2022年03月

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お正月に欠かせないお雑煮は、地域によってがらりと具材や味が変わる食べ物です。全国のさまざまなお雑煮の中でも珍しいのが、香川県の平野部で食べられるあん餅入りのお雑煮。

いりこと白味噌の味噌汁に、甘いあんこ入りの丸餅、大根や金時人参などを入れて作ります。意外な組み合わせですが、出汁のきいた汁とやわらかくとろけたあん餅の甘じょっぱさが癖になる味わいです。

江戸時代、香川県では砂糖、塩、木綿の栽培が盛んでしたが、なかでも砂糖は高級品で農民たちはめったに食べることのできないものでした。それでもお正月ぐらいは贅沢がしたいと、役人たちの目に触れないようあんこを餅の中に包んでお雑煮を作ったのが始まりとされています。

お馴染みの料理も場所が変わるとさまざまな違いがあり、その背景には地域の歴史が詰まっているのです。

安比塗漆器工房 汁椀・そば椀
https://www.shokunin.com/jp/appi/wan.html
薗部産業 めいぼく椀
https://www.shokunin.com/jp/sonobe/wan.html

参考資料
https://sanukinomoto.net/user_data/story04.php

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【会津塗と白木屋漆器店】

白木屋漆器店は、300年以上前に福島県会津地方にて創業しました。維新の混乱と明治の大火で明治以前の資料の多くを失ってしまい、詳しいことは分からなくなりましたが、創業当初に扱っていた綿から、綿の木を意味する「棉」という漢字を分解して「白木」と洒落たことが店名の由来だそうです。

1720年代から漆器業を手掛け、江戸、京都、大阪まで出荷し、明治の頃には海外へも目を向け、アメリカ、フランス、ベルギーの博覧会では数々の賞を受賞しています。

会津では、市内の遺跡や古墳から、2500年前の漆の装飾品や生活用品、武具などが発掘されています。このことから分かるように、会津塗は古くから発展していたようです。1590年に豊臣秀吉に会津移転を命じられた蒲生氏郷公が、漆器の職人たちを会津に招いて本格的に漆産業が始まりました。漆の木の栽培や蒔絵の導入と、徐々に発展させ、江戸時代にはオランダや中国などへ輸出されるようになり、江戸時代後期には会津オリジナルの蒔絵が完成するまでに至りました。

白木屋漆器店の手塩皿は、もともとはおめでたい席で使われるお椀で、最後の上塗りのあと、研がずに仕上げる「花塗り」という技法で仕上げられ、やわらかなツヤと、温かみのある風合いが眼福を与えてくれます。色は、古くから神社の鳥居などに使われている洗朱(あらいしゅ)という黄色味を帯びた朱色の漆。一般的な味噌汁椀ほどの深さはありませんが、直径約12cmと十分な大きさなので、和え物や副菜、お菓子やデザートなど、さまざまな用途に使うことができます。

白木屋漆器店 手塩皿
https://www.shokunin.com/jp/shirokiya/teshio.html

参考資料
https://www.shirokiyashikkiten.com/index.html
http://tematrip.com/reading/56
http://www.chuokai-fukushima.or.jp/aizushikkikumiai/urushinochikara/jpn_aizushikkikumiai/index.html

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国内外から多数ご注文を承っている長谷園の燻製土鍋・いぶしぎん。銀座ショールームにて展示開始いたしました。ぜひ現地でご覧くださいませ。

長谷園 燻製土鍋 いぶしぎん
https://www.shokunin.com/jp/nagatanien/ibushigin.html
銀座ショールーム(金土日月の12-18時に営業)
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html