2023年01月

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【もう一つの刷毛目】

小石原焼の刷毛目。規則的で乱れなくも、決して機械的ではないその紋様は、まさに職人技の賜物です。いくらでも眺めていられます。小石原焼の刷毛目は、器をろくろで回転させながら刷毛を当てるという伝統的な技法によって描かれますが、一般に陶器の装飾方法として、主に白色の化粧土を刷毛で塗りつける技法を広く指して刷毛目といいます。これに加えて、刷毛目には考古学の用語としてのもう一つの説明があります。今回はそれを「もう一つの刷毛目」と題してご紹介しようと思います。

考古学でいうところの刷毛目は、土器などの器面上に見られる、密接した多数の細い平行線のことをいい、これは器面を工具で撫でて平滑に整える調整の痕跡が残ったものと考えられています。刷毛目が見られる代表的なものとしては、弥生土器や土師器、古墳に並べられた埴輪などが挙げられますが、北海道との関わりにおいては擦文(さつもん)土器の存在も見逃せません。現在の本州が飛鳥・奈良・平安と呼ばれる時代であった頃、北海道では本州とは異なる文化が展開していました。その文化は、この時盛んに作られていた土器の特徴から擦文文化と呼ばれています。この「擦文」というのは、擦の字が示すように、土器の表面を工具で擦ることで付いた痕、つまりは刷毛目のことを指しています。

刷毛目の面白さはその工具にあると思います。刷毛目というからには工具は刷毛ではないのかと思うわけですが、実はそうではありません。刷毛目の工具についてはさまざまな見解が発表されましたが、横山浩一という研究者によって手のひらサイズの木端のようなものであったことが明らかにされました。しかしどうして木端で粘土を撫でた痕が刷毛目状になるのでしょう?

そのメカニズムの鍵は木の年輪の性質にありました。年輪を見ると、色の薄い部分と濃い部分があることが分かります。バームクーヘンを想像すると分かりやすいですね。色の薄い部分は早材や春材と呼ばれる春から夏にかけて成長する部分、色の濃い部分は晩材や夏材と呼ばれる夏から夏の終わりにかけて成長する部分です。そして早材は比較的柔らかく、晩材は比較的硬いという特徴を持ちます。

刷毛目調整に使われた木端は、主に針葉樹の板を年輪の方向と直交する方向に切断したものと考えられています。そのような木端で粘土を撫でると、早材と晩材の硬さの差による摩耗速度の違いから、木端の先端部に凹凸が生じ、調整された器面上にはその凹凸に対応した形で線が生じるのだそうです。もう一つの刷毛目は、「木の年輪という自然の賜物」というわけですね。

当時を生きた作り手たちの実際の技を目にすることはどうにもかないませんが、現在まで残された痕跡からその一部を垣間見ることができるのはとても面白いです。そして今を生きる職人さんたちは、自らの技をさまざまな形で発信してくださり、私たちが同時期にそれを目にすることができるというのは、とても贅沢で幸せなことだなとしみじみと感じます。

小石原焼 豆皿・豆鉢
https://www.shokunin.com/jp/koishiwara/mame.html
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html

参考資料
https://www.crossroadfukuoka.jp/traditionalcrafts/jpcraft/crafts/koishiwarayaki/
https://kotobank.jp/word/%E5%88%B7%E6%AF%9B%E7%9B%AE-600681

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conteのおてがる薬味トングと須浪亨商店のいかご・びんかごが小樽ショールームに並びました。

小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html
conte おてがる薬味トング
https://www.shokunin.com/jp/conte/tongs.html
須浪亨商店 いかご
https://www.shokunin.com/jp/sunami/ikago.html
須浪亨商店 びんかご
https://www.shokunin.com/jp/sunami/binkago.html

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今日も大寺幸八郎商店のミニ干支シリーズがお客様を出迎えてくれます。

※小樽ショールームに無事荷物が届きました。

大寺幸八郎商店 ミニ干支シリーズ
https://www.shokunin.com/jp/otera/eto.html
ショールームのご案内
https://www.shokunin.com/jp/showroom/