2023年01月

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【秋田のだまこ鍋】

スーパーの棚に並ぶ旬のセリ。春の七草にも数えられる青々としたセリを見ていたら、ふと大学時代に秋田出身の友人が作ってくれた郷土料理の「だまこ鍋」を思い出しました。

「秋田といえば、やっぱりきりたんぽ鍋?」と言う私に、「家では“だまこ鍋”かな」と、材料を揃え、手際よく料理してくれたのがまるで昨日のことのように懐かしいです。比内地鶏を使った濃厚なスープから立ち上る香りが部屋いっぱいに広がって、鶏の出汁と野菜の旨味をたっぷり吸っただまこもちがお腹を温めてくれ、冬のありふれた夜が、鍋一つで特別な夜になったかのようでした。

子供が遊ぶ「お手玉」を、秋田では「だまこ」と言います。だまこもちは、炊きたてのご飯をすり鉢に入れ、擂粉木で5割ほどつぶした「はんごろし」にし、手のひらで団子状にだまけた(丸めた)もの。「お手玉に似たご飯の団子」、または「あんまりおいしくて、何も言わずだまって食べるからだまっこ」という説もあるそうです。だまこもちが入っただまこ鍋は、江戸後期にお殿様の接待料理として作られたきりたんぽよりも古い起源を持つといわれています。秋田の沿岸北部では、収穫したばかりの新米を炊いてだまこもちを作り、食べる習慣があります。

ご飯が炊き上がるまでに、野菜を切ったりスープの下ごしらえをし、すり鉢をスタンバイ。はんごろしにしたご飯は、手に塩水を付けながら丸めると煮崩れしにくくなります。具材やスープ、基本の味付けはきりたんぽ鍋と同じで、鶏がらベースの出汁を醤油などで味付け、鶏もも肉、セリ、白ねぎ、ゴボウ、マイタケ、だまこもちを入れて煮込んでいきます。肉、葉物、根菜、きのこを一度に摂れ栄養満点なことと、しめのご飯の準備のために、台所まで行かなくても良いのもありがたいです。

冬の日に囲む鍋が温めてくれるもの、それは何でしょうか?部屋の空気を、器を持つ手の先を、体の芯からそして心まで。今年は京都でもまれに見る積雪があり、坪庭の灯籠や鉢は真っ白な雪に埋もれ、軒先には細い氷柱が伸びていました。そんな中、小さい雪玉のようなだまこもちを丸めていると、鍋が食べたくなる今の季節がきっと一番寒く、その先にはまた暖かい春が来るのだと、心に希望が灯るような明るい気持ちになるのです。

[材料] 2~3人分
(鍋の具材)
ご飯 1合
鶏もも肉 1枚
セリ 1袋
白ねぎ 1本
ゴボウ 1本
マイタケ 1袋
(A)
鶏がらスープ 800ml(または、同量の水と鶏がらスープの素大さじ1程度)
醤油 大さじ2と1/2
酒 大さじ2
みりん 大さじ1
塩 少々
味噌(お好みで) 少々

[作り方]
1. 温かいご飯をすり鉢に入れ、擂粉木で粘りが出る程度に5割ほどつぶす。塩水を付けた手でピンポン玉くらいの団子状にしっかりと丸める。
2. ゴボウはささがきにして水にさらし、ザルに上げておく。白ねぎは斜め切り、セリは4cm程度に切り、マイタケはほぐしておく。
3. 鍋に(A)を入れ、食べやすく切った鶏もも肉、ゴボウを加えて煮込む。だまこもち、白ねぎ、マイタケ、セリを加えて火を通す。

木屋 すき焼き鍋 7寸
https://www.shokunin.com/jp/kiya/sukiyaki.html
一陽窯 すり鉢 19cm
https://www.shokunin.com/jp/ichiyou/suribachi.html
東屋 擂粉木
https://www.shokunin.com/jp/azmaya/surikogi.html
conte まかない丸バット 180
https://www.shokunin.com/jp/conte/bowl.html

参考資料
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/29_4_akita.html
https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/atsushi-hakuo/1602091
https://www.akita-yulala.jp/selection/5000011061

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当店に新しく加わったSyuRoのグラス。小はお茶や冷酒、一口ビールに最適です。大はビールにおすすめいたします。今週から若松ショールームに展示しておりますので、大きさや薄さなどをお確かめいただけます。

SyuRo グラス
https://www.shokunin.com/jp/syuro/glass.html
若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html

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【ご飯のおとも】

日本語には「ご飯のおとも」という言葉があり、それは「白米と一緒に食べると、何杯でもご飯が食べられる一品」のことを指します。「白ご飯のお友達」といった感じでしょうか。おかずの中でも少しだけ味が濃く、少量であるものがほとんどで、梅干しや納豆、醤油と砂糖で甘辛く煮た佃煮などはその代表と言えます。

ご飯のおともは簡単に作れるものが大半で、ご飯にかけるだけでなく、お弁当にも使える一品もあります。たとえば、とりそぼろと炒り玉子で、簡単な和風のお弁当を作ってみてはいかがでしょうか?お弁当箱は外に持ち出さなくても、家の中で器として使い、楽しむこともできます。

栗久の曲げわっぱのお弁当箱は、ご飯の粗熱と余分な湿気を取り除いてくれて、秋田杉の香りがするおいしいご飯をお召し上がりいただけます。「冷めてもおいしい」を実現できるのは、曲げわっぱのお弁当箱だからこそ。プラスチック容器や金属容器にはない吸湿性と断熱性が、食べ物が傷むのを防ぎ、おいしく保ってくれます。内側も外側の全面無塗装のこちらのお弁当箱は、当店から栗久に特別に製作をお願いしています。

栗久は、1874年創業の大館曲げわっぱを代表する老舗。日本を代表するデザイン賞である、経済産業省のグッドデザイン賞を17回も受賞されています。149年の歴史に培われた職人の技を、ぜひお手元で感じてみてください。

材料:
(とりそぼろ)
とりひき肉 100g
醤油・砂糖・みりん・酒 各大さじ1
油 大さじ1/2

(炒り玉子)
玉子 2個
砂糖 大さじ1
塩 小さじ1/3

スナップえんどう 適量

作り方:
1.(とりそぼろ)鍋にとりひき肉・醤油・砂糖・みりん・酒・植物油を入れて火に掛ける。菜箸4本を使ってほぐしながら炒り、煮汁が少し残るくらいまで煮詰める。

2.(炒り玉子)鍋に玉子を割り、砂糖、塩を混ぜて火にかけ、菜箸4本で手早くかき混ぜる。玉子の底が固まり始めたら、鍋を濡れ布巾の上にのせ、鍋底を冷やしながらかき混ぜ、再び火にかける。水分がなくなりそぼろ状になったら出来上がり。茹でたスナップエンドウと一緒に1と2を盛り付ける。

栗久 曲げわっぱのお弁当箱(無塗装)
https://www.shokunin.com/jp/kurikyu/mutosou.html

参考資料
https://dic.nicovideo.jp/a/%E5%BE%A1%E9%A3%AF%E3%81%AE%E5%8F%8B
https://www.osarai-kitchen.com/%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E6%9C%9D%E6%97%A5/%E3%81%8A%E3%81%8B%E3%81%9A%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0/%E9%B6%8F%E3%81%9D%E3%81%BC%E3%82%8D%EF%BC%86%E7%82%92%E3%82%8A%E5%8D%B5/ (レシピ)