箸置きの起源は、伊勢神宮で神饌を供える際に、箸がけがれないよう御箸台に載せたことだといわれています。この御箸台は、器の両端が持ち上げられ、耳の形に似ていることから耳土器(みみかわらけ)とも呼ばれています。
また、その後平安時代に入ると、「馬頭盤」と呼ばれる箸置き台が、天皇の正式な食膳や宮中の儀式で使われるようになりました。このように古代の日本で箸置きは長らく、祭事や宮中で使用される特別なものに留まっていました。
現在のような箸置きが一般に普及したのは、明治時代以降のこと。家族で一つの机を囲んで食事をするようになり、衛生面への配慮から普及したといわれています。現在ではお客様へのおもてなしや、食卓に花を添える存在としてさまざまなデザインのものが作られています。
当店でも個性豊かな箸置きを取り扱っております。美味しそうな形をした吉向窯のそら豆の箸置きは、石炭層を含む独自配合の土で成型し、1000度で素焼きした後、刷毛で釉薬と色土を手塗りします。一点一点形や風合いが異なり、実に味わい深い箸置きです。
長文堂のくじらの箸置きは、鉄瓶の製造過程で発生する余り湯(鉄)を有効活用して作られています。くじらの広い背中ときゅっと上がった尾っぽが箸をしっかりと受け止めてくれます。
東屋の印判箸置は、終止符や句読点、飾り罫線など、印刷で使われる記号がモチーフになっています。それぞれに「縁結び」「雪道」「ありがとう」といったタイトルが付けられており、その日の気分に合った図柄を選ぶ楽しみもあります。干支箸置きは年に一度だけ生産される限定品。今年の干支である丑が赤いドットで表現されています。
他にも、無垢の真鍮でできたFUTAGAMIの箸置きや、本錫で作られ、好きな形に変形することができる能作の箸置きなど、特別感のある素材はプレゼントにも喜ばれます。
小さいながらもさまざまな魅力が詰まっている箸置きで、毎日の食卓を彩ってみてはいかがでしょうか。
吉向窯 そら豆の箸置き
https://www.shokunin.com/jp/kikkou/soramame.html
長文堂 くじらの箸置き
https://www.shokunin.com/jp/chobundo/kujira.html
東屋 印判箸置
https://www.shokunin.com/jp/azmaya/inbanhashi.html
FUTAGAMI 箸置き
https://www.shokunin.com/jp/futagami/hashioki.html
能作 本錫の箸置
https://www.shokunin.com/jp/nousaku/hashioki.html
参考資料
https://azmaya.co.jp/item/youto/syokki/hasioki
https://www.wajimahashi.com/blog/4166
https://intojapanwaraku.com/culture/84758/
https://www.excite.co.jp/news/article/Japaaan_100912/