2023年08月

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【中華せいろで作るタイのお菓子・サンカヤーファクトーン】

国内はもちろん海外にも人気の、山一の中華せいろ。中華せいろの特徴の一つに、蓋部分がドーム型になっていることで、膨らんで高さが出る蒸しパンやマーラーカオでも、蓋に生地が付かないことが挙げられます。蓋と身、それぞれの高さ(内寸)は各6cmなので、重ねたせいろは12cm。8cmから10cm程度の高さの食材でしたら蒸気が十分に回ります。

最近、実家からおいしそうな坊ちゃんかぼちゃをもらったので、かぼちゃを丸ごとせいろで蒸せないかとレシピを探していました。そうして見つけた「サンカヤーファクトーン」は、中身をくりぬいたかぼちゃに、ココナッツミルク、玉子、砂糖を合わせた甘いカスタードを流し込み、丸ごと蒸して作るタイのお菓子。現地では、アヒルの玉子とヤシの木から作られるパームシュガーを使うことが多いそうです。

小ぶりの坊ちゃんかぼちゃだと、中に火が通りプリンが固まるまで約30~40分。粗熱を取ったあと、冷蔵庫で冷たくしてから食べます。甘みのあるかぼちゃとココナッツミルクの組み合わせのプリンは、甘すぎない優しい味がして食後のデザートにもお茶請けにもおすすめです。

熱帯モンスーン気候に属するタイは、年間の平均気温が29℃。高温多湿で蒸し暑く、11~3月の乾期、4~5月の暑期、6~10月の雨期の、3つの季節があります。雨期のタイでは毎日のように1~2時間程度のスコールが降り、雨のあとはすっきりとした爽快感を味わえるのも魅力です。雨上がりは植物や街の色が鮮やかに見えますが、タイのスイーツも鮮やかでぱっとした綺麗な色が多いような気がします。

普段の料理から、海外のお菓子まで。中華せいろで世界のさまざまな味を楽しんでみてはいかがでしょうか?

山一 中華せいろ
https://www.shokunin.com/jp/yamaichi/seiro.html
大寺幸八郎商店 かなまり 小
https://www.shokunin.com/jp/otera/kanamari.html

参考資料
https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1360000781/ (レシピ)
https://thailand-navi.com/introduce/egg-custard-in-pumpkin
https://www.thailandtravel.or.jp/about/weather/

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【みりん】

多くの家庭で常備されている調味料の一つ、みりん。実は、もともと高級酒の一種として飲まれていたものでした。焼酎にもち米や米麹を仕込み、糖化・熟成させることで、まろやかで優しい甘みを持つみりんは、強いお酒が苦手な人にも愛飲されていたそうです。みりんと焼酎を混ぜたものは「柳蔭(やなぎかげ)」や「本直し」と呼ばれ、夏場には井戸で冷やし、暑気払いの一環として飲まれました。

また、砂糖に代わる甘味料としても使用され、江戸時代に入り醤油が本格的に生産されるようになると、より一層調味料としての役割が大きくなりました。醤油のアミノ酸とみりんの糖分によって生まれる艶、香り、うま味が重宝され、現在まで続く和食の基礎を築くことになります。その一方で、飲料用のみりんは1940年代ごろまで大衆に親しまれていましたが、戦後の米不足からみりんの製造を禁止されたり、ビールやウイスキーの普及などによって、飲料目的でのみりんの消費は減少していきました。それに伴い、徐々にエキス分が増して現在のみりんの形になり、アルコールと水あめを加えて作るみりん風調味料なども生まれました。

みりんには、「本みりん」「みりん風調味料」「みりんタイプ調味料」の3種類があります。本みりんは、米・米麹・焼酎または醸造アルコール・糖類を熟成させて作られ、度数が14%前後のため酒類として扱われます。みりん風調味料は、度数1%未満でアルコールをほとんど含まず、米や米麹に水あめやうま味調味料を加えて作られます。水あめなどの糖類を含むため、甘みを強く感じられます。みりんタイプ調味料は、米や米麹、水あめ、食塩、アルコールなどから作られ、その大きな特徴は塩分を含んでいることです。

みりんは調理の中でさまざまな効果を発揮します。アルコールが加熱により蒸発する際、同時に食材の臭みも取り除くことができ、糖分とアルコールは、でんぷんの流出を防いだり、魚や肉の筋繊維の崩壊を防ぎ食材の形を保つことから、煮崩れ防止の効果も持ちます。ブドウ糖やオリゴ糖など複数の糖分を含むため、砂糖に比べまろやかな甘みを持ち、照りや艶が生まれるのです。肉や魚などの臭み取りや、煮崩れ防止などアルコールによる効果が欲しいときは、アルコールを含む本みりんやみりんタイプ調味料を使い、加熱せずに刺身の漬けや和え物などを作りたいときは、アルコールを含まないみりん風調味料を使うなど、料理に合わせて使い分けることも有効です。

conte やくさじ
https://www.shokunin.com/jp/conte/yakusaji.html
酒場元木(写真のお店)
https://goo.gl/maps/x2QukVjnMhQUSVDq9

参考資料
https://www.meimonshu.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=384
https://www.honmirin.org/knowledge/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/本直し

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【シンカンセンスゴイカタイアイス】

新幹線で食べられる、硬すぎるアイスをご存じでしょうか。硬さもさることながら本当においしいアイスクリームで、幼いころから母と帰省する新幹線の中で食べていた思い出の味です。

このアイスは、スジャータめいらく創業者で当時社長だった日比孝吉氏が、新幹線で販売するのにふさわしい高級感のある特別な商品を作りたいと自ら指揮し、高品質なバニラアイスクリームを開発したことで生まれました。1991年から販売されており、正式名称は「スジャータアイスクリーム」ですが、近年はSNSなどで、「シンカンセンスゴイカタイアイス」という愛称で広まり、その後この愛称が公式に販売名称としても用いられるようになりました。

アイスは乳成分の量によって、「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の3つに分けられますが、このシンカンセンスゴイカタイアイスは、乳固形分が最も高い「アイスクリーム」に分類されます。さらには、乳固形分15%以上、うち乳脂肪分8%以上というアイスクリームの定義に対して、シンカンセンスゴイカタイアイスのバニラは乳脂肪分15.5%と非常に高濃度。このこだわりが、なめらかで濃厚な味わいを実現しています。

そして、大きな特徴の一つである「硬さ」。この硬さの秘密は、アイスの空気含有量を大幅に低くし、アイスの密度を高めていることにあります。アイスは一度溶けてしまうと、再冷凍してもなめらかさや味わいが元に戻ることはありません。冷凍設備のない新幹線で高品質のままおいしいアイスを届けるために、マイナス79度になるドライアイスを活用し、マイナス18度前後の一般的な冷凍庫よりも低い温度で管理。そうすることで、硬く、ねっとりとした重みのある味を生み出しているのです。

この夏、帰省のため乗った新幹線でこのアイスが食べたくなり、数年ぶりに車内販売で買ってみました。「ずんだ」や「ベルギーチョコレート」などのフレーバーもありましたが、やはり私の口は定番のあの味を求めていたので「バニラ」一択。この高級感漂うネイビーとゴールドのパッケージも長年変わっていなくて懐かしい。私はアイスは硬い派で、ちょっと溶かしてから食べるというようなことは普段は絶対にやらず、カチカチの状態で食べるのが好きなため、今回も意気込んで手渡してもらったアイスの蓋をすぐに開け、スプーンを刺しました。刺した感触は、「コン」。というか、刺さっていません。スプーンが刺さらないほどの、記憶していた以上の硬さに、私は新幹線の中で目を丸くしてしまいました。その後、笑えてしまうほどの硬さに呆気にとられながら、アイスを放置して数分でしょうか。再びスプーンを刺すとスッと入り、少し油断しすぎたようで、すでに私の好みの硬さよりもやわらかくなってしまっていました。気を取り直して口に入れると、ミルクの風味が濃厚、濃密。このきめ細かさが唯一無二で、やっぱりおいしいなと思いながら、窓の外に広がる景色を眺めつつ食べ終えました。

2023年8月の初め、突如目に入ってきた「東海道新幹線の車内ワゴン販売終了」のニュース。今回、久しぶりにアイスの存在を思い出したのもこのニュースがきっかけだったように思います。2023年11月1日以降、東海道新幹線での車内販売はグリーン車限定でモバイルオーダーの形で存続しますが、あのワゴンから購入することはもうできないと思うとなんだか寂しいですね。シンカンセンスゴイカタイアイスは現在も自動販売機やオンラインショップでも購入できますが、今後更に多くの駅に自動販売機などを拡充していく予定とのこと。

小学生のころ、母が実家に帰省するのに連れられて、車内販売でこのアイスを買ってもらって食べるのが新幹線に乗る楽しみでした。最後にもう一度、今度は自分が実家に帰省する車内でこのアイスを買って食べることができて良かったです。シンカンセンスゴイカタイアイスがなくなるわけではないので、今後も新幹線や自宅で味わっていきましょう。

JR東海パッセンジャーズ シンカンセンスゴイカタイアイス
https://www.jrcp-shop.jp/shopbrand/icecream/
ショールームのご案内
https://www.shokunin.com/jp/showroom/

参考資料
https://www.jr-cp.co.jp/special/shinkansenicecream/
https://news.yahoo.co.jp/articles/1300e91893a886be56455b4ddfc51d16ebb1e93c
https://news.yahoo.co.jp/articles/87cbd015b83ca7b333a776ac8be61a2a97b03d3f
https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20230718-OYT8T50122/