2021年12月

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【北陸の郷土料理、かぶら寿司】

かぶら寿司は、塩漬けしたかぶら(かぶ)に、同じく塩漬けしたブリやサバの切り身を挟んで発酵させた漬物で、石川県や富山県で食べられている郷土料理です。魚を塩とご飯で漬け込んで乳酸発酵させる「なれずし」の一種である「いずし」に分類され、魚、野菜、ご飯に麹を加えて発酵させるのが特徴です。かぶらの間に挟む魚は石川県ではブリが、富山県ではブリと並んでサバもよく使われるそうです。正月料理の定番で、11月~12月にかけて各地で漬け込みが行われます。

かぶら寿司は江戸時代初期にはすでに金沢で作られていたという記録があります。その発祥には諸説あり、金沢市金石の漁師が大漁祈願と漁の安全を願って作った正月の儀式食が始まりとした説や、加賀藩主である前田氏が深谷温泉の湯治で食べたものが広まったという説がありますが、詳細な起源は定かではありません。

また、江戸時代、とれたてのブリは大変な高級食材で、「ブリ一本、米一俵」とも言われていました。ブリは城下に出回る前に必ず藩主へ献上されるのが習わしだったため、質素倹約を強いられていた庶民が口にする機会は滅多にありませんでした。そのブリを何とかして食べたいと、かぶらの間に隠して食べたことが始まりとも伝えられています。冬は漁に出ることができない日が多く、豪雪で作物を育てることが困難なことから、貴重なタンパク源であるブリを地元でとれるかぶらと組み合わせ、長期保存が可能な発酵食品を作り出すことは、その土地の風土から生み出された暮らしの知恵であると言えます。

12月の前半、近所のスーパーで手に入れたかぶらと塩サバを使い、初めてかぶら寿司を漬けてみました。下漬けしたかぶらに酢でしめた塩サバを挟み、ご飯と麹を発酵させて作った固めの甘酒と、千切りにした人参と柚子皮を順番に重ね、10日ほど漬け込みました。乳酸発酵が生み出すほのかな酸味や甘み、サバの旨味が見事に調和したかぶら寿司はとても美味しく、酒の肴としても箸が進みます。熟成とともに味わいが少しずつ変化するのもまた、発酵食品の魅力です。真っ白なかぶらに、人参と柚子皮の色彩が美しいかぶら寿司。富山県は高岡の大寺幸八郎商店のかなまりは、北陸を代表する正月料理をいっそう美味しそうに見せてくれます。

大寺幸八郎商店 かなまり 中
https://www.shokunin.com/jp/otera/kanamari.html
野田琺瑯 レクタングル深型シール蓋付 LL
https://www.shokunin.com/jp/noda/
柳宗理 ステンレスボール 23cm
https://www.shokunin.com/jp/yanagisori/bowl.html
安比塗漆器工房 6寸平鉢
https://www.shokunin.com/jp/appi/bowl.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8B%E3%81%B6%E3%82%89%E5%AF%BF%E5%8F%B8
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kaburazushi_ishikawa.html
http://kyoudo-ryouri.com/food/2515.html
https://kyoudo.kankoujp.com/?p=180

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【酔い覚ましの特効薬、韓国のスープ「プゴク」】

冬になると最高気温が0℃以下になることも珍しくない韓国。身体を温める食事として、日本ではスンドゥブチゲやサムゲタンなどのスープ料理が有名ですね。

韓国の家庭料理や一般食堂の定番メニューに、「プゴク」という干しスケトウダラのスープがあり、酔い覚ましの定番です。スープに使われる干しスケトウダラ(韓国語でプゴ)は肝臓の機能を高め、アルコール代謝を促進する働きをするアミノ酸が豊富なため、二日酔いの特効薬なのだそうです。スケトウダラは、干すことによって生の状態の2倍のたんぱく質を含みます。消化にも良く、豊富なビタミンやカルシウム、脂肪、鉄分も含まれており、低カロリーなので美容や健康にも良いそうです。

銀座ショールームから程近い銀座3丁目にある「たらちゃん」は、そのプゴクにこだわり、1品のみをセットメニューで提供しています。寒い日や二日酔いの酔い覚ましに、行ってみてはいかがでしょうか?

たらちゃん(土日祝定休)
https://www.instagram.com/tarapugok/
銀座ショールーム(金土日月の12-18時に営業)
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://www.konest.com/contents/korean_life_detail.html?id=466

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【寒い夜にぬくもりを】

「頭寒足熱」。足が冷えやすいのは心臓から一番遠くに位置するからで、古来からの東洋医学の健康法では、頭は涼しい状態にし、冷えやすい足を温めると血液の巡りが良くなり、良質な睡眠を取れるとされています。

皆様は湯たんぽをお使いでしょうか?湯たんぽは室町時代に中国から伝わりました。中国語では「湯婆」と称され、妻の代わりに抱いて暖を取ることを意味していました。日本では徳川綱吉が犬型の湯たんぽを使用していたといわれています。

江戸時代の湯たんぽは銅を使用したものが多く、素材が高価だったことと、暖を取るために湯を手軽に準備することができなかった庶民には普及しませんでした。陶磁器製の湯たんぽが普及したのは明治に入ってからで大正時代に波型のトタン製湯たんぽが普及しますが、戦時中は金属が貴重になったため、陶器製が使われるようになりました。

現在は金属、プラスチック、ゴムといろいろな素材の湯たんぽがあります。陶磁器製は熱伝導率の低さが特徴で、保温性が高く乾燥せずほんのりした温かさが長時間続きます。使い終わったお湯は洗顔や食器洗い、植物の水やりなどに再利用しても良いですね。寒い夜には湯たんぽのぬくもりを感じながら、快適な眠りの時間をお過ごしください。

セラミック・ジャパン yutanpÖ
https://www.shokunin.com/jp/ceramicjapan/yutanpo.html

参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/湯たんぽ
https://www.bioweather.net/column/kotowaza/gw16.htm