


【おにぎりとおむすび】
お米の国、ニッポン。ソウルフードでファストフードな「おにぎり」。なぜ三角形なのか、そしてなぜ「おむすび」とも呼ばれているのでしょうか?
おにぎりは山の形を真似ているという説があります。「山には神様が住んでいる」、「神様が空から地上へ来られるときに、まず山の山頂に降りる」と昔の人たちは考え、「山は神様」になり、「山の形は神様の形」となりました。
おむすびの「むすぶ(結ぶ)」の言葉のルーツは、日本神話の「産霊(むすひ・むすび)」から来ています。天地と万物を生み出す神霊のことで、結びつくことにより、神霊の力が生み出されます。「結ぶ」には「つなぐ」や「強い関係を作る」といった意味があり、ご縁や心をつなぐ意味でも使われます。ご祝儀などで使用される水引も、結ぶことによって人と人を結びつける意味が込められています。
おにぎりが三角形に握られるのは、神様とつながるためだそうです。神様のパワーを身につけ、今日も一日を安全に過ごしたいという願いのもとで、おむすびを持つようになり、畑仕事での食事や行楽弁当、また、旅の携帯食でもありました。
平安時代からあるおにぎりが海苔で巻かれるようになったのは江戸時代中期。それまでは塩むすびに近かったようです。昭和53年にセブン-イレブンがパリパリ海苔の手巻きタイプのおにぎりを商品化し、以降おにぎりがコンビニエンスストアの主力商品になってからは、三角形が全国的に定番化しました。
現代は「肉巻きおにぎり」や「おにぎらず」など、新しいアイデアのおにぎりが出ていますね。おにぎりの形の理由を知れば、作るのも食べるのも、もっと楽しくなるかもしれません。
小笠原陸兆 おにぎり焼き器
https://www.shokunin.com/jp/rikucho/onigiri.html
ヤマサキデザインワークス サンドウィッチガイド
https://www.shokunin.com/jp/yamasaki/sandwich.html
参考資料
『日本の「なぜ?」に答えるお話100』 PHP研究所
https://www.onigiri.or.jp/history
https://www.gohansaisai.com/know/entry/detail.html?i=189
https://kotobank.jp/word/産霊-641713