2024年08月

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【明治屋京橋ビル】

明治屋は、当店銀座ショールームから徒歩圏内にある中央区京橋に店舗を構える老舗スーパーです。1933年(昭和8年)に、イタリア・ルネサンス様式を取り入れ建築されたこのビルは、日本の建築史上重要な建物で、区の歴史や文化に関わりが深く学術上価値が高いものとして、中央区の有形文化財の第一号に指定されています。今では当たり前にある、地下鉄の駅と一体化した民間建造物としては現存する最古のビルだそうです。京橋地区の再開発にあたり、隣接するビルには高さを揃えるプランが採用されており、街並み全体でも調和が取られ、景観に配慮されています。ビルは外壁や室内の一部を建造当時のまま保存されることで、高層ビルが立ち並ぶ中でも当時の姿を大きく変えることなく、地域の新しい顔へと生まれ変わりました。

1885年(明治18年)に横浜で創業した明治屋は、船で使う食品や日用品の納品がおもな事業で、同時にビール販売や食品、お酒の輸入販売が行われていたそうです。明治時代に銀座へ進出しましたが、1923年関東大震災で消失。その後お隣の京橋に強固なビルを構え、時同じくして地下鉄銀座線は京橋まで延長されます。1933年には京橋が本店となり、のちの第二次世界大戦に伴う被害は幸いにも小さかったことで、2023年には移転から90年を迎えました。建築当時は食品に限らず雑貨や文具の取り扱いもあり、舶来品を扱っているモダンな店舗はショーウィンドウなども注目されるランドマーク的な存在だったそうです。再開発の始まる2000年ごろまでは、路地を入ると民家の立ち並ぶ下町風情の残る風景がありました。

現在もモダンなウィンドウは健在で、入口両サイドに設置されたおしゃれなディスプレイが迎えてくれます。安心・安全・おいしさを追求するこだわりの商品が並ぶ店内の柱には、明治屋の歴史を垣間見ることのできる写真が掛けられているのが印象的です。建築ファンも多く、なかでも外壁に設置された特徴的な街灯のファンもいらっしゃるそうです。夕方になるとぼんぼりのように灯るこの街灯は、昔の職人の手作りで、今ではもう新しく作ることのできない貴重なものとなっており、大切に維持されています。

東京駅から銀座ショールームへと向かう経路に、明治屋京橋ストアーはあります。歴史を語り継ぐ貴重な文化財をご覧になってみてはいかがでしょうか?

明治屋京橋ストアー(明治屋京橋ビル)
https://maps.app.goo.gl/Tk95kT94g2yaEPGM6
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://www.city.chuo.lg.jp/a0052/bunkakankou/rekishi/bunkazai/shiteibunkazai/meijiyakyobashi.html
https://meidi-ya-store.com/product/
https://www.kyobashi.tokyo/special/interview/10573.html

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【比翼の鳥、連理の枝】

昔、漢文の時間に習った『長恨歌』。言わずと知れた、玄宗皇帝と楊貴妃の悲恋を描く白居易の長編叙事詩で、日本でも『枕草子』や『源氏物語』にその影響が指摘されていたり、屏風や絵巻、浮世絵など、さまざまな絵画のモチーフになったり、調度に描かれたりと、古くから親しまれてきました。

物語に登場する数々のエピソードの中でも特に有名なのが、愛し合う2人がいつまでも一緒にいられるように願って語り合ったとされる「天に在りては願わくは比翼の鳥と作(な)り、地に在りては願わくは連理の枝と為(な)らん」という言葉。『長恨歌』以降、「男女がきわめてむつまじい様子」を表す表現として繰り返し用いられてきました。

ところで、「比翼の鳥」「連理の枝」とは、いったいどんなものなのでしょうか。まず「比翼の鳥」というのは、雌雄でそれぞれ目が一つ、翼も一つしかないために二羽一体となって飛ぶという伝説上の鳥なのだそうです。ずいぶん不思議な話ですが、なんとなく想像はできます。一方「連理の枝」はというと、「別々に生えた木の枝がくっついて木目が連なっているもの」という説明。私には何度読み直してみてもイメージできませんでした。理解することを諦め、そして諦めたことすら忘れ、はや幾年…。

ところが先日、滋賀県の坂本周辺を散策していた折、偶然通りかかった山沿いの細い道で「連理の枝」という立札に出合いました。驚いてその場所を見ると、そこに生えている2本の木から伸びた枝が、つながって一つになっているのです。その様子は、固く手を取り合っているようにも見え、離れずにいたいと願った恋人たちがこうした木々に思いを重ねたというのもうなずけるような気がしました。思いもかけず長年の謎が解決です。

さて、余談になりますが、こうしてせっかく出合った縁起物。夫婦円満のお守りにと思い、両親にも写真を送ったところ「ちょうど朝のドラマで“永遠を誓わない愛”というのが出てきて、良い考えだと思っていたところだった」という、にべもない返信が…。かつて多くの人々が憧れたという玄宗皇帝と楊貴妃の恋物語ですが、時代とともに理想の関係性もずいぶんと変化しているようです。

ショールームのご案内
https://www.shokunin.com/jp/showroom/

参考資料
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E6%81%A8%E6%AD%8C

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2010年、横浜で開催されたアジア太平洋協力会議(APEC)にて、オバマ大統領をはじめとする参加各国の首脳への贈答品に採用された、SUSgalleryの真空チタンタンブラー。右のゴブレットは、菅直人内閣総理大臣からそのすばらしさをご説明されたのち、乾杯に使用されました。ただ今小樽ショールームでのみご購入いただけます。契約上、オンラインストアでの販売は行っておりませんのでご了承くださいませ。

※誠にありがとうございます。完売いたしました。

小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html