2024年07月

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【太宰府名物 梅の実ひじき】

福岡県太宰府市は、現在の日本の年号「令和」に所縁ある地として、新元号が始まった時には大きな話題となりました。太宰府天満宮をはじめとする歴史と文化を感じられる名所がある、福岡県を代表する観光地です。

2019年4月1日に制定され同年5月1日から始まった「令和」。令和の名称は、日本最古の歌集『万葉集』に収められている「梅花の宴」で詠まれた三十二首の歌の序文に由来します。「初春の令月にして(しょしゅんのれいげつにして)、気淑く風和ぎ(きよくかぜやわらぎ)、梅は鏡前の粉を披き(うめはきょうぜんのこをひらき)、蘭は珮後の香を薫ず(らんははいごのこうをくんず)」という一節から「令」と「和」の文字を取り、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という願いを込めて名付けられました。

その梅の花を楽しむ宴が開かれた場所が太宰府でした。奈良時代初頭の政治家として、また歌人としても活躍した大伴旅人(おおとものたびと)は、大宰府の長官・大宰帥(だざいのそち)に任命され、九州の地にやってきました。邸宅には、当時の中国から渡来し高貴な花とされていた梅の木があり、大宰府や九州各所の役人ら32人が集まり詩を詠んだそうです。太宰府天満宮では初春を迎えると、約6000本の梅が次々と花を咲かせます。太宰府天満宮にまつられている菅原道真は、学問の神様として信仰されていますが、梅を愛したことでも知られています。御神紋にも梅が用いられ、太宰府は梅と深いつながりがあり、名物の梅ヶ枝餅もその一つです。

太宰府市のもう一つの名物に、「梅の実ひじき」があります。太宰府市で創業の海産物店「十二堂えとや」の人気商品で、しそ風味のひじきのふりかけです。ひじきは肉厚でモチモチとしていて、カリッとした梅が爽やかさを感じさせる味わい。お土産として大変人気ですが、たまに近所のスーパーで見かけると、つい手にとってしまう、ごちそう感のあるふりかけです。ご飯に振りかけるだけでなく、和風パスタに混ぜたり、ポテトサラダにしたり、酢の物に加えたりとさまざまな料理で楽しめます。炊きたてご飯に梅の実ひじきをたっぷりと混ぜ合わせて作るおにぎりは絶品で、ぜいたくで特別なおにぎりになります。

梅の実ひじきをゲットしたときのおにぎり作りの相棒は、なんといっても山一の三角おにぎり型です。軽くご飯を押さえながら型に詰めると、木が余分な水分を吸収しふっくらとしたおにぎりに仕上がります。具材の食感が損なわれることなく、口の中でほろっとほどけるご飯との相性は最高です。

ご飯をたくさん炊いた日には、おにぎりにして冷凍保存する場合もあるかと思いますが、三角おにぎり型を使用することで適度に粗熱も取れ、ご飯の粒がつぶれていないので、米と米との間に適度な空間ができ、程よい蒸気と一緒にラップすることができます。そのまま急冷凍しておけば、電子レンジで温め直しをする場合にも、ぎゅっと手で握ったものよりも短時間で温まり、炊きたてご飯のようなおにぎりを食べられます。このひと手間で、これまで作ったものするより何倍もおいしくなったので、気が付けば、冷凍にするときほど三角おにぎり型を活用しています。

梅の実ひじきは直営店以外にも百貨店やスーパーなどでお取り扱いがあるようですので、お近くで見つけた際には、ぜひお手にとってみてください。

えとや 梅の実ひじき
http://www.1210-etoya.com
山一 三角おにぎり型
https://www.shokunin.com/jp/yamaichi/onigiri.html
小石原焼 3寸皿
https://www.shokunin.com/jp/koishiwara/mame.html
conte おてがる薬味トング 130
https://www.shokunin.com/jp/conte/tongs.html
conte まかないボウル 220
https://www.shokunin.com/jp/conte/bowl.html
若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html

参考資料
https://www.city.dazaifu.lg.jp/site/reiwa/

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【土用の丑の日の話】

厳しい暑さが続いていますね。今の季節の暦は二十四節気の「大暑」にあたり、名前のとおり大いに暑い時期。暦上では8月6日まで続きます。

今年の土用の丑の日は、7月24日と8月5日の2回あります。土用の丑の日は「う」の付くものを食べる風習があり、江戸時代の蘭学者・発明家の平賀源内が「鰻を食べると、夏負けしない」と宣伝したことにより、うなぎを食べる習慣が広まったといわれています。古くは「う」の付くものとして、鰻以外には瓜、梅干、うどん、うさぎ、馬肉(うま)、牛肉(うし)などが食されていました。瓜を食べる風習は鰻の箸休めとして出される奈良漬という形で残っているそうです。

土用の丑の日には「きゅうり加持(きゅうり封じ)」といわれる祈祷儀式が、四国一宮寺や小豆島霊場40番札所・保安寺など全国の寺院で行われています。弘法大師空海が伝えられた無病息災の秘法として、土用の丑の日に、人々の身代わりとしてきゅうりに病や厄を封じ込めて土に埋め、人々の苦しみを取り除いたことに由来しています。きゅうりは、病が「久しく離れる(久離(きゅうり))」ともいわれ、人々から病を離し無病息災を祈るものです。きゅうり加持は寺院によって多少の違いがあるようです。

一方、京都の祇園祭では、祭礼の期間中は祭りに関わる人はきゅうりを食することを封じる慣わしがあります。八坂神社の神紋の一つの「五瓜に唐花」は、祇園祭の祭神のスサノオミコトを表し、きゅうりを輪切りにしたときの断面の模様に似ていることから、それがきゅうり断ちの理由とされています。

きゅうりは仏教文化と共に遣唐使によってもたらされ、当初は薬用に使われたと考えられているそうです。江戸時代末期までは「黄瓜」と呼ばれ、完熟してから食べられていたそうですが、まずく、人気のある野菜ではなかったそうです。

きゅうりは、薬膳では体を冷やす働きのある食材として分類されています。95%が水分で、カリウムも多く利尿効果もあり、体の内側の熱を外に運び冷やす作用があります。独特の青臭さはピラジンという成分によるもので、血流促進効果があり、体温調整に働くので熱中症の予防にも有効です。暑気払いにはきゅうりを食べるのが良さそうですね。

青龍窯 小鉢 小
https://www.shokunin.com/jp/seiryu/kobachi.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/土用の丑の日
https://ja.wikipedia.org/wiki/きゅうり加持
https://ja.wikipedia.org/wiki/キュウリ
https://ku-food-lab.com/wp/wp-content/uploads/2022/04/b8f879df029b7b91ec380580aee62523.pdf
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c9ae99c44c87cc268b04fb52ba7bd143cdc0ef4b
https://dl.ndl.go.jp/pid/2537209/1/26 (毛利梅園『草木実譜』)

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【朝食より、バターとパンのあれこれ】

一日の中で、皆さまの一番好きな食事はいつでしょうか?ランチに何を食べようか思いを巡らせたり、一日の終わりに好きなものをゆっくり楽しむ夕食だったり、それぞれに思い入れがあるかと思います。そういう自分は、トーストにバターを塗って食べる朝食が至福の時間です。

そのバター、世界で見ると断トツにインドの生産量が多いようですが、これはヒンドゥー教における牛肉の制限から、足りない栄養を牛乳やバターで補うからだそうです。日本で身近に見かけるのは、国産とフランス産あたりでしょうか。日本では新鮮なクリームから作られる非発酵バターが主流で、あっさりと上品な味わいです。乳酸発酵したクリームから作られる発酵バターは、古くから牧畜が盛んなヨーロッパで主流、こちらはコクと香りを楽しむことができます。

ニュージーランドには、「グラスフェッド」という牧草のみを餌として飼育され、ストレスフリーの乳牛から作られたバターがあります。良質な脂質により栄養価は高く、黄色が濃いのが特徴で、味や香りは濃厚ながらあっさりしているというもの。ニュージーランドは日本と同じく南北に細長い島国で、四季あり、温泉あり、魚介類が好まれるという日本とそっくりな国なので、日本人の口にも合いそうです。奇しくも今年の夏は猛暑の影響がバターにまで及び、在庫不足のおそれから輸入枠を追加するというニュースもありました。輸入バターがまた少し、身近になるかもしれませんね。

そしてトーストの食パンは、関東と関西で好みが見事に別れることをご存じでしたか?関東は6枚切りが半分のシェアを占め圧倒的に主流、次いで8枚切りが3割。関西では5枚切りが4割、次に4枚切り、8枚切りにいたっては0.5割のシェアなのだそうです。これには、関東のパリッとカリカリな煎餅文化が薄めのトーストを求めていて、関西はふっくらもっちり粉物文化から厚めを求める傾向なのだとか。そのほかの地域の皆さまの周りには、何枚切りの食パンが一番多く並んでいるでしょうか?身近なお店の棚からも、食文化の違いに触れることができるのが興味深いです。

野田琺瑯 バターケース
https://www.shokunin.com/jp/noda/butter.html
ヨシタ手工業デザイン室 バターナイフ
https://www.shokunin.com/jp/yoshita/cutlery.html
庖丁工房タダフサ バターナイフ
https://www.shokunin.com/jp/tadafusa/butter.html
庖丁工房タダフサ 基本の3本 パン切り
https://www.shokunin.com/jp/tadafusa/houchou.html
もやい工藝 ケヤキのパン皿
https://www.shokunin.com/jp/moyai/

参考資料
https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/worldculture/
https://furusato.mynavi.jp/blog/butter/
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240626/k10014493181000.html
https://www.youtube.com/watch?v=GVCq7LjxYh4