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【明治生命館と静嘉堂文庫美術館】

東京駅近くでフリータイムができたら、皇居まで歩いて「明治生命館」へ。歴史の重要な局面を見守った古典主義建築の最高傑作が、予約不要かつ無料で一般公開されています。

明治生命館は、1934年(昭和9年)に3年7カ月の歳月をかけて竣工しました。設計は、当時の建築学会の重鎮であった東京美術学校(現・東京芸術大学)教授の岡田信一郎氏。大正から昭和初期にかけて、歌舞伎座、ニコライ堂修復、日本銀行小樽支店など、建設当時から話題になった作品を多く手がけた建築家です。明治生命館の主要なデザインは古代ギリシア・ローマを源流とする古典主義様式でまとめられていて、日本の近代洋風建築の発展に寄与した代表的な建造物といわれています。

1945年(昭和20年)9月12日から1956年(昭和31年)7月18日までの間、アメリカ極東空軍司令部として接収され、この間1952年(昭和27年)まで、明治生命館2階の会議室が連合国軍最高司令官の諮問機関である対日理事会の会場として使用されました。マッカーサー総司令官もこの会場で開催された会議に何回も出席しているとか。1997年(平成9年)に文化財保護審議会の答申によって、明治生命館は昭和の建造物として初めて国の重要文化財に指定されました。

先日、東京へ帰省した際に初めて訪れたのですが、まず外観が圧巻です。微妙なふくらみが付けられ上部へ行くほど細くなっている巨大なコリント式の列柱、「エンタシス」が、5層分を貫いて立ち並びます。中に入ると、天井が高く優雅で荘厳な空間が広がり、中央に位置する「明治安田CAFE 丸の内」ではお茶をすることも可能。2階から見下ろした景色もまた、呆気にとられるほどのゴージャスさと規模感です。ふかふかのソファに座り資料映像を見て歴史に思いを馳せ、会議室や応接室、食堂などを見てまわり、大理石や装飾の細部に目を凝らし、無料とは思えないほどゆったりじっくりと楽しませていただきました。

今回のもともとのお目当ては、2022年に東京・世田谷から明治生命館1階に移転した「静嘉堂文庫美術館」の展示ギャラリー。静嘉堂文庫美術館は、三菱第2代社長である岩﨑彌之助が1892年に創設し、その子である三菱第4代社長・小彌太によって拡充されました。父子2代によるコレクションの質と量は日本の私立美術館ではトップクラスで、国宝7件、重要文化財84件を含む、およそ20万冊の古典籍と、約6,500件の東洋古美術品を収蔵しています。なかには世界に3点のみ現存する国宝「曜変天目」も含まれ、無事見ることができました。静嘉堂文庫美術館のミュージアムグッズとして話題になっていた、「ほぼ実寸の曜変天目ぬいぐるみ」でご存じの方も多いかもしれません。

立ち寄りやすい場所にあるもののあまり知られていないため、東京に住んでいる方もそうでない方も一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

明治生命館
https://maps.app.goo.gl/dvogCKhmGNHH9Hx88
明治安田CAFE 丸の内
https://maps.app.goo.gl/PA3w5M4PJGvanirv5
静嘉堂文庫美術館
https://maps.app.goo.gl/bgd3jZ1maNqcJGj17
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/meiji-seimeikan/
https://www.seikado.or.jp/
https://tabi.jtb.or.jp/res/130143-
https://artexhibition.jp/topics/news/20240405-AEJ1942190/

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【北斎展】

上野の国立西洋美術館では「北斎」が開催されています。こちらは井内コレクションより2024年に寄託された「富獄三十六景」の初披露になるものです。

兵庫県明石市出身の歯科医師であり、在野の考古学研究者・美術コレクターだった井内氏。東アジアの古文化だけでなく日本の浮世絵、特に葛飾北斎の風景画の個人コレクターとしても知られています。その浮世絵の特徴は、全般に摺られた時期が早いということです。浮世絵版画は何度も摺り重ねられると、版木が摩滅したり、欠損したりしてしまうことがありますが、井内コレクションには、細い線がシャープで、版木が摩滅していないフレッシュな状態で摺られた作品を多く見ることができるのです。もうひとつは、背面に裏打ち紙を貼る補強がされていないものが多く、裏面からも絵具の色の鮮やかさが分かり、摺師が力を込めたバレンの跡も残されているそうです。会場には何点か表裏両面から見ることができるように展示されています。

そして“赤富士”で知られる「凱風快晴」には、極めて希少な藍摺版の通称“青富士”もあわせて展示されています。藍摺絵には、昔から使われていた「本藍」と、当時西洋から輸入された「プルシアンブルー」の2種類の藍があります。プルシアンブルーは、化学的な合成顔料で、現在のベルリンで作られたことから、日本では「ベルリン藍」を略して「ベロ藍」と呼ばれました。それまで歌麿などの作品で使われていた渋い青色の「本藍」に比べ、鮮やかな青色の表現を可能にした「ベロ藍」。当時の人々は、この新しい透明感ある美しい青色「ベロ藍」の登場に熱狂し、この鮮明な青で摺られた浮世絵をこぞって求めたそうです。会期わずかですが、「ベロ藍」の作品もお楽しみいただけます。

当店でも、奈良の地で土を耕し、種をまくことから始まるINDIGO CLASSICの藍染めの商品がございます。収穫後の「藍粉成(あいこな)し」から、百日間に及ぶ「蒅(すくも)作り」や発酵まで、藍の呼吸に寄り添い、微生物の生命力を引き出すための作業や管理を繰り返して出来上がった品々です。そしてさらにお手元で使い込み、暮らしの中で自分だけの藍色を育ててみるのはいかがでしょうか?昔から日本人に親しまれてきた藍色“ジャパンブルー”です。銀座ショールームにも3色の藍色ハンカチが展示されていますので、こちらへもぜひお立ち寄りください。

INDIGO CLASSIC ハンカチ
https://www.shokunin.com/jp/indigo/handkerchief.html
INDIGO CLASSIC Tシャツ
https://www.shokunin.com/jp/indigo/
INDIGO CLASSIC ストール
https://www.shokunin.com/jp/indigo/stole.html
銀座ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/ginza.html

参考資料
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2026hokusai.html
https://artexhibition.jp/topics/news/20260113-AEJ2818074/
https://www.adachi-hanga.com/hokusai/page/know_6

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【雨の日の陶器市】

ゴールデンウィークに開催された波佐見陶器まつりと有田陶器市へ行ってきました。唯一休みが取れたその日は、なんと雨予報……。しかし、日にちを変えることもできず、「行けるところに行って雨でもとことん楽しもう!」と気持ちを切り替え、朝5時前に家を出発しました。

さすがにその時間帯は道も空いていて、渋滞に巻き込まれることもなく、最初の目的地であるマルヒロに到着。まだやさしい小雨程度で、並んだりもなく店内をゆっくり見て回ることができました。HASAMIのカラフルな器たちは、見ているだけで元気をくれるようで、朝からビタミンチャージをしたような気分に。

そこから有田方面へ。車を停めるころには、空の色も暗くなり、強めの雨が降り出していました。レインコートにレインシューズ、そして傘。準備万端のつもりだったのですが、やはり本降りの雨風の中を歩くのは大変です。雨宿りをするように、店から店へと移動しながら散策しました。歴史ある建物や街並みが、薄暗くもとてもすてきだったので、「晴れていたら、もっと景色を楽しめたのだろうな」と思うと、少し悔しくもありましたが、雨だったからこその美しい景色や、人と人とのやり取りもたくさんありました。

お店の前でガラス越しに器を眺めていると、店主の方が奥から出てきて丁寧に説明してくださったり、絵付けの様子を見せてくださったり。お昼に立ち寄った蕎麦屋さんでは、「ズボンがびしょびしょだから輪ゴムで裾を止めたほうがいいよ!」と輪ゴムをくださり、「頑張って」と励まされたり。体は少し冷えてしまっていましたが、心はぽかぽかで、いつもより夢中になって歩き回った気がします。晴天だと人がもっと多いと思うので、こんなにゆっくり見ることができるのは、雨の日の特権でしょうね。お気に入りの器とも、たくさん出会うことができました。

帰りは、有田町の立ち寄り湯「有田温泉」へ。衝撃的なぬるぬるのお湯に浸かると、体も芯から温まり、濡れたズボンの冷たさもすっかり忘れることができました。

あの一日の満足感は、とても大きなものでした。“雨だから行かない”という選択をしなくて、本当に良かった。少し甘く見ていた部分もあったので、雨の日に挑むときには、長靴と素材のしっかりしたレインコート、丈夫な傘は必須です。そして、雨の日でもチャレンジする冒険心もお忘れなく。

HASAMI
https://www.shokunin.com/jp/hasami/
若松ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/wakamatsu.html