2021年12月

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【路地と辻子】

京都は、碁盤の目状に張り巡らせた条坊制の街が特徴です。大路・小路と呼ばれる通りが東西南北に走り、その通りに沿って店や家が建てられましたが、通りに囲まれた区画の中心部分は空き地になってしまいます。そこで作り出されたのがこの空間に入るための道、すなわち「路地」でした。京都では「ろーじ」と発音し、この小さな道沿いにも建物が並び、より多くの人々が住むようになっていきました。

路地の多くは袋小路で、表の通りから路地への入り口は、門が設けられたり住民の表札が掲げられたりします。京都における路地は、単に道幅の狭い道路を指すのではなく、生活空間であり、きわめて内部的な存在なのです。道幅は人のすれ違いができないようなものから、自動車が行き違えるようなものまでさまざまです。

また、路地の突き当たりを貫通させ、通路として開放させたものを「辻子(づし・図子とも書く)」と呼びます。路地とは違い、一般の通り抜けが認められています。特に、上京区の一条通より北に集中し、京都市にある約100の辻子のうち、半数が上京区にあるとされています。

その理由は、この地域がもともと平安京の範囲外だったことに関係します。平安時代、北端の道路は一条通で、それより北は未開発地域でした。しかし中世になって都市化が進み、烏丸通や室町通、堀川通などの南北の道路が北へ延びると、それらの道路に沿って家が建ち並び、それぞれの町に人が往来するようになりました。この南北の道路を連絡するために作られた東西の道が辻子なのです。

人々の生活に根ざして形作られていった辻子は、京都で暮らした職人や文化人たちの面影を残すものが数多く存在します。

大宮通五辻入るにある「紋屋辻子」はかつては袋小路でしたが、紋屋という宮中に織物を納める蔵元が大宮通まで道を開きました。この図子の中ほどには「三上家路地」が接しており、一番奥には唯一残る織元「三上家」が構えます。路地両側の築140年の長屋には西陣織の職人を住まわせていた歴史があります。

堀川通今出川上るには「山名辻子」があり、応仁の乱で西軍の総大将だった山名宗全の邸宅があったことが由来です。西軍がこの地に陣を置いたことから、一帯が「西陣」と呼ばれるようになりました。

ほかにも、元誓願寺通小川東入るには狩野元信が住んだという「狩野辻子」、油小路今出川上るには本阿弥光悦の生家があったという「本阿弥辻子」など、何気ない小道にも逸話が隠れています。

今出川ショールームはまさに辻子の集中する地域にあります。お越しの際は、周辺の散策も併せてお楽しみください。

今出川ショールーム(火水木の14-17時に営業)
https://www.shokunin.com/jp/showroom/imadegawa.html

参考資料
https://www.city.kyoto.lg.jp/kamigyo/page/0000012338.html
https://www.okeihan.net/navi/kyoto_tsu/tsu200906.php
https://ja.wikipedia.org/wiki/京都市内の通り#図子(辻子)と路地
https://www.kyotoliving.co.jp/article/121103/front/index.html

黒チャーハン

【中国の濃口醤油で作る黒チャーハン】

最近、近所にできた輸入食材店で、気になっていた中国の醤油を買ってみました。中国の醤油は大きく2種類に分けられ、色が薄く、味付けを目的に使われる「生抽(サンチャウ)」と、色が濃く、主に煮込み料理などでツヤやコクを出すために使われる「老抽(ラオチャウ)」があります。今回購入したのは老抽のほうで、日本のたまり醤油に似て少しとろみのある濃口の醤油です。

この老抽を使って、黒い色味が印象的な「黒チャーハン」を作ってみました。鉄鍋にたっぷりのラードを熱し、濡れ布巾の上で鍋を冷まして油を馴染ませたら、玉子、ご飯の順に加え、全体をほぐすように混ぜます。細かく刻んだ焼き豚を加え、鶏がらスープの素少々と大さじ1の老抽を回しかけ、仕上げに青ねぎを加えてさっと混ぜたら完成です。老抽を使ったチャーハンはしっとりとまろやかで、ほんのりと香ばしい香りにスプーンが止まりませんでした。

HASAMIのプレートに盛り付けると、プレートと黒チャーハン、それぞれの色が引き立って美しく、食欲をそそります。お洒落な洋食器のように見えるHASAMIのプレートは、60年代のアメリカのレストランで使われていた大衆食器をテーマにして作られています。和洋中の献立を選ばずお使いいただけますので、ぜひお気に入りの色を探してみてください。

HASAMI プレート
https://www.shokunin.com/jp/hasami/plate.html
安比塗漆器工房 手塗スプーン
https://www.shokunin.com/jp/appi/spoon.html
山田工業所 打出し片手鍋
https://www.shokunin.com/jp/yamada/
conte やくさじ
https://www.shokunin.com/jp/conte/yakusaji.html

参考資料
https://www.facebook.com/leekumkeejapan/posts/1617146721674350/

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【大丸ヴィラとモダン建築の京都】

京都市営地下鉄烏丸線丸太町駅の北西出口からすぐ、煉瓦造りの塀の奥にひときわ目を引く美しい中世英国風の洋館があります。京都市指定・登録文化財でもある「大丸ヴィラ」は、1932年に大丸百貨店の第12代当主である下村正太郎氏の居宅として、ヴォーリズ建築設計事務所の設計と清水組の施工により建てられました。

鉄筋コンクリート造りでありながら、2つの屋根が合わさった面には太い木材をむき出しにして、その間を煉瓦や漆喰で埋めた特徴のある建築様式によって、印象的な外観を見せています。このハーフティンバー(半木造)の邸宅は、英国リバティ百貨店のテューダー様式の外観に影響を受けて採用されたといわれています。

残念ながら一般公開はされていませんが、通りに面した門や家の壁に施された意匠を眺めているだけで、その圧倒的な造形美の一端に触れているような気分になります。

現在、京都市京セラ美術館では、建築を通して京都を知る大規模建築展「モダン建築の京都」が開催されています。歴史的にも貴重な図面や模型から、写真や映像、家具まで多数の資料を見ることができます。古建築、洋風建築、近代和風建築、モダニズム建築と近現代建築が数多く現存する京都。これからも歴史的価値ある建物が保存活用され、技術や文化、美意識が継承されていく未来を実現する都市であってほしいと思わずにはいられません。

大丸ヴィラ
https://goo.gl/maps/29pUoSKYbd9GbcrY6
京都市京セラ美術館 モダン建築の京都 2021年9月25日(土)~12月26日(日)
https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20210925-1226

参考資料
https://www.city.kyoto.lg.jp/kamigyo/page/0000012567.html
http://www.kawamura-river.com/event_poster/2021/chudouken.pdf