く取り揃えております。小さなものから重いものまで、オンラインストアでのご注文は1点から全国送料無料です。ぜひお客さまのお探し物にお役立てくださいませ。

オンラインストア
https://www.shokunin.com/
ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/

参考資料
https://www.1101.com/seikatsunotanoshimi/2025_winter/?srsltid=AfmBOooVM5kSfzZHNhg1SRRduHsD_Dp0qm7viyXFPxreAhPnvHpsEuLI
https://www.kanko-shinjuku.jp/event/history/article_4250.html
https://www.sumitomo-sankakuhiroba.jp/