2024年04月

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ただ今ルアンパバーンへ飛ぶためにバンコク・ドンムアン国際空港へバスで向かっております。これまで134カ国・地域を旅してきましたが、いくつかアドバイスできることがあるのではと思いましたので、僭越ながら書かせていただきます。

・現地の通貨は基本的にクレジットカード(または可能な銀行カード)のキャッシングで。ATMで引き出せます。が、稀に引き出し手数料が1000円もかかることがあり、その場合は手持ちのUSドルを両替します。USドルはどこでも使えます。

・ではそのUSドルはどこで入手するのかというと、旅から帰るときに現地の空港などにて、USドルに換金しておきます。使い切るのが理想ですが、余ったらこれ一択です。次の旅に持っていきます。

・後ろ側のポケットにはもちろん何も入れず、前のポケットに財布や携帯、パスポートを入れ、更に上着などを腰に巻くと、盗難防止かつエアコン対策になります。

・ハメは外しません。現地の方々の生活を邪魔しないように敬意を持って過ごします。泥酔は以ての外です。

・人気のない道は歩きません。必ず人がいる安全なエリアを歩きます。通り一本挟むだけで治安が変わるので、事前に調べるに越したことはありませんが、雰囲気や人の視線などにて随時判断しましょう。

・可能な限り現地の食べ物と飲み物だけを楽しみます。その経験が必ず役に立ちますし、日本と世界の相互理解につながります。

・円安とか円高とかあまり気にしません。人生で一番高いのは時間です。行けるときに行きたい場所へ行きましょう。

・なるべく安い交通手段を利用しますが、無理はしません。その場所の治安によっては宿にてタクシーを手配してもらうこともあります。安全第一です。

・万が一連れて行かれたら、おとなしくしておきましょう。強がっても勝てるわけがありません。ペルーのリマで一緒に飲んだ現地人に騙されて、偽警察3人と共に車に乗ってしまった時覚悟を決めましたが、声を荒げることはありませんでした。「マチュピチュ行くの?」という平和な質問が来たので、「イエス」と礼儀正しく答えると、お金はすべて取られましたが無傷で解放されました。

と、怖い話も書いてしまいましたが、油断せずに過ごせばこのようなことにはなりません。私もその件があった15年前に態度を変えたという経緯があります。旅ほど楽しくて短期間に自分を成長させてくれるものはないと思います。仕事にも生かせることは間違いありません。ぜひ安全に有意義な旅をしてください!

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【エゾヤマザクラとお花見ジンギスカン】

北海道の桜といえば、鮮やかなピンク色の花びらが特徴的な「エゾヤマザクラ」です。ソメイヨシノの白っぽい花びらに慣れ親しんだ私の目には、初めこの桜が物珍しく映ったものですが、ソメイヨシノの儚げな美しさとはまた違った、長い冬を終えた歓びに満ちたような可憐さがあると感じます。

エゾヤマザクラは標準和名を「オオヤマザクラ」といい、ほかに「ベニヤマザクラ」とも呼ばれるサクラの品種で、北海道に多く自生することからエゾヤマザクラとも呼ばれるようになったようです。日本にはソメイヨシノをはじめとした、人工的な交配によって生まれる栽培品種のサクラが数百種と存在しますが、それらに対して、もともと日本に自生する野生種の基本種とされる品種は10種程度存在するとされており、エゾヤマザクラはそのうちの一つでもあります。花弁の発色の度合いには冬の寒さが関係するらしく、北海道のものは本州のものに比べて花弁の色が濃く、道内においても、道南部よりも道北・道東部の方がより色鮮やかに咲くのだそうです。またエゾヤマザクラには、花が開くのと同じタイミングで赤っぽい色をした葉の芽が開くという性質があるため、それも相まって、全体として他の種に比べて赤みの強い印象を与えるのかもしれません。

私の暮らす札幌市内随一の桜の名所である円山公園は、ゴールデンウィークにはお花見客でにぎわいを見せます。そこで繰り広げられていたお花見は、シートを広げて花見弁当を囲むというより、炭と網をセットしてジンギスカンやバーベキューを豪快に楽しむというのが主流で、桜の花とお肉の香ばしい匂いという組み合わせがこの時期の風物詩でもあったように思います。近年では、新型コロナウイルスの感染拡大対策をきっかけに、さまざまな面への配慮から園内での火気使用が禁止されており、円山公園でその光景を目にすることはなくなってしまいましたが、同じく桜の名所である函館市の五稜郭公園などでは現在でも期間限定でお花見ジンギスカンを楽しむことができるようです。

「ゴールデンウィークにお花見ジンギスカン」はまさに北海道ならではのレジャーといえますが、北海道に限らず、これからの時期にはバーベキューやキャンプなどを楽しまれるご予定の方も多いのではないでしょうか。当店で取り扱っている商品には、アウトドアでもお使いいただける商品が意外とたくさんあるのです。指の延長のような感覚でお使いいただけるconteの薬味トングは、たとえば焼き上がった海鮮を食べるのにも重宝しそうです。小笠原陸兆のミニパンは、ずっしりと重量感のある鋳物商品の中でも小ぶりで持ち運びへのハードルも低く、いくつか並べて数種類のアヒージョを食べ比べてみるというのもいいかもしれません。また、普段はもっぱらしゃもじの定位位置となってくれている和田助製造所のしゃもじ入れを外に持ち出せば、トングや菜箸をちょっとどこかに置きたい!という要望に応えてくれそうです。と、いくつか思いつくままに綴ってみましたが、インドアな私が気がついていない商品の活用法がまだまだたくさんあるかと思いますので、皆さまのアイデアもぜひお聞きしてみたいです。日本の手仕事の品が加わることで、皆さまのアウトドアライフがより一層楽しく素敵な時間になれば幸いです。

conte おてがるトングシリーズ
https://www.shokunin.com/jp/conte/tongs.html
小笠原陸兆 ミニパン・ふた付きミニパン
https://www.shokunin.com/jp/rikucho/minipan.html
和田助製造所 しゃもじ入れ
https://www.shokunin.com/jp/wadasuke/shamoji.html
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html

参考資料
https://tenki.jp/suppl/romisan/2018/04/29/28055.html
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kn/tkn/hana/flower/hk007.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/オオヤマザクラ
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20240410/7000066204.html
https://hakodate-event.com/2024/04/post-36838/

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【京都・世界で1番美しい本屋さんへ】

先日、京都は一乗寺にある本屋さん「恵文社」のギャラリーで開催されたマーク・ピーター・キーン(Marc Peter Keane)さんの絵本『ヤナギの名』出版記念の朗読会に行ってきました。この絵本は「モノの名前を変えるだけで、世界観を変えられる」という、ちょっと哲学的なコンセプトの物語。とても素敵だったので、ご紹介させてください。

川縁(かわべり)に生えた1本の柳の木。その存在を、名前で「正確に」呼び表すためには、その木に関わったものたちも名前に加えるべきだ、そんな着想からこの絵本は展開していきます。ページをめくるごとに、柳の葉を食べにきた鹿の群れや、近くに暮らす狐の家族、木にやってきた鳥、虫、柳の木を育む水など、たくさんのものたちの名前が1つずつ「ヤナギ」という名に加わります。関わるものが増えるたびに柳の名前はどんどん長くなってゆき、最後には炭化して、木としての一生を終える。そして「モノを何かから区別する(切り離す)ためではなく、その存在を、あらゆるものとの有機的な繋がりの中で捉えるために名付けてみてはどうか」、そんな言葉が読者に投げかけられます。

もしこの絵本のように考えたとき、今、目の前にあるものはいったいどんな名前になるでしょう?たとえばひとつの器(うつわ)。器の材料である土の元となった植物、鉱物、微生物、水、土をこねて形にした職人さん、釉薬、火、器を買った人、器に盛り付けられた料理、料理を食べた人…無数の繋がりがあり、同じ種類の器であっても、ひとつとして同じ一生を辿るものはありません。人間という存在も、またしかり。

ひとつの存在の背景にある物語に想像を巡らせたとき、思いもかけぬ世界の豊かさに気付かされ、ハッとします。忙しない日々の中、表面的な出会いで通り過ぎてしまうことも多い現代ですが、何気ない世界の無限の広がりを忘れずにいたい。そんなことを思った午後でした。

作者のマーク・ピーター・キーンさんは、アメリカ出身の日本庭園作庭家で、アーティストとしても活躍されています。『ヤナギの名』は和紙を和綴じで製本した、とても美しい本でした。個展は終わってしまったのですが、絵本やキーンさんが手掛けた庭園の様子は、キーンさんのInstagramで見ることができるので、ぜひ覗いてみてください。

また、今回個展が開催されていた恵文社は、叡電一乗寺駅からすぐ、イギリス・ガーディアン紙が選ぶ「世界で1番美しい本屋10」に、日本で唯一ランクインしている本屋さんです。アンティークな雰囲気の店内には選りすぐりの個性的な本たちが並び、そのまま物語りの世界に迷い込んでしまいそう。世界中から本好きが訪れるそうで、私も行くたびにワクワクしています。

気持ちのいい新緑の季節、洛中から少し足をのばして、一乗寺界隈を散策されてみてはいかがでしょうか?

恵文社 一乗寺店
https://maps.app.goo.gl/km9rYkLYfb6ioAxp8
マーク・ピーター・キーン
https://www.mpkeane.com/
ショールームのご案内(GW期間中も今出川ショールームを除き通常営業です)
https://www.shokunin.com/jp/showroom/