【籐】
日本人に郷愁を感じさせる、籐家具。英名の「ラタン」としても知られる「籐」は、軽く、丈夫で、地球上で最も長い茎を持った植物といわれています。
籐は、木でも竹でもなく、おもに東南アジアで成長するヤシ科のつるの植物です。自立できなくなると倒れ、枝や葉の裏に付いた無数の鋭いトゲでほかの樹木に沿いながら、太陽を求めて上へ伸びていきます。強さだけでなくしなやかさも兼ね備えており、巻いたり、編んだり、曲げられることによって生まれるデザインは、籐ならではの魅力。早い年月で成長するため、森林伐採等が問題となっている木材よりも早く使用できることや、空気中の炭酸ガスを固定させることから、環境にやさしい素材としても知られています。
「ツルヤ商店」は、明治40年に「会田ツル細工店」として山形市にて創業して以来、天然素材の籐を用いて、自社製造の国産籐製品を作り続けています。籐の特性を生かして「曲げる」「編む」「巻く」といった技術を組み合わせ、職人の手で作られたツルヤ商店の商品は、無着色無塗装のため、籐本来の味わいを感じながら、使うほどに飴色に艶が増していく変化を楽しむことができます。
家にあるだけでうっとりしてしまう、「籐脱衣かご」や「籐バスケット」、「籐2段ランドリーラック」は、その佇まいの美しさだけでなく、通気性がいいという籐の特性も生かされている商品です。「ねこハウス nejiro」は、狭い場所に入りたがるねこの習性に合わせて入り口を13cmに設定し、ギュギュッと入り込んでねこが安心する作りであると同時に、飼い主様が隙間から中の様子を見ることもできます。籐家具は、自然素材であることに加えて、角がなく衝撃を吸収してくれるため、安全性にも優れているのです。インテリアになじみながら、アクセントになってくれるのも、籐家具の嬉しいところ。
堅牢で、加工しやすく、人にも環境にもやさしい。そして、見ていると美しさだけでなく、あたたかさや安心感をも感じさせます。家具の素材として、これでもかというほどすばらしい特性を持っている籐。そこに日本人の手仕事の技術が合わさることで、人々の暮らしの中で心と身体に安らぎを与えてくれることでしょう。
ツルヤ商店 籐脱衣かご・籐バスケット
https://www.shokunin.com/jp/tsuruya/toubasket.html
ツルヤ商店 籐2段ランドリーラック
https://www.shokunin.com/jp/tsuruya/nidan.html
ツルヤ商店 籐ハンガー
https://www.shokunin.com/jp/tsuruya/hanger.html
ツルヤ商店 ねこハウス nejiro
https://www.shokunin.com/jp/tsuruya/neko.html
参考資料
https://www.dento-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/items/25.html
http://kazamaco.co.jp/rattan/
https://www.toukagu.com/hpgen/HPB/entries/51.html