2024年07月

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【赤紫蘇ふりかけ】

赤紫蘇はジュースや梅干しやふりかけなど、梅雨から夏に、さっぱりとした爽やかにさせてくれる古くから栽培されてきた日本のハーブです。

赤紫蘇のふりかけといえば「ゆかり」。実はそのすてきな名前は、広島市に本社を構える三島食品の登録商標で、ゆかりの命名のいわれは古今和歌集収録の短歌からきています。

 紫の ひともとゆゑに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見る(詠み人しらず)

「紫草が一輪咲いているという縁(ゆかり)だけで武蔵野のすべての草花を愛おしく感じる」という意味から、紫色をゆかりあるものの象徴として命名されたのだそうです。

紫蘇の独特の香りは「ペリルアルデヒド」という香気成分によるもので、強い防腐・殺菌作用があり、食中毒防止に役立ちます。刺身に紫蘇が添えられているのは理にかなっていますね。そして、赤紫蘇の葉にはロスマリン酸とルテオリンが含まれ、抗酸化作用や抗炎症作用でアレルギー症状を抑制する効果が期待できるとされています。

さて、この赤紫蘇ふりかけ、中東料理のスパイスの「スマック」という香辛料に風味が似ているようです。赤を意味するというスマックはウルシ科の「ルス・コリアリア」の果実を乾燥させたものです。抗酸化作用が強く、ビタミンC、ポリフェノールやフラボノイド類が多く含まれるスーパーフード。赤紫蘇、レモン、梅干し、タマリンドに近いほのかな酸味と香りがあるのが特徴です。使い方はそのまま野菜や魚にまぶしたり、現地では胃腸の調子を整えるためお茶にして飲まれています。

パレスチナのチキン料理「ムサッハン」には、スマックは欠かせない香辛料ですが、赤紫蘇ふりかけで代用できるとのこと。ムサッハンは「タブーンブレッド」と呼ばれるピタパンやピザ生地、チャパティのようなパンの上に、スマック、セブンスパイス、塩を使用して玉ねぎを炒めたものと、ローストしたチキンの骨付きもも肉をのせた料理です。セブンスパイスは中東で使用されている調味料で、(地域差があるようですが)胡椒、ナツメグ、クミン、コリアンダー、クローブ、シナモン、オールスパイスを調合したものです。

調理方法はスライスした玉ねぎにスマックとセブンスパイスと塩とオリーブオイルをたっぷりかけてしっかりと炒めます。鶏肉にもこれらのスパイスをなじませてグリルします。仕上げには炒った松の実とコリアンダーを振りかけます。ここで使うスマックを赤紫蘇のふりかけで代用します。どんな味になるのか興味深いですね。ご興味がある方はぜひ作ってみてください。

また、赤紫蘇のふりかけも手作りのものを楽しむことができます。赤紫蘇のジュースや、梅干し用に仕込んだ赤紫蘇漬けから作ることができ、乾燥させてすり鉢で粉状にします。暑くなる季節、赤紫蘇を食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?

山只華陶苑 JUJU mortierすり鉢
https://www.shokunin.com/jp/yamatada/suribachi.html
東屋 擂粉木
https://www.shokunin.com/jp/azmaya/surikogi.html
木屋 薬味寄せ
https://www.shokunin.com/jp/kiya/yakumi.html
廣田硝子 究極の日本酒グラス
https://www.shokunin.com/jp/hirota/nihonshu.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/ゆかり_(ふりかけ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/スマック_(植物)
https://ja.wikipedia.org/wiki/ムサッハン
https://ja.wikipedia.org/wiki/シソ
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/265934/1/aaas_21_146.pdf

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【羽田空港第3ターミナル】

先日、見送りがあり早朝の羽田空港を訪れました。初めての時間帯でしたが、働く人たちをはじめ、搭乗する人々のにぎわいや、仮眠する旅人の姿もあり、空港は早くからフル稼働しています。日の出とともに家を出たのですが、見送りも早々に終え、そのまま帰路に着くのももったいない気分で、「羽田エアポートガーデン」を覗いてみようと思いつきました。第1ターミナルから無料バスに乗って第3ターミナルへ移動したところで目にしたのは、その先に直結するエアポートガーデン、10:00オープンのお知らせです。ここでもまだ程遠い時間でしたので、やむなくこちらはまたの機会に。今日はそのまま羽田第3ターミナルでの朝散歩をご紹介いたします。

旅の利用で訪れる2Fの到着ロビーと3Fの出発ロビーを抜けて4Fに上がると、そこに広がるのは「江戸小路」という伝統の日本式工法で再現した江戸の町並みでした。羽田空港から「新しい日本・東京」を発信するために厳選された、文化と伝統の技を伝える店舗がずらりと連なる横丁となっています。お店はオープン前でしたが、町並みを歩いて楽しむことは可能です。数あるお店が並ぶ中に、銀座ショールーム近くに本店のある文具屋の伊東屋さんも見つけました。一角には旅の架け橋の象徴として、総檜造りの「はねだ日本橋」もかかっていて、ターミナルの中に造られた小さな江戸の町並みは、時代劇の撮影所に迷い込んだかのような空間でした。

その町並みを抜けた先の5F「TIAT SKY ROAD」には、羽田空港国際線に就航している各航空会社のモデルプレーンが壁一面に展示されています。子どもだけでなく大人のファンも楽しめる展示は、旅の思い出と共に搭乗したことのある会社を探し出すのも楽しいです。そして、その奥には広々とした屋外の展望デッキが設けられていました。羽田空港の全4本の滑走路からの離発着を、24時間見ることのできる人気のビュースポットだそうで、早朝は人も少なくいっそう開放的でした。

番外編は帰路のモノレールより。こちらでもホームの一番奥に公式のフォトスポットが設けられ、タイミングが良いと工業地帯を背景に、飛び立つ飛行機とモノレールの写真を撮ることができるそうです。旅の往復には見過ごすことも多そうな空港のスポット、羽田第3ターミナルでの隙間時間にいかがでしょうか?

江戸小路
https://www.tiat.co.jp/terminal/edo_koji.html
はねだ日本橋
https://www.tiat.co.jp/terminal/haneda_nihonbashi.html
TIAT SKY ROAD
https://www.tiat.co.jp/terminal/skyroad.html
展望デッキ
https://www.tiat.co.jp/terminal/deck.html
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html