2024年09月

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【曲げわっぱのセイロで作るさつまいも蒸しパン】

秋を迎え、スーパーでもいろいろな種類のさつまいもを見かけるようになりました。さつまいもは、品種によって食感や味が異なるのがその魅力の一つ。焼き芋や天ぷらにするとおいしいほくほく系は、「紅あずま」や「紅さつま」。スイートポテトなどのスイーツにも向いているしっとり系の「なると金時」や「シルクスイート」。そして濃厚な甘さがたまらない、ねっとり系の「紅はるか」に「安納芋」。どれもおいしそうで迷ってしまいますね。

そんな旬のさつまいもを丸ごと1本使い、食べ応えのあるさつまいも蒸しパンを作ってみました。さつまいもの半分はおろし金でおろし、生地に混ぜ込むことでしっとりと。そして、大きめのサイコロ状にカットしたさつまいもを加えてどっしりと。栗久の曲げわっぱのセイロに生地を流し入れ、約20分蒸して完成です。

和せいろの良いところは、厚みのある蓋が蒸気を含んで重くなり、蒸気を閉じ込めてくれるため、短時間でもしっかりと蒸し上げられること。深さがあるので、蒸しパンのように大きく膨らむ料理でも蓋にくっつくことがありません。台所に漂うすがすがしい自然の木の香りは、秋田杉を使った曲げわっぱのセイロだからこそ楽しめるぜいたくです。

栗久は、明治7年(1874年)創業の大館曲げわっぱを代表する老舗。丁寧な職人技によって作られた商品はすべて、その時代の声を聞き、使う人たちに喜ばれる形を追求して生まれたものばかりです。秋田の暮らしの中で息づき、受け継がれてきた伝統の技を、ぜひご自宅で体感してみてください。

[材料]
さつまいも 中サイズ1本(180~200g程度)
○薄力粉 150g
○ベーキングパウダー 小さじ3/4
○重曹 小さじ1/3(なければベーキングパウダーの量を小さじ1にする)
きび砂糖 75g
玉子 Mサイズ1個
牛乳または豆乳 110ml
米油 大さじ3

[作り方]
1. ○印の粉類をふるいにかけて合わせておく。
2. 玉子と牛乳(または豆乳)はあらかじめ混ぜておく。
3. さつまいもの半分は皮をむいてからおろし金でおろし、半分は皮付きのまま一口大にカットして水にさらしておく。
4. 1の粉類に、きび砂糖と2を加え、ダマがなくなるまでよく混ぜたら米油を入れて更に混ぜる。
5. 4のボウルに3のおろしたさつまいも全量と、カットしたさつまいもの半分程度を入れる。
6. 鍋にお湯を沸騰させる。クッキングシートを敷いたセイロに生地を流し込み、残りのさつまいもをトッピングして、蓋をする。強火で20分ほど蒸したら出来上がり。

栗久 曲げわっぱのセイロ
https://www.shokunin.com/jp/kurikyu/seiro.html
中村銅器製作所 段付き鍋
https://www.shokunin.com/jp/nakamuradouki/seiro.html
大矢製作所 銅おろし金
https://www.shokunin.com/jp/oya/

参考資料
https://oceans-nadia.com/user/11285/recipe/123613 (レシピ)
https://tokubai.co.jp/news/articles/3540
https://www.kurikyu.jp/about_kurikyuproduct/kodawari.html

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【井波彫刻と雲棚】

当店で扱っている雲をかたどった木彫刻、ここかしこの「雲棚」。人気商品であると同時に、「これはなんですか?」とお尋ねいただくことも多い商品です。ヤスリなどを一切使わず、ノミだけで彫られているのですが、表面は木そのままの光沢があり、触れるととてもなめらか。楠でできているので、置いておくだけで辺りに良い香りが漂います。

雲は古来日本美術の中でも神聖なものを表す場面や、吉祥の図案として用いられてきました。雲棚の雲の形には、どことなく平等院の雲中供養菩薩の愛らしいお姿を彷彿とさせる雰囲気があるなぁと思っていたら、実際、雲中供養菩薩からインスピレーションを得てデザインされたのだそうです。この不思議な雲棚は何に使うものなのか、その説明はあとにして、これを生み出している彫刻技術とその職人さんの歴史に少しばかりお付き合いください。

雲棚は、江戸時代から富山県南砺(なんと)市で培われてきた井波彫刻に携わる複数の職人さんたちの手によって作られています。井波彫刻の歴史は江戸時代に遡るのですが、その誕生には、それよりずっと古い、明徳元年(1390年)の瑞泉寺建立が深く関係しています。この寺院は真宗大谷派別院として井波に建てられたのですが、この地域に吹く「井波風」という南風によって、創設以来たびたび焼失し、再建を繰り返してきたそうです。江戸時代中期の本堂再建の折、京都から前川三四郎という御用彫刻師が本堂彫刻のために派遣されました。再建には地元の大工たちも参加し、彼らが前川三四郎に弟子入りして彫刻の技法を学んだことが、井波彫刻の始まりとなります。以来、いつしかこの地域一帯が井波彫刻の職人の町として発展し、全国の寺社仏閣の彫刻をも手がけるほどになりました。ヤスリを使わず、200~300種類のノミを使い分けて掘り上げる繊細かつ豪壮な作風を特徴とし、とりわけ寛政四年(1792年)に瑞泉寺勅使門(ちょくしもん)に彫られた「獅子の子落とし」は、日本彫刻史上の傑作とされています。また、井波彫刻の祖となった前川三四郎による瑞泉寺山門の「雲水一疋龍」は、大火の折、龍が抜け出して水を吹き門を類焼から守ったという伝説も残されるほど、生き生きとした存在感を放っています。

こうした神仏に捧げる祈りの心によって磨かれてきた井波彫刻の技術。近年では寺社だけでなく、民家の室内彫刻やインテリアなどにも広く展開するようになりましたが、現代においても大きな欄間や繊細な仏具への彫刻には数カ月から数年を要するといわれます。地域に根ざした高い技術力や芸術性が全国から認められており、今も瑞泉寺の門前町には至る所に彫刻が見られ、職人さんたちが木を彫る音が響いています。

さて、この「雲棚」は、神社で頂いてきたお札をお祀りしたいけれど神棚を置くのはちょっとハードルが高い…。そんな現代の暮らしの中での祈りに寄り添った発想から誕生した、壁掛け式の神棚です。裏にマグネットが付いていて、画鋲で壁に固定することができるようになっています。お札を祀る際は、人の目線よりも高く、日当たりや風通しの良い、「人間にとっても心地よい場所」に設置すると神様が喜ばれるそうです。また、神棚としてでなくそのままオブジェのように飾っても、ノミで彫り出された確かな形と楠の香りが空間をキリリと引き締めてくれてすてきです。

井波彫刻の伝統を受け継ぐ何人もの職人さんが製作されているため、一点一点少しずつ表情が異なります。それぞれの雲の個性を、ぜひ味わっていただければと思います。

ここかしこ 雲棚
https://www.shokunin.com/jp/kokokashiko/

参考資料
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/stories/story059/
https://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no56/05.html

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【銀座・手仕事直売所と銀座ショールーム】

銀座ショールームから程近い百貨店の松屋銀座では、今年も「銀座・手仕事直売所」が開催されました。当店にて取引のあるメーカーさんも多く出店するこの催しは、ショールームと行き来されるお客さまも多くお話も弾みます。松屋の催事では各店の商品が一斉に並べられ、ショールームで見慣れた商品の姿も新鮮に映りました。

なかでも興味深かったのは、色の違いです。一陽窯さんのブースでは、当店でもおなじみの器が並んでおりました。焼き上がりの絶妙な色味の違いが風合いとなっていて、一つの色に括ることのできない器。こうして並んでいると一目瞭然でした。お隣には岡山つながりの須浪亨商店さん、い草のカゴが並んでいました。一つ味わい深いカゴを見つけてお尋ねすると、こちらは5年ものの風合いだそうです。初めは緑味のあるい草が、黄色味を帯びていく移り変わりを時間とともに楽しむことができます。

大久保ハウス木工舎さんでは、大久保公太郎さんご本人がブース内で作業風景を見せてくださっていました。圧巻のへらタワーの隣で黙々と削っていらっしゃる姿を発見、すぐ横にはお手入れされた鉋がずらりと並べられ出番を待っています。この日、削られていたのはお客さまがご持参された、年季の入った大久保さんのへらでした。大久保さんはある時のお客さまの一言から、この活動を始められたそうです。削り直してリフレッシュされたへらは、色味も明るくなってお客さまの元へ帰ります。こうして時間とともに少しずつ自分だけの形に進化するマイへら、この日もたくさん誕生したようです。

手になじみ、長く使い続けることのできる道具はすてきです。こうして知っている商品を少し違った角度から見ることができ、発見もありの楽しいひとときでした。

そして職人.com銀座店はショールームとして機能しており、オンラインショップだけでなく、実際にお手にとってご覧になりたいお客さまのお声に応え、銀座一丁目の歴史ある奥野ビルの一室にオープンいたしました。小さなスペースへ季節ごとに商品を入れ替えながら取扱商品のご紹介をしております。常設店となりますので、皆さまのお買い物にお役立ていただけましたら幸いです。

銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html