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【セイロと浅鉢とふかし布】

栗久の曲げわっぱのセイロには、青龍窯の浅鉢を入れて調理することができます。セイロと浅鉢の組み合わせは、スープや茶碗蒸し、プリンなどにも応用が利くので、一度チャレンジしてみればセイロを使った料理の幅も広がるかも!と思い、豚肉で野菜を巻いた「野菜の豚肉巻き蒸し」を作ってみました。

お好みの野菜を食べやすいサイズに切り、豚肉で巻いたものを、10分蒸したら出来上がり。浅鉢の底には春雨を入れ、野菜と豚肉から出たうまみを、しっかりと吸い込んでもらいます。タレはポン酢や和風ドレッシング、塩麹もおすすめです。

さて、浅鉢をセイロから取り出す際に、深さのあるセイロに指を差し入れて、熱々の浅鉢の縁を掴んで持ち上げるのはちょっと大変ですよね。そこで活躍してくれるのが木屋のふかし布。セイロの底にふかし布を敷き、具材を入れた浅鉢を置いて蒸したあと、ふかし布の四隅を持ち上げれば、簡単に浅鉢を取り出すことができます。ぜひお試しください。

栗久 曲げわっぱのセイロ
https://www.shokunin.com/jp/kurikyu/seiro.html
木屋 ふかし布 小
https://www.shokunin.com/jp/kiya/fukashi.html
青龍窯 浅鉢
https://www.shokunin.com/jp/seiryu/asabachi.html

参考レシピ
https://dancyu.jp/recipe/2021_00005056.html

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【赤玉はよい玉子?】

玉子は、タンパク質、カルシウムなどのミネラル、ビタミン類がバランスよく含まれていて、栄養価の高い食品です。火の通りが早いことや調理の応用が利く、保存性が高い、価格が安定しているといった点でも優れていて、日々のおかずに取り入れやすい食材のひとつです。日本の市場には赤玉と白玉が並びますが、私はこれまで赤玉に栄養がたくさん含まれるという話を信じて、より多くの栄養を摂ることができるなら、と赤玉を選び続けてまいりました。が、どうやらそれは間違いだったようです!とっくにご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、“赤い玉子のほうがよい玉子”という噂は事実ではありませんでした。

赤玉と白玉。両者は見た目の違いだけで、味や栄養素はどちらも同じだそうです。では色の違いはなぜでしょう?おもな理由としてまず、ニワトリの種類が異なるから。大きく分けると、全身白い羽で覆われているニワトリは白玉を、茶色い羽で覆われているニワトリは赤玉を産むのが一般的で、茶色い羽のニワトリが持つプロトポルフィリンという色素によって赤っぽい玉子になるそうです。次に生活環境が異なるから。明るい場所に滞在する時間が長い場合に白っぽい玉子、反対に暗い場所が長いと赤っぽい玉子を産みやすくなります。それぞれの環境で玉子が目立ちにくくなり、外敵から守るために変えているのですね。最後は年齢の違い。赤い玉子を産むニワトリの場合、年齢を重ねるほど薄い色の玉子を産むそうです。

このように違いは見た目だけということは分かりましたが、値段は異なります。白玉よりも赤玉が高いことが多いですね。なぜ値段には違いがあるのか。それは、単に赤い玉子を産むニワトリのほうが白い玉子を産むニワトリよりも体が大きくエサ代がかかる、ことがおもな理由なんだそうです。これを知ると大変分かりやすい価格差ですが、先述のとおり思い込みがありましたので目から鱗の事実でした。“値段が高い=よい玉子”と考えてしまうことで、赤玉のほうが栄養がある、にまで変換してしまっていたようです。

わざわざエサ代が多くかかるニワトリを飼育されている訳も気になります。同じ栄養素であれば白いニワトリのほうがエサ代はかからず、高値で売る必要もなくなるのではと考えますが、エサ代を高くしてでも赤い玉子を高値で販売したほうが利益が出やすくなるのだそうです。それは“赤い玉子のほうがよい”という世間のイメージから、実際に売れやすいのだとか。生産者としてリターンを期待できるほうを選択することは当然でもありますので、消費者側は考えて行動していくことが必要なのだ、と改めて考えさせられた日常のひとコマでした。

我が家では、ゆで玉子もよく作ります。アツアツのゆで玉子を水にとりたいとき、作業台に出ていたトングを咄嗟に使いましたら、玉子にフィットしてとてもいい塩梅でした。ちょっとした作業に出番の多い、おてがる薬味トング150です。ただ今銀座ショールームではconteのトングをオールスター取り揃え、ご覧いただくことができます。ぜひお手にとって、マイサイズを見つけてくださいませ。

conte おてがるトング
https://www.shokunin.com/jp/conte/tongs.html
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://weathernews.jp/s/topics/202104/220255/
https://www.kurashiru.com/articles/a18a5f36-7280-469b-83bd-db7c07e50d3a
https://www.3030.co.jp/trivia/no39/#:~:text=%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%A7%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E3%81%95%E3%82%8C,%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%A1%E3%82%89%E3%82%82%E5%90%8C%E3%81%98%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

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【北大路魯山人】

美食家であり陶芸家である、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。国民的食漫画『美味しんぼ』に登場する「海原雄山」のモデルとなったことでも知られています。

北大路魯山人こと北大路房次郎は、1883年(明治16年)に京都の上賀茂神社の社家に生まれました。しかし、母の不貞によって生まれた子であったため、生活は困窮し、行き場もなく他家を転々とする幼少期を送ります。料理に関心を持ち始めたのも、最終的に引き取られた家で6歳から炊事をしていたためだといわれています。その後、芸術に造詣を深めながら成長した房次郎は、「魯(愚かな)山人」と名乗り、1921年に「美食倶楽部」、1925年に「星岡茶寮」という会員制の料亭を開き、自ら料理の腕を振るいました。そして、各界の名士たちを相手に、その独創的な料理を盛り付けるための器作りにまで取り組むようになりました。

非常に勉強熱心であった魯山人。書、篆刻(てんこく)、陶芸、美食と幅広いジャンルに精通し、そのどれもで腕を上げ、世に名を馳せていきました。四季を尊び、先人から学びながらも、遊び心を忘れない。そんな美に対する姿勢を持つ魯山人は、日本料理の基礎を築いたことでも広く知られています。多くの自著では尊敬する人物を褒めたたえる一方、考えが合わない芸術家や食通から、世界的画家のピカソまでも容赦なく批評し、その人柄は傲慢、不遜、非常識と表現されます。6度の結婚はすべて破綻。不幸な生い立ちを跳ね除けるかのように芸術の世界に身を投じ成果を残した魯山人ですが、周囲との衝突を繰り返す破天荒な人物でした。

自身の美意識を極限まで高めるために、膨大な数のものを見て、食べ、目と腕を磨いた魯山人が生涯に作った作品の数は約20万点にのぼります。陶芸では、織部、備前、志野、信楽、瀬戸焼など幅広く挑戦し、織部焼の人間国宝に指定されるも、肩書きを嫌い、辞退。魯山人の作品は、「使う」ことで一層の輝きを放ち、「器は料理の着物だ」という言葉を残したように、器はそれ自体が主役なのではなく、実際に料理を盛ってこそのもの、という美意識を作品作りにも貫き通しました。人柄への評価とは結びつかないような謙虚な考え方、季節の移ろいや自然を愛する心、自由でおおらかな作品には、魯山人の根底にある、徹底して「美」を求めるたった一つの純粋な思いが表れているような気がします。

京都・祇園にひっそりと溶け込む「何必館・京都現代美術館」には、北大路魯山人作品室が構えられ、そのコレクションは質・量ともに日本有数といわれています。定説を「何ぞ、必ずしも」と疑う自由な精神を持ち続けたいという願いをこめて名付けられ、1981年(昭和56年)に開館した何必館(かひつかん)。にぎやかな祇園の真ん中で一歩足を踏み入れると静寂が訪れ、5階にある坪庭「光庭」は、自然光の中で、私たちに四季によって異なる表情を見せてくれます。

何必館・京都現代美術館
http://www.kahitsukan.or.jp/frame.html
ショールームのご案内
https://www.shokunin.com/jp/showroom/

参考資料
https://artsandculture.google.com/story/BQURABprjz3tIA?hl=ja
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%A4%A7%E8%B7%AF%E9%AD%AF%E5%B1%B1%E4%BA%BA
https://www.leon.jp/lifestyle/114999
https://www.leon.jp/lifestyle/115010