2023年02月

IMG_2952

2

3

【酒瓶の蓋でマグネット】

ビール瓶や日本酒瓶の蓋は、デザインが豊富でコレクター心をくすぐります。

ビール瓶などを密封している蓋である王冠は、1892年にアメリカのウィリアム・ペインターという技術者によって発明されました。その形状が西洋の王冠を逆さまにした形に非常によく似ていたため「crown cork」と名付けられ、日本ではそのまま「王冠」と訳されました。それ以前のビールや清涼飲料水のガラス瓶は、現在のワインなどと同じようにコルク栓によって密封されていました。王冠はかなり画期的な発明で、ペインター氏はこの「crown cork」で特許も取得しています。

日本に王冠が導入されたのは1900年になってからのことでした。1900年に東京麦酒という醸造所が輸入品の王冠を使用し始めたのが最初とされており、その後10年ほど経ってから国内での製造が開始されました。

王冠といえばギザギザした部分が特徴的ですが、なんとあのひだは万国共通で21個(特大瓶は24個)に統一されているそうなのです。というのも、研究を重ねた結果、ひだの数を3の倍数にして支えると最も安定することが分かり、18個では締め付けが弱すぎて密封性を担保できず、24個では逆に強すぎて開けにくくなってしまうため、21個という数で定着したようです。これは数えて確かめてみたくなりますね。

そんな酒瓶の蓋をリメイクしたマグネットが実家の冷蔵庫にずらりと並んでいるのを発見したのですが、それがなかなかに素敵でした。作り方はとても簡単で、100円ショプなどで手に入る円形のマグネットを蓋の裏側に接着するだけです。接着剤や両面テープを使用して接着しても良いですし、昨今は片側に両面テープが付いた便利な磁石も売っているようなのでそちらを使っても良さそうです。ビール瓶などの王冠であればそのまま内側に接着できます。写真は日本酒瓶の冠頭を用いたものですが、冠頭を用いる場合は、プラスチックの栓部分をカッターで切るとちょうど磁石がすっぽりとはまります。もし磁石が大きくて入らない場合は、内側のプラスチックの部分をカッターで少し削ってみると良いそうです。

お手軽に楽しめて記念にもなります。瓶のお酒を楽しんだあとにはぜひお試しくださいませ。また、当店ではさまざまなタイプの酒器やグラスをはじめ、酒瓶を持ち運ぶのにうってつけのびんかごなども取り扱っておりますので、ぜひ併せてそちらもチェックしてみてください。以下の商品は現在小樽ショールームにて実際に手にとってみていただけますので皆様どうぞお越しくださいませ。

SyuRo グラス
https://www.shokunin.com/jp/syuro/glass.html
廣田硝子 究極の日本酒グラス
https://www.shokunin.com/jp/hirota/nihonshu.html
廣田硝子 柳宗理ワイングラス
https://www.shokunin.com/jp/hirota/wine.html
一陽窯 ぐい呑み
https://www.shokunin.com/jp/ichiyou/guinomi.html
一陽窯 ワインカップ
https://www.shokunin.com/jp/ichiyou/wine.html
須浪亨商店 びんかご
https://www.shokunin.com/jp/sunami/binkago.html
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html

参考資料
https://liqul.com/entry/1784
https://www.toyo-seikan.co.jp/kids/when_lid_history.html
https://museum.kirinholdings.com/history/theme/b14_12f.html
https://limia.jp/article/192574/
https://nawan13.hatenablog.com/entry/2017/10/22/222458

1

2

【金柑】

金柑が旬の季節になって、野菜売り場でもよく見かけるようになりました。

金柑は、柑橘類の中でも皮ごと生で食べることができる珍しいフルーツ。江戸時代に中国から伝わり、「黄金色の蜜柑」の意味から「金柑」と名付けられた中国名を、「キンカン」と音読みしたものです。俳句では秋の季語になっているそうです。

栄養面では、風邪の予防や美容と健康に効果があるビタミンCはもちろん、皮ごと食べることで、毛細血管の強化や血圧の上昇を抑制するとされているビタミンP、骨粗鬆症を予防するカルシウム、抗酸化作用で動脈硬化を予防するビタミンEを効率よく補えるそうです。

これは食べないわけにはいかない!と、簡単に金柑を丸ごと食べることができるジャムを作りました。

職人.comのオンラインストアでも、ジャムを作るときに便利な、火にかけられる琺瑯のストッカーや、色合いを楽しめるガラスの保存容器、食事の際に最適なスプーンやお皿を用意しておりますので、ぜひご覧ください。

野田琺瑯 持ち手付ストッカー
https://www.shokunin.com/jp/noda/
小泉硝子製作所 キャニスター
https://www.shokunin.com/jp/koizumi/canister.html
大久保ハウス木工舎 ジャムスプーン
https://www.shokunin.com/jp/okubo/jam.html
木屋かみの ジャムバター皿
https://www.shokunin.com/jp/kiyakamino/jambutter.html
もやい工藝 ケヤキのパン皿
https://www.shokunin.com/jp/moyai/

参考資料
https://www.kurashiru.com/recipes/944a9862-9cf2-4aed-9fab-a15673c10f69 (レシピ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/キンカン
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=94

1

2

3

4

【ひしお(醤)】

「ひしお(醤)」は、仏教の伝来と共に中国から伝わった「穀醤(こくびしお)」が日本で発展し、やがては現在の味噌や醤油の原型となった調味料といわれています。7世紀後半から8世紀後半にかけて編纂された、現存する日本最古の歌集である『万葉集』にも登場するほど古い歴史を持つひしおは、炒った麦や大豆などの穀物に、麹と塩を加えて発酵させ、熟成させたもの。そのひしおが詠まれているのが、「酢、醤、蒜、鯛、水葱を詠める歌」と題されているこちらの歌です。

“醤酢(ひしほす)に 蒜搗(ひるつ)き合(あ)てて鯛願ふ 我れにな見えそ 水葱(なぎ)の羹(あつもの)”

『万葉集』 巻十六 三八二九番歌 長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ)

醤酢とは、ひしおに酢を合わせた当時の高級調味料。酢は、当時米の値段の3倍の値がつけられていたそうです。蒜(ひる)は、香りの強いノビルやにんにくのような野草。水葱(なぎ)とは、水辺に生えるミズアオイで、江戸時代までは安価な野菜として食用にされていました。そして羹(あつもの)とは温かいスープのこと。つまり大体の意味はというと、「ひしおと酢を混ぜたものに、蒜を薬味にして鯛を食べたいのに、水葱(なぎ)の吸い物なんて見せないでほしい」といったところでしょうか。当時の人々の食生活や食の好みが伝わる、珍しい歌とされています。

現在では、豆麹と麦麹を醤油に漬けて発酵させて作るひしおですが、普段の食生活で調味料として使うことで、酵素や乳酸菌、酵母などを取り入れることができます。豊富なビタミンB群や食物繊維、酵素を含み、血行の促進や代謝アップ、消化吸収を助ける役割があるとされています。食べ方は、そのまま野菜や冷奴にかけたり、白ご飯のおともに、ドレッシングやつけダレとして、醤油の代わりに調味料としても使えるのですから、用途はとても幅広いといえます。

今回、そのひしおを、一陽窯のフードコンテナ大を使って仕込んでみました。多孔質である備前焼は乳酸菌や酵母の住みかになりやすく、温度変化が緩やかなことから、発酵を進めるのに適した素材です。

[材料]
ひしお麹 165g
醤油 180ml
水 90ml
昆布 5cm角程度

[作り方]
1. 保存容器をアルコールなどで消毒する。
2. 容器に材料を入れてよく混ぜる。
3. 仕込んでから約2週間、1日1回毎日混ぜて常温で発酵させる。
4. 麹の粒が柔らかくなれば完成。ある程度発酵が進んだら冷蔵庫で保存する。

20~35度が発酵に適した温度ということで、冬季間の今は寒い台所ではなく、暖房の効いた室内で発酵させてみました。1日目は水分が目立っていた状態が、2日目になると麹が調味料を吸って水分量はぐっと減ったように見えます。底からしっかりかき混ぜることで調味料が麹全体に行き渡り、発酵も均一になります。混ぜやすいように保存容器は大きめのものを選ぶか、容器に対してひしおの量が多すぎないようにされることをおすすめします。3日目からはしだいに醤油の香りの角が取れて丸くなり、日が経つごとに香りの中に甘さが感じられるようになりました。2週間後の完成がとても楽しみです。

一陽窯 フードコンテナ 大
https://www.shokunin.com/jp/ichiyou/container.html

参考資料
http://www.meitoumiso.com/recipe_hishio.html (レシピ)
http://www.eonet.ne.jp/~shoyu/mametisiki/edo-reference05.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%86%A4
https://www.pref.nara.jp/43798.htm
http://manyou.plabot.michikusa.jp/manyousyu16_3829.html
https://miso-sommelier.com/category20/category28/note72.html