1

2

3

4

【価格改定のご連絡】

原材料費の高騰に伴い、いくつかの商品が2026/7/13(日本時間の7/14)に値上がりいたします。ご検討中の方はぜひお早めにご注文くださいませ。

大寺幸八郎商店 かなまり
https://www.shokunin.com/jp/otera/kanamari.html

1

2

3

【ところてん】

透き通って涼しげで、ツルツルとした喉越し。夏になると食べたくなる「ところてん」、皆さんはお好きでしょうか?ところてんとは、天草(てんぐさ)と呼ばれる海藻を煮て溶かしてから、型に入れて冷やし固めたもの。固まったら「ところてん突き」という道具を使って、あの細長い麺状にします。原料である天草は、東洋医学では胸や胃の熱を取り、口の渇きを癒やすことで夏バテを改善する効果があると考えられています。ミネラルも豊富で、汗で失った栄養分を補給することができることから、夏にところてんを食べるのは理に適っていると言えるでしょう。

さて、「ところてん」なのか、「ことろてん」なのか、それとも「とろこてん」?...ずっと見つめていると文字がこんがらがってくることはありませんか?実は、文字がバグるのも無理はなく、もともとところてんは「心太」と書かれ、奈良から平安時代には「こころふと」と呼ばれていた歴史があります。諸説ありますが、「こころふと」が「こころてい」になり、現代も使われている「ところてん」へと変化した言葉の変遷がありました。

ところてんの食べ方は、東西で大きく味付けが分かれています。江戸時代、ところてんは江戸庶民の間食として好まれ、ところてん売りがその場でところてんを突いて客に出していました。調味料は醤油が普及しており、このころから醤油や酢醤油をかけて軽食や肴として食べるのが一般的だったようです。一方、上方では、葛粉(くずこ)を使った「くずきり」を黒蜜で食べる文化が古くから根付いていました。ところてんは、この「くずきり」と見た目や食感がよく似ているため、同じように黒蜜やきな粉をかけてデザート感覚で食べるのが自然な流れとなりました。また、日本全国にはさまざまなところてんの食べ方があり、からしや生姜、かつお節、梅酢をかけるなど、地域に根ざしながら今も発展しています。

食べ方のバリエーションが豊富なところてんですが、パックからそのまま出して食べるのは少しもったいない。実は、食べる前に一度水洗いをし、水をよく切ってからタレをかけたり調理することで、あの独特の磯臭さを軽減することができます。器も冷やして盛り付けると、さらに涼しさを感じられます。本格的な夏の到来まであと少し。お気に入りの器と爽やかな薬味を味方につけて、すっきりとしたひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。

セラミック・ジャパン 白黒ボウル
https://www.shokunin.com/jp/ceramicjapan/shirokuro.html

参考資料
https://www.youtube.com/watch?v=-d-oCRI9TJ4 (レシピ)
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/78688 (『和国諸職絵尽 諸織 絵本鏡』)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A8%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%A6%E3%82%93
https://kotobanomado.jp/column/1098/
https://weathernews.jp/s/topics/201908/280225/
https://www.kurashiru.com/articles/35b5c693-7f76-4fa0-86ba-b2003b622d44

S__332423179

S__332423181

【霞のうつわ】

数日前の小樽市の夕暮れ。空は、青と薄いピンク色のグラデーションに包まれ、幻想的な風景が広がっていました。「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」という言葉があるように、次の日はカラッとした夏らしい晴天となりました。この空を眺めた時、ふと小樽ショールームに展示されている、ガラスの器を思い出しました。吹きガラス工房frescoによるガラスの器は、「霞(かすみ)」をイメージして制作されており、淡く揺らいだ色彩のガラスが店内の照明に照らされて、いっそう美しく感じられます。

自然現象でいう「霞」とは、空気中の水滴などにより、遠くの景色がぼんやりと白く見えることを指しますが、まさにその幻想的な光景がガラスで表現されています。「霞色」と聞くと、なんとなく淡い色合いを思い浮かべられるのは、日本人が古くから自然の移ろいを繊細に見つめ、その一つ一つに名前を付けてきたからかもしれません。

日本には千を超える伝統色があるといわれています。桜や藤、木々や葉の色、空の色の変化など、四季折々の自然の美しさが色の名前となりました。また、昔は植物や樹皮など、自然由来の材料で布を染めていたため、同じ色でも染め方や季節によって微妙な違いが生まれます。その繊細な違いを見分けたことも、日本ならではの豊かな色彩文化が育まれた理由のひとつではないでしょうか。

江戸時代には、幕府による奢侈(しゃし)禁止令によって、庶民は贅沢を禁止され、派手な色を身に着けることが制限されました。着用できる色が「茶色」「鼠色」「藍色」の3系統のみとされた中でも、人々は工夫を重ね、布の染め方によるわずかな色の違いを楽しみました。「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねず)」という言葉が残るほど、茶色や鼠色だけでも無数のバリエーションが生まれたことからも、限られた色の中で美しさを見出そうとする、日本人ならではの美意識や色彩へのこだわりが感じられます。

吹きガラス工房frescoの「kasumi」シリーズの器もまた、一色では表せない繊細な色の重なりがあります。見る角度や光によって色味が増したり、その表情は、夕暮れの空や霞がかった景色のように繊細で美しいです。変化する空模様を愛でるように、暮らしの中でも季節や光を感じられる器です。ぜひ小樽ショールームで、実際にお手に取ってその繊細な色彩をご覧ください。

fresco kasumi bowl
https://www.shokunin.com/jp/fresco/kasumibowl.html
fresco kasumi plate
https://www.shokunin.com/jp/fresco/kasumiplate.html
小樽ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/otaru.html

参考資料
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/025.html
https://ori-ori.jp/history-of-traditional-colors-and-recommended-books
https://ja.wikipedia.org/wiki/奢侈禁止令#cite_note-4